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人事・組織領域を専門とする、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティング担当です。人事・組織・マネジメント関連情報をお伝えします。人事やマネジメントの方々にとって、未来の組織を作り出す一助になれば大変うれしいです。

優れた会社がちゃんと理解している企業文化の効用

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリはHarvard Business Reviewより。企業文化について。


What Great Companies Know About Culture
優れた会社が文化について知っていること


日本でも人気のある、Great Place to Work(GPTW: 働きがいのある会社)の調査において、上位にランクインした会社を見てみると、

Those companies who are committed to a strong workplace culture tend to perform well

強い企業文化にコミットメントを持つこれらの会社は業績も良い傾向にある。

言いかえれば、

great leaders know they should invest in their people.

優れたリーダーは人に投資をすべきだということをきちんと理解している。

と、グローバルのPR会社であるBurson-MarstellerのDeidre Campbell氏は自身の記事で紹介しています。

そこで出てくる疑問が、

is there a direct correlation between employee investment and the balance sheet?

社員への投資とバランスシート(業績)との間に直接の相関関係はあるのだろうか?

というものなのですが(日本では感情的につなげてしまいそうですが)、例えばHeskett教授が書かれた本では、普通の企業と優良企業の差の20~30%が文化によるものだとのこと。

そこでBerson-Marsteller社ではGPTWの上位25社中20社から回答を得て、実際にこれらの会社が共通で持っている特質について調査したそうです。その結果が下の4つだったそう。


They invest more in their employees.
社員への投資を増やす。

30 percent of top-ranked companies are investing more in work-life programs, such as flex-time, health benefits, and employee perks.

トップレベルの会社の30%がフレックスタイムや健康関連やその他の福利厚生など、ワークライフバランス向けのプログラムにより多く投資していた。

残り70%も現状維持をし、決して減らしてはいない、とのことです。


They're upgrading.
制度を継続的にブラッシュアップ。

programs that offer the most stability, as reported by 75 percent of respondents, are those that communicate brand mission and provide career development opportunities.

75%から回答のあった最も支持の大きかったプログラムは、ブランドやミッションについてのコミュニケーションやキャリア開発機会の提供といったものだった。

健康保険やカフェテリア、マッサージなど旧来からのものはそれほど人気がなく、常に社員の最新の動向を掴んでおくことが必須、と。


They recognize that culture is critical to talent retention.
企業文化が優秀な人材の引き留めには必須と認識。

In a world where competition for talent is global, star performers seek companies with values that mirror their own.

優秀人材にまつわる競争がグローバル化している中では、優秀な社員たちは自分自身が持つ価値観を反映している会社を求めている。

日々の業務に最も影響を与えるのは文化(80%)だそうで、採用が70%、その他の主要要素は20%程度だったそう。


They know their audience.
観衆の存在を意識している。

These companies recognize which stakeholders will watch their every move.

これらの会社は、どのステークホルダーが会社の一挙手一投足を観察しているかをきちんと認識している。

顧客が70%、投資家が35%という割合だったそうです。重要なのは、自社ブランドが全体としてどう見えるか(holistic view)。


結論として著者は、

Becoming a great workplace is not a transition that will happen overnight. Being a great workplace is the result of a long-term investment in their employees.

いい職場環境として認知されるようになるには、一夜漬けでは移行しえない。優れた職場環境はあくまで社員に対する長期の投資に対する結果だ。

その結果、生産性が上がり、採用や引き留めが楽になる、というロジックなんですね。その逆ではなく。


日本の経済環境もまだまだ不透明性が高いですが、今ここでできる、社員にとってプラスになる職場改善策を、人事としては知恵を絞って何とか実現していきたいところです。
お読みいただきありがとうございました!
今週もよろしくお願いします。


社員参加型のイベントを通してキャリア開発を行うために、ワークショップを活用することも可能です

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