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Google日本語入力に体が慣れ過ぎて、ツッコミが必須になってきた話

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以前このブログで「Google日本語入力の快適さ加減」というエントリーを書きました。その頃はまだGoogle日本語入力を使い始めたばかり。あまり使いこなせていないながらもその時点での快適さ加減をレポートした訳ですが、それから二ヶ月ほど使うなかで、Google日本語入力の感覚に体が慣れて、いろいろと便利に感じる部分も増えてきましたので、追加の報告をしたいと思います。

覚えていてくれる安心感

Google日本語入力の魅力は、その高速な予測表示です。以前のエントリーでは「打ってる間に予測がチラチラ出てるけど、気づいた時には通り過ぎていて選べない」という事を書きましたが、自分が慣れたからなのか、ソフトがバージョンアップしたからなのか、予測を的確に選べるようになってきました。

GOOGLE is mine for the next ten years
GOOGLE is mine for the next ten years / jardenberg

キータイプの際に予測を効果的に使用するには「次に打つ単語は候補に出てくる」という事を事前に察知して、キータイプの速度を落とす必要があります。つまり、どのような場合に、どんな候補が出てくるかについての「信頼」がなければ、効果的に予測を使う事はできません。

では、どのような場合に予測が使えるか。Google日本語入力の場合「一度でも入力した単語は覚えてくれている」と考えると分かりやすいです。(いつまで覚えててくれるのかは不明)

例えば僕がここで「コラボリズム日本語入力」という単語をタイプします。そしてすぐに「こら」までキーをタイプすると、この「コラボリズム日本語入力」という単語が候補に表示されます。

googleime_yosoku.png

携帯の予測なんかでもそんな感じですから、当たり前といえば当たり前ですが、マイクロソフトIMEの場合は3回打たないと覚えてくれないとか、再起動すると忘れているとかいろいろありましたし、PCの場合は携帯とは比べものにならないほどキータイプが早いので、予測候補を活用するためには動きに対する確信が必要なのです。

これを会社の実務で考えてみると、メールを打つ度に取引先の名前や製品名、会社名といった名詞がどんどん記憶されていく* という事になります。つまり、一度でも入力した事のある取引先に再度メールを打つ時には、確実に予測を使えると考えれば良い。

これは結構便利なことで、いくらキータイプが早い人でも、会社名や製品名は(特に横文字の会社名だと)長いものも多く、しかも間違えると大変失礼なもの。文書作成の速度を早めながらミスを減らすという両方の効果を得る事ができる予測変換は、是非とも業務に取り入れられていくべきでしょう。

それから、予測変換は「ちょっとした返信」メールを書く時に効果的です。「ちょっとした返信」は定型文にすると味気ない感じになってよろしくないですが、かといってさほどオリジナリティも必要ない。この場合も、Google日本語入力で予測される言葉を選んでつなげる事で、状況に沿った返信を最小限の労力で作成する事ができるようになります。

また、タイプミスが減りますのでBackspaceを連射する事も少なくなり、キーボードが壊れにくい。腱鞘炎になりにくい、キーボードの音がうるさいとか言われにくいと、まさにGoogle日本語入力は「便利づくめ」のIMEと言えるのです。

もう予測の無い世界を思い出せない。

このように慣れれば慣れるほど便利なGoogle日本語入力。もう慣れすぎてしまって、予測のない世界で自分がどう暮らしてたのか思い出せなくなってしまうのが唯一の欠点でしょうか。

たまに予測のないPCを使ってみたりすると、なんかツッコミの無い漫才を見てるような気分になります。

例えば「よろ」とキーが打たれた場合。このフリはもう「よろしくお願いします」しかないっしょ、とか思って見ていても、なんのツッコミも無い... スベったのかと思ってヘコみます。嘘でもいいから候補を出して欲しいです。つまりはもう、予測の無い世界には戻れない、という事ですね。

しかし、最近Googleはコアサービス以外のいろんなサービスを排除する方向に動いています。Google日本語入力はGoogleが(たぶん)大事にしている「ChromeBook」に欠かせない要素のはずですが、廃止される可能性が無いとは言えません。依存症の僕はどうすればいいんでしょうか。

ですから最近は、Google日本語入力依存の僕も、マイクロソフトIMEには頑張ってもらいたいように思えてきました。次のIMEが良かったら、僕は節操無く良いほうに乗り換える所存です、マイクロソフトさん、よろしくお願いします。


* 個人名や会社名が内部辞書にどんどん記憶されるので、これが個人情報に当たらないかという懸念がありますが、辞書への記憶は単語としてバラバラに記憶されるので、記憶情報だけでは個人を特定できません。(優先度を持った人名事典に過ぎません)ですので個人情報管理上の懸念は少ないと考えられます。


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