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iPodにWikipediaを入れてみた

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 Zune 2.0にあったらいい機能として「Wikipediaが入っている」というのを挙げたわたしですが、調べてみると、iPodで既に可能であることがわかったのでいちおう報告しておきます。

 iPodにWikipediaを入れる方法は知る限り2つあります。1つは難易度が非常に高いやり方なので、わたしはもちろんそうでもない方法を試してみました。

 難易度が高いやり方のほうは、iPodLinuxを使う「Encyclopodia」なるもので、まずiPodをLinuxマシンにしてしまうという方法。もともとOgg VorbisやFLACを使うことを目的としたものらしく、Wikipediaはそのおまけみたいなもの。iTproに解説記事があります。読めばわかると思いますが、けっして楽なインストールではありません。

 もう片方は、従来のiPodの機能はそのままに、Wikipediaのコンテンツの一部を標準搭載の「ノート」機能でブラウズできるようにするもので、名前は「Wikipod」。

HowTo: Read Wikipedia on an iPod

 iPodでWikipediaブラウズを可能にするプログラム、Wikipodはマット・スワン氏がPerlで開発したものです。「本当はWi-Fi経由でハンドヘルドに同期して持ちだせば、バスに乗ってオフラインで心ゆくまで読むことができる——それが実現するなら100ドル出してもいいのに。でも、市場は私の孤独な声に応えてくれそうにないので自分のiPodにWikipediaをロードするPerlプログラムを書いてみた」のだそうです。

 必要なのは、WikipodのPerlスクリプト(改良版がここからダウンロードできる)、ターミナル、メモ機能を持ったiPod。それだけ。

 コマンドもそんなに難しいものではありません。

・wikipod.plをダウンロードしてデスクトップに置き、ターミナルを開く
・cd ~/Desktop
・chmod 755 wikipod(これでwikipod.plが使えるようになる)
・iPodをディスクモードでMacとつなぐ
・起点とするWikipediaの項目ページのURLをコピーしておく
・再びターミナルを開く
・cd ~/Desktop
・./wikipod http://en.wikipedia.org/wiki/IPod(このURLにはさっきコピーしたWikipediaのページを指定)
・次に半角スペースをタイプ
・FInderでiPodのNotesフォルダをターミナルにドラッグ&ドロップ(保存するパスを指定)
・再び半角スペースをタイプし、使用する容量の上限を指定する(10Mバイトなら10)
・./wikipod http://en.wikipedia.org/wiki/IPod /Volumes/iPod/Notes 10(iPodの名前が"iPod"なら、このようになる)
・リターンキーを押して実行
・Transferred 12 pages...といったメッセージが表示される
・Done transferring 1001 pages!といったメッセージでiPodへの転送終了(だいたい10分から20分くらい)
・iPodをアンマウントする
・iPodでメモを使うと、最初にロードに10〜20分くらいかかるので、しばらく待機
・「メモをロード中」の件数が1000に達したら終了
・使用可能になる

 最初に指定した項目に入っているハイパーリンクをたどっていき、上限に指定したMバイト数かファイル数1000件に達するまで範囲を広げているという仕組みのようです。だから、最初に「iPod」を指定すれば、関連項目1000件近くまではカバーできる、というわけ。

 クリックホイールをくるくるまわして項目を選び、項目の解説を表示させたら、くるくるホイールをまわしてリンクをハイライトさせ、中央ボタンをプッシュすると、次の項目にジャンプする、という仕組みです。

 英語版Wikipediaならば、これで問題なく動作するはずです。問題は日本語。

 いちおう、日本語でWikipediaを使った場合の注意書きを記しておきます。

・Next Pageでページ分けしたときに、そのページの最後と次ページの最初が文字化けする場合がある
・Next Pageでページ分けしたときに、次ページにジャンプできない場合がある
・非英数字(かな、漢字)で始まる項目はzXXXXX(次ページ分割用の項目)の下に表示される(タイトルに日本語は表示されない)
・ノート機能の制限により、上限が1000ページとなっている(これは英語版も同じ)
・起点としたい項目名が日本語の場合、ターミナルにURLをコピーできない

 最後の問題は、まずはその項目をWikipediaで表示させます。例えば起点としたい項目の左カラムの「ツールボックス」>「この版への固定リンク」をクリックすると表示される「恒久的なURI:」の右側に表示されるURLの中の、「title=」と「&oldid=」に囲まれた部分をコピーします(参考:Safari(2.0.3)でWikipediaのURLを、「有効に」貼るには?の回答)。

 その項目が「日本の歴史」であれば、次のようなURLが表示されるはずです。

http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2&oldid=8913174

 この中の「%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2」が項目に該当するので、URLの「http://ja.wikipedia.org/wiki/×××」の「×××」の部分をこれに置き換えればOKです。

 「日本の歴史」を起点とした場合には、Next Pageリンクが見た限りでは全滅ですが、気になる事項の関連項目をつまみ食いするにはいいアイデアではないでしょうか。Perlに詳しい人ならば、これらの問題も解決できるかもしれません。

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