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中学入試問題は難しい

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1月ともなるとセンター試験は実施されるし、首都圏では千葉の幕張メッセで中学入試が始まるし、と受験生にとっては試練のシーズンである。僕自身にもそういう時期があったなあと懐かしい反面、二度とあんな思いを繰り返したくない。ただ、長いか短いかわからない人生において、たまにはああいったプレッシャーのかかる節目があっても良いのだろうと思う。曲がりなりにも明確な目的意識を持って集中的に勉強したのは事実なんだから。

傍観者的立場に立つならば、新聞などに掲載される中学入試の算数の超難問に取り組むのは頭の体操のようでなかなか楽しい。こんな問題に取り組んで、しかも解ける小学生がいるだなんて末恐ろしい、いや頼もしいものだ。表現は少々改変してあるが、例えば次のような今年の灘中の算数の問題である。

6桁の整数ABCDEFで、最上位桁の数字Aを一番下に移動した数BCDEFAが元の数の3倍になるものは、ちょうど2つあります。このような数ABCDEFのうち大きい数を求めなさい。

う~ぬ、何だこれは。未知数が6個もあるのにあまりにシンプルな条件なので、仮に方程式を使ったところで答えなんぞ出るわけがない。方程式を使わないで解こうとするから難しい、などとよく言われるがあんなのはうそである。使えたところでこの問題には何の役にも立ちそうにない。紙とペンを持って格闘した挙句、こんなところだろうと目処をつけた解法は以下のとおり。2つの数でBCDEFの並びが共通であることに目を付けるのが正解への道なのだろう。

ABCDEFを10倍してABCDEF0を作り、これからABCDEFの3倍にあたるBCDEFAを引くと、A×(1000000-1)=A×999999になる。これは元の数の10倍から3倍を引いた数だから、ABCDEFの7倍である。つまりA×999999=ABCDEF×7が成立する。両辺を7で割ると、A×142857=ABCDEFになる。ここでAは1から9まで考えられるわけだが、3倍しても6桁に収まる数字でなければならない事に注意する。A=1、A=2は成立するが、A=3とするとABCDEF=428571となり、これを3倍すると7桁になってしまうので題意に合わない。だからA=3以上は除外。よってA=2の時が大きい数になり、ABCDEF=285714が答えとなる。

もしかしたら生半可な大学入試の数学より難しいんじゃないだろうか。十分以上もあきらめる事無くこれに取り組んだ自分を褒めてやりたい。60分でこんなレベルの問題を13問も解けだなんて、これのどこが小学生向きなんだ。仮に教科書を100%理解できる小学生がいたところで歯が立つような問題ではないだろう。過去のお受験の歴史がとうとうここまで積み上げられて来たのであって、さらに今後も続くのだろうか。末恐ろしや。。。。

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