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Yammer買収、激化するクラウド戦争

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 書こう書こうと思っていたYammer買収とその後に関する記事をようやく書くことができました。
一ヶ月も経ってしまいましたが、考察というよりも雑感・見え方を述べていきたいと思います。(本ブログでは初めてのYammer関連ネタになります。開設した日にはまさかYammerが買収されることになるとは思ってもみませんでした・・。)

 ちなみにですが、Yammerに関しては、私の知人で「組織開発とソーシャルテクノロジー」を専門としている勝又康仁氏がお詳しいです。下記BlogとTwitterにて発信されていますので、Yammerについてウォッチしたいという方は是非ご覧ください。

Yammer Fan Blog

勝又康仁 - Twitter

▼賛否両論の中、YammerがMicrosoftに買収された
 先々月6月末頃にYammerの買収がにわかに話題になり、1〜2週間して買収が正式に発表されました。

Microsoft、企業向けSNS「Yammer」買収で交渉中か - ITpro

マイクロソフトがYammer買収を正式発表。SharePoint/Office 365/Skypeなどと組み合わせ提供へ、エンタープライズソーシャル機能を強化 -Publickey

 Yammerに関する大きなニュースもなく、地道な日本での展開を見ていた当方としましてはまさに青天の霹靂でした。私の周囲の、Yammer関連でやりとりしている方と話すと好意的な意見もあれば否定的な意見もあるという状況でした。
 否定的な意見としては、Microsoft社が本当にYammerを展開していけるのか?という疑念などの声がありましたが、好意的な意見としてMicrosoft社の強力なEnterprise製品(SharepointやOffice365、Skypeなど)と連携することへの期待でした。私も好意的な意見を持つ方で、今まで日本で拠点を持たず積極的に営業展開が出来なかったプロダクトYammerがMicrosoftの提供製品となることで少なからず日本でも展開が進むであろうと考えたからです。

 Enterprise Socialといえば国内ではセールスフォース社のChatterが有名ですが、Chatterは今年度の冬にも大幅なアップグレードを予定していると伺っています。代表的なEnterprise Socialのプロダクトが強化されることで、今後の盛り上がりが大変楽しみに感じます。言い換えると、クラウドの巨頭セールスフォース社とMicrosoft社がぶつかり合うことになった、という点が大きな転換点なのではないかとも感じます。


▼クラウド戦争はSalesforce VS Microsoft VS Google の三つ巴の戦いに?
 以下、特に取材をした内容ではないため雑感になってしまいますが、今後はSalesforce社、Microsoft社、Google社(連合)の三社でのEnterprise製品の戦争、特にクラウド上での戦争が激化すると感じます。今年の10月にこの三つ巴の戦いの火蓋が切って落とされ、2013年度から戦いが激化するのではないでしょうか。

 Salesforce社は圧倒的低コストのCRMと強力な営業力、開発プラットフォーム、昨年から続いたRadian6などの買収によって作り出す”Social Enterprise”で、セールスやマーケティングを切り口として攻めていくでしょう。
 Microsoft社は、Office365やSharepointといった中心的なプロダクトにSkype、Yammer、そして新たに端末としてWindows Phone 8、タブレット端末”Surface”にWindows 8を搭載して、既存のOfficeソフトおよび密接に連携したデバイスを元に攻勢に出るでしょう。
 Google & Softbank連合は(不適切な呼称でしたら申し訳ありません)、GoogleAppsにGoogle+とハングアウト、Softbankの営業力、通信、データセンターなどをiPhone、iPadと絡めて提供していくでしょう。(もちろんデバイスはNexus7、ChromeBookとなる可能性があります)

 上記のような三つ巴の状態で、エンタープライズ市場は盛り上がってくるのではないかと感じます。

 まとめになりますが、上記のようなクラウド、モバイル、ソーシャルによる革新的なワークスタイルは、下記のコクヨ社の記事から少しずつ現実のものとなってきていることを感じさせられます。

コクヨ|プレスリリース|モバイル、クラウドを活用したPCに依存しない新たな働き方への変革を開始 -

 以上、とりとめもない話ですが、クラウド事業者が先進的なサービスを提供することで、日本企業の活力を取り戻すことを願ってやみません。今後も動向をウォッチしていきたいと思います。

谷口

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