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これからの移住・交流施策のあり方について 

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総務省は2017年12月12日、「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会(第9回)」を開催し、「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会中間とりまとめ(案)」を公表しました。

過疎地域などをはじめとする地方圏では、著しい人口の高齢化、低密度化に伴い、生活支援サービス需要が増加する一方、地域づくりの担い手不足という課題に直面しています。その一方で、ライフスタイルや働き方の多様化が進み、多くの若者が従来の都市志向から地方志向になり、人の役に立ちたいというソーシャルな価値を重視するトレンドが生まれており、地域によっては若者を中心に「田園回帰」が起こり、変化を生み出す人材が地域に入り始めています。

そのため、本検討会では、 「ふるさと」との関わりを深めようとする人々の新しい動きにも着目し、「ふるさと」への想いを地域づくりに生かすための新たな移住・交流施策のあり方について議論しています。

長期的な「定住人口」や短期的な「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる者である「関係人口」に着目し、「ふるさと」に想いを寄せる地域外の人材との継続的かつ複層的なネットワークを形成することにより、このような人材と「ふるさと」との関わりを深め、地域内外の連携によって自立的で継続的な地域づくりを実現することが重要であるとしています。

今後の方向性としては、

1 段階的な移住・交流を支援する
2 「ふるさと」への想いを受け止める
3 地域における環境を整える

の3つをあげ、「ふるさと」への想いを受け止める新たな仕組みの具体的なあり方をはじめ、施策の具体案については、当検討会において引き続き議論していくとしています。

段階的な移住・交流支援では、都市住民の将来の地方への移住願望を実現する観点から、中長期的な視点で、段階的な移住・定住を希望する者の想いを受け止め、段階的なニーズに対応した地域との多様な交流の機会を創出することが有効であるとしています。また、移住希望者が移住に向けた階段を一歩一歩登ることができるよう、ライフステージに応じた多様な交流の入り口を用意し、階段の一段一段を低く感じることができるような施策を充実させるべきとしています。

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出所:これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会(第9回) 2017.12

「ふるさと」への想いを受け止めるでは、「関係人口」を地域づくりに貢献する存在として認識し、必ずしも「移住」という形でなくとも、国民の一人一人が積極的に関心を持ち、想いを寄せる地域である「ふるさと」に対する想い、貢献しようとする人々の動きを積極的に受け止め、人々と「ふるさと」とのより深い関わりを継続的に築く新たな仕組みを具体的に検討することが必要であるとしています。

新たな仕組みによって、国民全体で支えていくべき農山漁村等の「ふるさと」の役割(公益的機能)を再認識するとともに、「ふるさと」の地域づくりの担い手として、現に様々な関わりを持つ地域外の者(「近居の者」や「風の人」等)の役割を再評価し、また、「遠居の者」や「何らかの関わりがある者」等による「ふるさと」との関わりを新たに引き出すことも期待できるとしてます。

さらに、新しいライフスタイルや働き方により生じている都市と農山漁村における人的な交流を加速させ、都市と農山漁村における新しい共生の形を後押しすべき点も指摘しています。

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出所:これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会(第9回) 2017.12

地域における環境を整えるでは、これからの移住・交流、「ふるさと」との関わりを深める取組を展開していくためには、「関係人口」と地域をつなぐ仕組みを整えるため、地域の中においてコーディネート機能・プロデュース機能を発揮できる自立した中間支援機能が不可欠であり、その中心的な役割を担う人材の育成に対する支援についても併せて検討する必要があるとしています。

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出所:これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会(第9回) 2017.12

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