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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

農業クラウド

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農業は地域における基幹産業でありながらも、農業の従事者の高齢化が進み、他産業と比べると、経営規模やIT投資余力が少なく、全国的にも農業におけるITの活用は限定的となっています。

そのため、クラウドを活用した農業のノウハウの共有や、農業作業の効率化を進めていこうという動きが始まっています。

農業分野においてクラウドを活用した事例をご紹介しましょう。ミカンを栽培する果樹園農家では、クラウドを活用し、ミカン栽培の生産性や品質の向上を図る取り組みを進めています。

数千本の樹が植えてあるミカン園地園内にセンサーを設置し、気温や土壌温度や降水量などの情報を収集。また、農園の作業者にスマートフォンを配布し、樹木やミカンの撮影画像、作業内容や作業時の観察情報などを共有しています。

これらの収集情報はクラウドサービスに蓄積し、一元管理をし、スマートフォンのGPS(衛星利用測位システム)機能や、樹木1本ごとに設定したID番号で、育成状態や病害虫の発生状況などを詳細に管理しています。

果樹園農家では農業クラウドの活用によって、生育状態をしっかりと管理でき、高品質なおいしいミカンを作る環境が整い、一般的なミカンよりも高い価格の高級ブランドの出荷割合を高め、収入増につなげています。

これまでのミカン栽培は、熟練従業員による勘と経験に頼る部分が多くありましたが、クララウドの活用によるデータ収集の一元化とノウハウの明文化により、適切な栽培手法の標準化を実現し、作業コストの削減や生産性向上を図ることができるようになっています。農業経営における効率的なシステムを確立でき、次世代を担う中堅若手の農業従事も容易になり、農業の産業化における大きな効果をもたらすことが期待されます。

農業分野では、ITへの投資が遅れていますが、市場の潜在需要は高く、民間事業者の参入も相次いでおり、クラウドを活用することで、情報ノウハウの共有と効率的な農業経営により、新しい産業としての農業モデルの展開が期待されています。

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