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政府が進める「IoTサービスプラットフォーム」の世界

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政府は2015年11月24日、「総合科学技術・イノベーション会議(第13回)」を開催し、第5期科学技術基本計画の検討状況を公表しました。

政府の基本方針(政策の4本の柱)として

ⅰ)未来の産業創造・社会変革に向けた新たな価値創出の取組
ⅱ)経済・社会的な課題への対応
ⅲ)科学技術イノベーションの基盤的な力の強化
ⅳ)イノベーションシステム創出に向けた人材、知、資金の好循環システムの構築

の4つをあげています。

ⅰ)未来の産業創造・社会変革に向けた新たな価値創出の取組

では、共通基盤的なプラットフォーム(IoTサービスプラットフォーム)の構築に必要な取組を推進するとし、日本の競争力の維持・強化のため、IoTサービスプラットフォームの構築に必要な基盤技術の強化、高度人材育成などが重要としています。 IoTサービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術では、サイバーセキュリティ、システムエンジニアリング、ビッグデータ解析、AI、デバイスなどをあげています。

スクリーンショット 2015-11-27 9.55.27.png

出所:総合科学技術・イノベーション会議(第13回) 2015.11

科学技術基本計画について(答申素案)から、IoTサービスプラットフォームに関わる文言を引用してみたいと思います。

IoTサービスプラットフォームの構築に当たっては、複数システム間のデータ利活 用を促進するインターフェースやデータフォーマットなどの標準化、全システムに共通 するセキュリティの技術の高度化及び社会実装の推進、重要システムに対するインシデ ントの共有等のリスクマネジメントを適切に行う機能の構築が重要である。

複数のシステム間の連携協調を図ることにより、現在では想定されないような新しいサービスの創出も含め、様々なサービ スに活用できる共通のプラットフォームを構築していく必要がある。特に、複数のシス テムとの連携促進や産業競争力向上の観点から、高度道路交通システム、エネルギーバ リューチェーン及びものづくりシステムをコアシステムとして開発し、地域包括ケアや 農業関連などの他のシステムとの連携協調を早急に図り、経済・社会に新たな価値を創 出していく。 その際、知的財産、標準化や社会実装に向けた制度改革などのソフト面を含め、共通のプラットフォーム(IoTサービスプラットフォーム)を確立するとともに、それに必要な基盤技術を整備、確立することが不可欠である。また、システム全体の企画・設 計段階からセキュリティの確保を盛り込むセキュリティ・バイ・デザインの考え方を推 進することが必要である。 IoTサービスプラットフォームの構築に当たっては、複数システム間のデータ利活 用を促進するインターフェースやデータフォーマットなどの標準化、全システムに共通するセキュリティの技術の高度化及び社会実装の推進、重要システムに対するインシデ ントの共有等のリスクマネジメントを適切に行う機能の構築が重要である。

IoTサービスプラットフォームの整備に資する研究開発 人材やこれを活用して新しい価値を創出する人材の育成も重要である。 国は、産学官・関係府省連携の下で、このようなIoTサービスプラットフォームの構築に必要となる取組を推進する。

IoTサ ービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術の強化や、個別システムで新たな 価値創出のコアとなる部分に我が国の強い技術を更に強化して組み込んでいくことが 必要であり、具体的な技術領域と推進方策を提示する。

国は、産学官・関係府省連携の下で、IoTサービスプラットフォームの技術やインターフェース等に係る知的財産戦略と国際標準化戦略、個々のシステムやIoTサ ービスプラットフォームのパッケージ輸出の促進等を通じ、産業競争力の強化につなげ ていく。 あわせて、超スマート社会において、IoTサービスプラットフォームを活用し、新しい価値を生み出す事業の創出や新しい事業モデルを構築できる人材、データ解析やプ ログラミング等の基本的知識を持ちつつ、ビッグデータやAI等の基盤技術を新しい課 題の発見・解決に活用できる人材などの強化を図る。

IoTサービスプラットフォームの技術や インターフェース等に係る知的財産戦略と国際標準化戦略、個々のシステムやIoTサ ービスプラットフォームのパッケージ輸出の促進等を通じ、産業競争力の強化につなげ ていく。 あわせて、超スマート社会において、IoTサービスプラットフォームを活用し、新しい価値を生み出す事業の創出や新しい事業モデルを構築できる人材、データ解析やプ ログラミング等の基本的知識を持ちつつ、ビッグデータやAI等の基盤技術を新しい課題の発見・解決に活用できる人材などの強化を図る。

IoTサービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術 IoTサービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術、すなわちサイバー空間における情報の流通、処理、蓄積に関する技術は、我が国が世界に先駆けて「超スマ ート社会」を形成し、ビッグデータ等から付加価値を生み出していく上で不可欠な技術 である。 このため、安全な情報通信、設計から廃棄までのライフサイクルが長いといったIo Tの特徴を踏まえた「サイバーセキュリティ技術」、ハードウェアとソフトウェアのコン ポーネント化や大規模システムの構築・運用等を実現する「IoTシステム構築技術」、 非構造データを含む多種多様で大量なデータから知識・価値を導出する「ビッグデータ 解析技術」、IoTやビッグデータ解析、高度なコミュニケーションを支える「AI技術」、 大規模データの高速・リアルタイム処理を低消費電力で実現するための「デバイス技術」、 増大するデータを大容量・高速で流通するための「ネットワーク技術」、IoTの高度化 に必要となる現場システムでのリアルタイム処理の高速化や多様化を実現する「エッジ コンピューティング」などの基盤技術について、抜本的かつ早急に強化を図る。 なお、数理科学は、これらの技術を支える横断的な科学技術であり、各技術の研究開発との連携強化や、人材育成の強化にも留意しつつ、その振興を図る。

新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術 我が国に強みのある技術を活かしたコンポーネントを各システムの要素とし、IoT サービスプラットフォームにつなげることで、国内外の経済社会の多様なニーズに対応 する新たな価値を生み出すシステムとすることが可能となる。

以上のように、かなり広範囲な領域でIoTサービスプラットフォームをとらえており、IoTサービスプラットフォームをベースとした技術や研究開発、人材育成、新しい事業モデルの構築などを展開していくといった趣旨の内容が答申案として出されています。

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