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IoTでつながる社会の実現に向けた諸課題の展望

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総務省は2015年10月6日、「ICTサービス安心・安全研究会 近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション」において、「ICTサービス安心・安全研究会 近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション」の取りまとめを公表しました。

IoTでつながる社会の実現に向けた諸課題の展望では、

近未来におけるICTサービスの発展を見据えた諸課題の展望 IoTは、「人と人」をつなぐという従来のコミュニケーションの概念を「モノ」へと拡大した極めて大きなパラダイムシフト。IoTの衝撃は、 社会経済全体にデジタルトランスフォーメーションと呼ばれる変革を発生。新たな時代の萌芽を守り、大きく育てていくことが必要。

とし、IoTを支える技術、制度、人材の在り方 、 IoTによる新たなバリューの創出 、IoTと安心・安全の確保、 人口減少・地方創生など社会的課題への寄与 、情報の自由な流通の確保とIoTのグローバルな展開をあげています。

(1) IoTを支える技術、制度、人材の在り方

□ 今後、我が国がIoTの利活用で世界を先導し、社会経済の様々なシステムを変革させ、発展に導くためには、IoTを支える技術開発や 社会実証、国際標準化等を国家戦略として推進していくことが必要。
□ 希少な電波資源を有効利用するための新たな技術開発や規律・ルールの検討も必要。
□ IoTの利用実態に応じ、技術と制度のバランスを図る必要が生じるので、関係者が出会い・集う場の設置が重要。 □ インターネットから新しく生まれた新しい価値観や文化に関しては、情報通信の立場から、具体的な課題を含め、既存の制度を変えて いかなければならないというメッセージを発出していくことが重要。(例:ドローン、シェアリングエコノミー、デジタルファブリケーション等)
□ IoTの事業化に向けたコーディネーター/ディレクターの役割を担う人材の育成が求められている。

(2) IoTによる新たなバリューの創出

□ IoTの発展のためには、IoTをハードウェアではなくサービスとして捉え、Win-Win、さらには「Winx」の関係を構築できるエコシステムを 創出し、付加価値を生み出すビジネスモデルやそれを実現するためのプラットフォームを構築することが重要。
□ 利用者における意識、価値観の変化や雇用・労働スタイルの変化などが必要な場合もある。IoT導入の便益を可視化する取組も有効。

(3) IoTと安心・安全の確保

□ IoTによる価値創造は、人々の安心・安全にも寄与。一方で、IoTのシステムの安全性の確保、反社会的な利用の防止、プライバシー侵害 の防止、サイバーセキュリティの確保、IoTにより被害が生じた場合の責任やリスクの分担の在り方などの課題を解決することも必要。
□ 安心・安全に関する制度・ルールの明確化は、ビジネスやサービスの社会的信頼性の確保や外縁の明確化の観点から重要であるが、 新たなビジネス・サービスの発展の可能性の芽をつむ形にならないように十分留意することが必要。

(4) 人口減少・地方創生など社会的課題への寄与

□ 超高齢化社会において労働力不足が懸念される中、ロボットやAIによる生産能力の向上や車の自動走行などに対応した社会基盤の 自動化、ICTを活用した生涯教育の活用などによる、労働力不足の補填や労働力の維持を図っていく必要。
□ 地方創生の観点からは、IoTは地域のニッチなニーズとの親和性が高く、ベンチャー等の比較的小規模な事業者も参入可能。IoT推進の ための場の形成等が有効。また、便利で安価に利用可能なサービスプラットフォームの提供等、ベンチャーが育つ環境の整備が重要。

(5) 情報の自由な流通の確保とIoTのグローバルな展開

□ 国境を超えた情報の自由な流通の確保は非常に重要なテーマであり、我が国としても積極的に貢献していく必要。
□ 「ガラパゴス」化を避けつつ、我が国のベストプラクティスをグローバル市場で優位に立つためにアピールしていくことが求められる。 □ グローバルな展開を想定した、広範な分野の産学官、さらには国民が参集した「民産学官」で社会実証・標準化等を進めていく必要。

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出所:「ICTサービス安心・安全研究会 近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション」の取りまとめ 2015.10

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