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政府の「官民ITS構想・ロードマップ2015」

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政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)は2015年6月30日、第68回会合を開催し、

「世界最先端IT国家創造宣言」及び同「工程表」の改定について
「地方創生IT利活用促進プラン」について
「IT利活用に係る基本指針」について
「新たなオープンデータの展開に向けて」について
「官民ITS構想・ロードマップ2015」について

などについて、公表しました。

今回は、官民ITS構想・ロードマップ2015」について紹介をしたいと思います。

自動走行を含むITSを巡っては、大きなイノベーションの変化の中にあり、競争環境は刻々変化しており、最新の状況を踏まえつつ国家ITS戦略を推進するため、昨年策定した官民ITS構想・ロードマップを改定し、世界最先端のITSの構築、自動走行に係るイノベーションの世界の中心地となることを目指すため、「官民ITS構想・ロードマップ2015」を公表しました。

全体の概要図が以下のとおりとなります。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

IoT化、AI化等の技術の進展や IoT化の進展によるデータの流通構造の変化しており、自動走行における「IT・データ」の重要性の高まりを受けて政府では、

自動走行システム戦略と交通データ利活用戦略の2つの戦略の柱を掲げています。

自動走行システム戦略では、安全運転支援システム・自動走行システムの定義は以下ように、レベル1の単独型からレベル4の完全自動走行まで分類し、ロードマップをまとめています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

本構想で目標とする社会と重要目標達成指標では、2030 年までに「世界一安全で円滑な」道路交通社会の構築を目指し、2020年以降、自動走行システム化に係るイノベーションに関し、世界の中心地となることを目指しています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

安全運転支援システム・自動走行システムの普及に係る戦略のイメージは以下のとおりです。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

「自動走行システム」については、

「完全自動走行システム」を実現できる 技術を目指しつつ、「準自動走行システム」について、海外への展開も視野 に入れつつ、更なるレベルの高度化を目指して、新車としての開発・実証・ 市場化を進めること等により、2020 年までに世界最先端の ITS を構築する とともに、例えば、自動走行システムによって、安全運転を確実に行う熟練 ドライバー以上の安全走行の確保や、最適なルート判断、最適な速度パター ンの設定等の実現によって、交通渋滞の緩和、交通事故の軽減、高齢者の移 動支援等を達成し、2030 年までに世界一安全で円滑な道路交通社会を構築する。

といったKPIを設定しています。

自動走行システムへの発展に向けた自律型、協調型のアーキテクチャー戦略では、

安全運転支援システム・自動走行システムにおいては、障害物の存在等の自動 車の周辺情報を収集(センサー部分)し、それを、知能部分で分析・判断し、そ の結果を、自動車の操作(駆動部分)あるいは、運転者への情報提供(音声・画 面出力)に反映することになる。

として、安全運転支援システム・自動走行システムの情報収集技術の種類について、以下のとおり整理しています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

自律型と協調型の統合に向けた戦略(イメージ)については、安全運転支援システムから自動走行システムへの発展に向けて、これらの自律型と協調型の統合に向けた戦略が求められるとし、

自律型をベースにしつつ、必要に応じて協調型(路車 協調型、車車協調型等)に係る機能をモジュールとして追加するタイプの自動 走行システムも実現できるよう、アーキテクチャーを確立し、その接続のための共通のインターフェースを策定しておくことが必要であるとしています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

自動走行システムの市場化期待時期では、2020年後半が自動合流等ができるレベル3、2020年後半以降にレベル4の完全自動走行を目指しています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

当面先行的に開発・普及を目指す自動走行システムの具体像では、

高齢化の進展や地域の活性化等の我が国の抱える課題を踏まえ た上で、国全体として、これらの課題の解決に資するような自動走行システムの具体像を明確にする必要がある

といった社会問題に対応するため、3つの当面先行的に開発・普及を目指す自動走行システムの具体像(代表例)を紹介しています。

① グローバル市場での国際競争力強化に資する自動走行システム
② 自動走行機能付き地域公共交通システム
③ 地域コミュニティ向け小型自動走行システム

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

交通関連データと各種情報提供、安全運転支援システム ・自動走行システムとの関係(イメージ)は以下のとおりで、渋滞の緩和、交通事故等の削減、新サービスの創出につなげていくことを目指しています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

安全運転支援システム・自動走行シ ステム、交通データ利活用に関し、官民それぞれが取り組むべき課題とスケジュ ールを示したロードマップは以下のように示しています。

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出所:官民ITS構想・ロードマップ2015 2015.6.30

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