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「起業家精神を創発する IT 関連施策パッケージ」とデータ活用について

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  IT総合戦略本部は2014年10月30日、「起業家精神を創発する IT 関連施策パッケージ」第一版を公表しました。

パッケージの全体像は以下のとおりとなります。

1.IT を活用した起業家精神の創発・ネットワーク化の推進
・起業家精神創発、ベンチャー創出に向けた情報提供、ネットワーキング活動等の推進
・クラウドファンディングの推進、国の事業におけるクラウド型手法の活用の検討
・中小・ベンチャー企業に対するIT 化の推進 ほか

2.データを活用した新ビジネス・ソリューションに向けたアイデアの創出促進
・データを活用したアイデアソン、ハッカソン、コンテスト等の事業の推進
・ データを活用したアイデアとニーズのマッチングに向けた取組 ほか

3.データ活用ビジネス推進の基盤となるデータ利活用環境の整備
・オープンデータ化の更なる充実、地方自治体等への拡大
・分野横断的なデータの流通促進に向けたプラットフォームの検討 ほか

4.IT ベンチャー創出・育成に向けた取組
・IT ベンチャーを加速するための連携の推進
・シリコンバレー等の海外のエコシステムの活力の活用
・国のIT 調達等を通じたIT ベンチャーの推進の検討 ほか

5.IT 人材の裾野拡大に向けた取組 
・ 若年層に対するプログラミング教育の推進
・ IT を活用した教育・人材育成の推進 ほか

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2.データを活用した新ビジネス・ソリューションに向けたアイデアの創出促進

3.データ活用ビジネス推進の基盤となるデータ利活用環境の整備

を中心としたモデルに焦点をあててみたいと思います。

2.データを活用した新ビジネス・ソリューションに向けたアイデアの創出促進

<全体方針>
プログラマー、起業家候補者等によるデータ・IT を活用した新たなビジネス創出、社会的課題に向けたソ リューションに係るアイデアの創出を促進するため、ビジネスモデル、アイデアソン、ハッカソン、プログ ラミングコンテストなどの各種事業に関して、官民が連携して推進するとともに、マッチングを推進する。 また、これらをより効率的に進める方策(体系化と優秀者に対する賞金、内閣総理大臣賞等の付与、各種 ベンチャー推進策との連携などを含むマッチング機能)について検討する。

<現在実施中あるいは検討中の個別施策>
(各種コンテストの推進)
民間企業、地方自治体等が主催するハッカソン・アイデアソン等に係る各種事業について、オープンデー タ流通推進コンソーシアムのHP 等を通じて、一元的に情報提供を行う。また、全国各地域におけるアイ デアソン、ハッカソンに係る事業を推進する。(○総務省「情報流通連携基盤構築事業」/●総務省「オ ープンデータ・ビッグデータ利活用推進事業」、○●経済産業省「公共データの民間開放(オープンデー タ)・利活用に係る調査及び実証」)

民間企業、地方自治体等の主催により各地で実施されたハッカソン、アイデアソンの成果の活用を促進す るため、オープンデータを用いたアイデアやアプリケーションを蓄積し、ユーザー(国民、地方自治体、 民間企業等)のニーズとアプリケーション開発のシーズとのマッチングを可能とする枠組み(ナレッジ・ バンク(仮称))の構築を支援する。(○●経済産業省「公共データの民間開放(オープンデータ)・利活用に係る調査及び実証:再掲」/●経済産業省「ベンチャー創造支援事業:再掲」)

オープンデータ等を活用したアプリケーションのコンテストを、民間事業者と連携しつつ、実施する。(○ 総務省「情報流通連携基盤構築事業:再掲」/●総務省「オープンデータ・ビッグデータ利活用推進事業: 再掲」、○●経済産業省「公共データの民間開放(オープンデータ)・利活用に係る調査及び実証:再掲」)

若者を対象としたプログラミングコンテスト(U-22 プログラミングコンテスト)を、民間団体・事業者 等と連携しつつ、実施する。(□経済産業省:事業移管先の民間団体(一般社団法人コンピュータソフト ウェア協会)と連携)

(マッチングの実施)
地方公共団体が保有する行政データのオープン化を通じ、民間事業者の行政データの活用推進のために整 備する公共クラウドで公開する対象データを地方公共団体の保有データから抽出する。(○●総務省「公 共クラウド構築プロジェクト」)

3.データ活用ビジネス推進の基盤となるデータ利活用環境の整備

<全体方針>
公共データについて、ビジネスや官民協同のサービスでの利用がしやすいように、API 等による活用側の 利便性を意識したデータ提供を重視しつつ、オープンデータ化を引き続き推進、拡充する。 また、民間企業保有のデータ等であって、必ずしもオープンデータ化できないようなデータについても、 分野横断的に社会全体として円滑流通し、利活用されるようにするため、官民によるデータ流通基盤に係 る環境整備についての検討を行う。
具体的には、情報流通連携基盤共通 API(総務省)や共通語彙基盤(経済産業省)等の既存の取組を踏ま えつつ、行政分野に加え、交通分野、防災分野、観光等地域分野、エネルギー分野など各種横断的な分野で の情報連携・流通が可能となるような、アーキテクチャーの在り方、共通ID 等の在り方、データ接続・標準 の在り方(API など)、利用・共有等に係る一般ルールの整備等の在り方について検討を行う。

<現在実施中あるいは検討中の個別施策>
(オープンデータの推進)
国が保有するデータについて、オープンデータ化を引き続き推進するとともに、地方自治体、独立行政法 人、公益企業等におけるオープンデータ化についても促進する。その際、データのより高度な利用を可能 とする取組も推進し、政府統計データにおけるAPI 機能の提供や統計GIS の充実等を行う。(○●内閣官 房「データカタログサイトの運用」、○総務省「情報流通連携基盤構築事業:再掲」/○●総務省「オー プンデータ・ビッグデータ利活用推進事業:再掲」、○●経済産業省「公共データの民間開放(オープン データ)・利活用に係る調査及び実証:再掲」、その他関係府省)

地方公共団体の保有する行政データの民間での利用促進を図るため、集約して公開する官民共同利用型イ ンフラである公共クラウドを整備する。(○●総務省「公共クラウド構築プロジェクト:再掲」)  (民間企業のデータを含む横断的情報連携基盤・環境の整備)

民間企業のデータを活用し、起業家、ベンチャーが、データ駆動型イノベーション創出に取り組める環境 を整備する。具体的には、関連企業が集まるコミュニティを形成し、データへのアクセスのハブとなる基 盤(データプラットフォーム)の運営とあわせて、データを分析して価値を引き出すサポートをビジネス として持続的に担うプレーヤー(データプラットフォーマー)の在り方等について検討する。また、当該 コミュニティに参加する企業等のデータを活用したアイデア・好事例創出に向けた取組を推進し、データ プラットフォーマーの担い手を発掘する。特に、エネルギー分野については、HEMS(ホーム・エネルギ ー・マネジメント・システム)から得られる電力利用データを利活用することで、エネルギー・マネジメ ントに留まらない新たなデータ利活用サービスの創出が期待されている。このため、大規模な HEMS 情 報基盤の構築・標準化(API など)やプライバシー対応等を通じて、電力利用に係るビッグデータの利活用環境を整備する。(■経済産業省「データ駆動型(ドリブン)イノベーション創出戦略協議会」/☆★ 経済産業省「大規模HEMS 情報基盤整備事業」/●経済産業省「ベンチャー創造支援事業:再掲」)

以上のように、起業家精神創発、ベンチャー創出においては、データの活用およびそのための環境整備が大きなテーマの一つになっています。

 

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