オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

オープンソースクラウドプロジェクト2014 ~1位はOpenStack、2位はDocker~

»

Linux foundationは2014年8月22日、シカゴで開催されたCloudOpenのイベントにおいて、オープンソースクラウドプロジェクトに関するユーザー調査「The Top Open Source Cloud Projects of 2014」を公表しました。

clip_image002
出所:The Top Open Source Cloud Projects of 2014 2014.8.22

調査では、全プロジェクトの中で、オープンソースのIaaS基盤ソフトウェアのOpenStackが最も高く、続いてDocker、KVM、CloudStack、Cephが続いています。

特に注目されるのはコンテナ型仮想化技術を採用したDockerで、1年あまりの短期間でOpenStack に続いて2位に入る躍進を遂げ、注目度は高まっています。

OpenStackは、RackSpaceやIBM、HPなど多くのクラウドサービス事業者などでの採用が進んでいます。開発コミュニティも活発で、最も注目度の高いオープンソースのクラウドプロジェクトといえます。

ハイパーバイザー&コンテナプロジェクトではKVMが人気

ハイパーバイザーとコンテナプロジェクトでは、KVMが48%の1位で、続いてDocker、Xen、CoreOSと続いています。Docker人気を受け、Docker専用の軽量LinuxディストリビューションのCoreOSへの注目度も高まっています。

clip_image004
出所:The Top Open Source Cloud Projects of 2014 2014.8.22

IaaSはOpenStackの人気が突出

IaaSではOpenStackが63%と最も人気が高く、CloudStackが18%、OpenNebula、Eucalyptusが続いています。

clip_image006
出所:The Top Open Source Cloud Projects of 2014 2014.8.22

CloudStackは、日本では、NTTコミュニケーションズのCloudn(クラウド・エヌ)をはじめ、IDCフロンティアやKDDIなど多くの事業者や北海道大学や九州大学などの大学機関や民間企業など多く採用されており、インターフェイスの使いやすさや、商用利用に耐えられる安定性などが評価されています。

PaaSはOpenShiftが50%超、Cloud Foundryが続き2強に

PaaSでは、Red HatのOpenShiftが54%を占め、Cloud Foundryが36%と続いており、PaaSは2強による争いとなっています。

Cloud Foundryは、Cloud Foundry Foundationにより維持管理されており、IBMのBlueMixやNTTコミュニケーションズのCloudn PaaSで商用サービスとして提供されており、HPがサービス提供を予定しています。

clip_image008
出所:The Top Open Source Cloud Projects of 2014 2014.8.22

ストレージはCephが1位で50%近くに

ストレージ分野ではCeph49.6%と半数近くで、Glusterの20%、OpenStackのSwiftの17%と続いています。

clip_image010
出所:The Top Open Source Cloud Projects of 2014 2014.8.22

開発運用ツールは、Puppetが1位であるものの激戦区に

開発運用ツールはPuppetが1位で23%となっていますが、Ansibleが18%、SaltStackが13.3%、Jujuが10.7%と続いています。日本では人気の高いChefは10.4%となっており、想像以上にシェアが低いという印象をもっています。開発運用ツールは、激戦区となっており、今後どこが抜けてくるのか注目されるところです。

clip_image012
出所:The Top Open Source Cloud Projects of 2014 2014.8.22

以上のように、オープンソースクラウドプロジェクトはIaaS基盤からPaaS、ハイパーバイザーやストレージ、そして、開発運用管理まで、商用利用可能なソフトウェアが出揃い、機能も充実し、サービス開発や商用サービスでの利用も加速しています。

パブリッククラウドサービスはAWSが市場をリードし、Microsoft AzureやGoogleなど独自仕様の事業者が市場をリードしています。一方、OpenStackやDocker、OpenShiftなどを中心としたオープンソースをベースとしたクラウド採用の動きもクラウド市場おいて、コスト効果やオープンなクラウドエコシステム形成の動きは、成長における大きな後押しとなるでしょう。

 

Comment(0)