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スマート・マシン時代の到来

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2014年7月10日、たけびし社主催による「たけびしフェア2014」に参加し、「スマート・マシン時代の到来」というテーマでお話をさせていただきました。

講演のセッションは、定員数を超える申し込みがあるなど、スマート・マシンというテーマへの関心の高さが伺えました。

今回、お話をさせていただいた一部を少しご紹介をしたいと思います。全体の流れとしては、ロボット+人工知能などによる「テクノロジー革命」、機械との競争と共創による「人間の雇用・仕事」、そして「人間の機械化/IT化」の3つの視点で、年代別の時代変化にフォーカスをあてて整理をしてみました。

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まずは、スマート・マシンは、ガートナーの定義による「Movers」「Sages」「Doers」の3つで整理をさせていただきました。

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「機械との競争」によると、

今日、経済のあらゆる部門は技術による置き換えに直面しており、数百万単位の労働者が不要になっている。これに対処することが「今世紀における最も急を要する社会的問題」

と書かれているように、生産性が伸びても機械に置き換えられて雇用が伸びない「グレート・デカップリング」が指摘されています。

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近年も大規模な機械への置換えが進んでいます。

フォックスコンは、従業員数120万で、EMS(電子機器受託生産)の世界最大手の台湾の鴻海(フォックスコン)は、2013年7月、3年以内に100万台のロボットを生産ラインに導入し、50万人の労働者をロボットに置き換えると発表してます。

また、アマゾンは、2012年にロボットの開発会社のキヴァ・システムを億7500万ドルで買収し、配送センターで、自動的に箱詰め作業員のところに、製品を運んでくるロボットをこれまでの1,000台から10,000台になると予測しています。

2017年までに、 「コンピュータの10%は情報を処理するだけでなく、学習するマシンになる」

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では、将棋のプロ棋士5人と5つのコンピュータ将棋ソフトが対決する団体戦『第3回将棋電王戦』を開催(2014.3)され、最終結果はプロ棋士側の1勝4敗とコンピュータに負け越しの例、国立情報学研究所が中心となり、2016年度までに大学入試センター試験で高得点を取り、2021年度には東京大学の入試に突破することを目標にした人工知能の研究活動の取り組み、そして、IBMの人工知能「ワトソン」の例を紹介させていただきました。

以下は項目のみ紹介したいと思います。

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・政府のロボット政策
「ロボット革命実現会議」を本年夏までに立ち上げ、アクションプランとして「5カ年計画」を策定

・国内のロボット市場
2015年の市場は1.5兆円、2020年には2.9兆円、2025年には5.2兆円、2035年には9.7兆円まで成長すると予測

・グーグルのロボット買収関連8社
シリコンバレーでは人口知能とロボットが新しい産業革命の主役に

・ロボットOSの覇権
シリコンバレーでは、米Willow Garage社が開発し、「オープンソース・ロボット開発財団(Open Source Robotics Foundation) 」が維持管理し、無料で提供しているソフトのROS(ロボット・オペレーティング・システム)。制御機能やAIとの動作させるようになり、ロボットのハードウェアと連携させることで、ロボットの大きさや構造が異なるさまざまなタイプのロボットへも展開

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・第3の失業の波のインパクト
第1の失業の波:産業革命(18,19世紀)、第2の失業の波:オートメーション化(1960年以降)、第3の失業の波:スマート・マシン(これから)

・人口減少時代
現状が続けば、2060年には人口が約8,700万人と現在の3分の2の規模まで減少

・今後10年間で自動化が可能な仕事(例)

・介護ロボットの市場成長性
2012年度の介護ロボット市場規模は、1億7,000万円、2020年度の介護ロボット市場規模は349億8,000万円に拡大すると予測

・職業別コンピュータ化で職を代替される確率
タクシー運転手 89%

・グーグルの自動運転タクシー(ロボットカー)
ハンドルもペダルも無い新しいタイプのグーグルの自動運転車。交通事故や渋滞の減少に期待。自家用車を所有するよりも、自動運転タクシーを利用する方がトータルで安上がりになる時代に →タクシー運転手の雇用減少に?

・国内外の自動車メーカによる自動運転の取り組み
スマートフォン操作等により自律走行する「①運転支援型」と、人間の操作を必要としない「②完全無人型」に大別

・自動運転車(ロボットカー)の普及予測
運転手が必要な自動運転技術搭載車は2025年頃、完全無人のロボットカーは2035年頃に市場に普及

・職を奪われない可能性のある仕事(例)
ロボットによる代替が難しい仕事 など

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・人間の機械化/IT化(ウェアラブル・デバイス)①
2013年スマートグラスの世界市場規模は45万台、2016年は1,000万台規模
2013年スマートウォッチの世界市場規模は1,000万台、2016年は1億台規模

・人間の機械化/IT化(ウェアラブル・デバイス)②
大学病院で患者のバイタルサインを見ながら処置を行う医療トライアル
利用者の心拍数、呼吸数、歩行数、カロリー消費量などを測定

・人間の機械化/IT化(サイボーグ型ロボット)
身体機能を改善・補助・拡張することができる、世界初のサイボーグ型ロボットHAL(Hybrid Assistive Limb)※ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)

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・モノのインターネット(IoT)の進展

■ガートナー
2020年には、IoTの普及は急速に進み、2020年には300億個以上のデバイスがつながり、コンピュータ以外のデバイスが過半数を占め、19000億ドル(約194兆円)の経済価値を創出する

■インテル
2020年には確実に500億のデバイスがインターネットに接続する。その多くは、PCやスマートフォン、タブレットといった人が使うデバイスではなく、自動車や自動販売機、工場設置機器、医療機器などのデバイスがつながり、これらのデバイスにつながるデータを活用したビジネス展開が鍵

■シスコシステムズ
2020年には500億台のデバイスがつながり、インターネットは、人、プロセス、データ、モノを組み合わせたIoE(Internet of Everything)の時代へと大きく成長し、今後10年間でIoTは全世界に14.4兆ドルの価値を生む

・モノのインターネット(IoT)のイメージ

・モノのインターネット(サービス/インフラ)

・モノのインターネット(車両/業界別)

・インダストリアル・インターネット
センサーからネットワークで経由で稼働データなどを収集し可視化することで、メンテナンスに生かし、効率的な生産管理と生産性の向上を実現する。(GEのコンセプト)

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・トリリオン・センサー・プロジェクト
医療・ヘルスケア/農業/社会インフラなどのあらゆる部分が、センサで覆われ、コンピュータにつながる

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・危険な仕事のロボット対応
軍事用ロボット、災害用ロボットなど

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・2025年のハードウェアメーカ革命

・2014年:洗練されたハードウェアプロダクトのプロトタイプを一晩で作れるように
・2016年:ハードウェアのオンデマンド製造が可能に
・2020年:インターネット接続されたデバイスは世界中で800億以上となり、
      デバイスの50%以上が、新しいハードウェア企業の製品に
・2025年:アップルのような革新的なハードウェアメーカーが100以上存在

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・4つのテクノロジーの進化
マイクログリッド、自動運転、3Dプリンター、ロボットの4つのテクノロジーの進化

・3Dプリンターで制作するオープンソース型ロボット
米インテルは、3Dプリンターを利用してロボットを作れる製作キットを開発。第一弾の「Jimmy」は9月に発売予定

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・2045年の世界
人間とロボットが争う世界、ロボット側の人間になりたい欲求
社会的課題・リスク:安全性とエラー、法制度、ロボットの倫理、ロボットの権利 etc..、人間との関係(恋愛対象?結婚?)

・スマート・マシン等を支えるクラウド
大量のコト・モノ、膨大なデータを支えるクラウド

・NTTコミュニケーションズのクラウドへの評価

 

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