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新IT戦略(4)~スマートグリッド

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新IT戦略(新たな情報通信技術戦略(案))の中では、クラウドコンピューティング(13回登場)ほどではありませんが、スマートグリッドも8回キーワードが登場しており、新IT戦略における柱の一つとなっています。

では、政府がどのようにスマートグリッドを政策の中に位置づけているのか、ポイントを整理してみたいと思います。まず、新市場の創出と国際展開においては、2020年までに一般化することと、産学官連携での重要な研究開発テーマに位置づけられています。

環境省が3月19日に公表した「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会の全体検討会(第4回)」によると、「スマートメーターの導入率は2020年に80%以上、スマートグリッド普及率は2030年に100%」という目標設定をしていますので、「一般化」という言葉が曖昧なのですが、やや目標値をあげたのではないかというのが印象です(関連記事)。

新市場の創出と国際展開

○ 2020 年までにスマートグリッドを一般化するとともに、情報通信技術を用いたゼロエネルギー住宅を標準的な新築住宅で、ゼロエネルギーオフィスをすべての新築公共建築物で、それぞれ実現すること等により、家庭及び業務部門において、率先してCO2の排出を削減することを可能にする。

○2013 年までに、新世代・光ネットワーク、次世代ワイヤレス、クラウドコンピューティング、次世代コンピュータ、スマートグリッド、ロボット、次世代半導体・ディスプレイ等の革新的デバイス、組込みシステム、三次元映像、音声翻訳、ソフトウェアエンジニアリング等の戦略分野における産学官連携での集中的な研究開発を進め、我が国の情報通信技術企業が主要海外市場における知的財産権及び国際標準の戦略的な獲得、国際展開を可能とする。

さらに、スマートグリッドは、エネルギーのネットワークと情報通信技術の融合で、低炭素社会を実現するための重要施策と位置づけています。

環境技術と情報通信技術の融合による低炭素社会の実現【重点施策】

○ 環境技術と情報通信技術の融合による低炭素社会を実現するため、エネルギーのネットワークと情報通信技術の融合によるスマートグリッドを国内外で推進する。また、情報通信技術を活用した住宅・オフィスの省エネ化、ITSによる人やモノの移動のグリーン化などを積極的に推進するほか、情報通信技術を活用した、あるいは情報通信技術分野の環境負荷軽減を実現する新技術の開発、標準化、普及等を推進する。

【具体的取組】      
ⅰ)スマートグリッドの推進と住宅やオフィスの低炭素化
      
関係府省・関係業界の連携の下、太陽光や風力等の再生可能エネルギー、家電製品、蓄電池、電気自動車等を接続して効率的なエネルギー利用を実現するスマートグリッド技術に、熱の融通システムや交通システム等を組合せ、地域レベルでの最適なエネルギーマネジメントを実現する。さらに、世界的に拡大するスマートグリッド市場を獲得するために、我が国のモデルを欧米のみならず新興国も含め積極的に展開する。また、上記検討と連携しつつ、家庭、オフィスの省エネ型の情報通信技術機器、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)、BEMS(ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム)等の早期実用化・普及を図る。

スマートグリッド普及の鍵の一つになるのが、電気自動車(EV)ではないかと感じています。経済産業省は、4月12日、『次世代自動車戦略研究会』で検討行い『次世代自動車戦略2010』の取りまとめを公表しました。 

本戦略で注目されるのが、「システム戦略」で自動車を情報通信の端末として位置づけています。大きく変化するのは、「車単体」の性能から車のネットワーク化による「システム」の提供になる可能性があるということです(関連記事)。

スマートグリッドの普及にあたっては、政策的に展開していくことも重要となります。経済産業省は、1月28日、「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に関する研究会(2009年8月9設置)」における検討の成果として、「スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ」を公表しました(関連記事)。また、日本の標準化を議論する「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に関する研究会」を開催し、標準化の議論も進めています。

スマートグリッドは、経済産業省、環境省、国土交通省、総務省など様々な省庁が関係し、相互の連携がとても重要となります。今後、省庁連携施策がどのように展開されていくのか、その動向が注目されるところです。

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