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スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ(1)

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経済産業省は、1月28日、「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に関する研究会(2009年8月9設置)」における検討の成果として、「スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ」を公表しました。

米国では標準団体のNISTで、スマートグリッドの標準となる「Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards(PDF)」の最終版を公表していますが、日本も国際標準に早急に対応していく必要があり、今回ロードマップが公表されたのが背景にあります。本発表には、26の重要アイテムを特定しています。

スマートグリッドの概念としては、以下の図をあげています。最新のIT技術を活用して電力供給、需要に係る課題に対応する次世代電力系統で、高速通信ネットワーク技術等を活用し、分散型電源、蓄電池や需要側の情報を統合々活用して、高効率、高品質、高信頼度の電力供給システムの実現を目指すものと整理しています。

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本ロードマップでは、海外の関連政策動向についてまとめられています。

米国では、昨年11月にオバマ大統領が来日された際に、日米クリーン々エネルギー技術アクションプランで、スマートグリッドの分野で、スマートグリッド技術や施策に関連する共同活動分野を検討することが盛り込まれていることが記載されています。

欧州では、2009年11月に、スマートグリッド々タスクフォースが設置され、2010年5月に共通ビジョンを取りまとめ、2011年1月に戦略と規制に関する提言、同年5月には推進に向けたロードマップを策定予定となっています。

中国では、「米中クリーン々エネルギー技術に関する共同イニシアティブ」など、韓国では、済州島にて実証試験プロジェクトを取り組みなどが紹介されています。

続いて国際標準化に関してですが、NISTの「Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards(PDF)」では最終版をまとめられていますが、以下のとおり、三段階に分けてアプローチをしています。

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その他、IECでは、スマートグリッド関連機器とシステムの相互運用性を達成するために必要な、プロトコル及びモデル規格を含むフレームワークの開発の標準化について議論されています。また、CEN/CENELEC/ETSIでは、スマートメータの双方向通信及び相互運用性を可能にする欧州規格の開発を進めています。IEEE(米国電気電子学会)では、スマートグリッドの相互運用仕様を検討するワーキンググループで議論を進めています。

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日本においては、「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に関する研究会」を発足し、国際標準化戦略のロードマップの検討を始め、今回中間報告書を公表しています。次回は、日本の標準化の検討内容などについて少し整理をしてみたいと思います。

■関連リンク

スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ(1) (2010.2.1)

スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ(2) (2010.2.2)

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