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EV(電気自動車)を含むスマートグリッド系の実証事業について

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伊藤忠商事などは、11月27日、茨城県のつくば市でEV(電気自動車)を核にクリーンエネルギーを活用した低炭素交通社会システムの共同実証プロジェクトを実施することを発表しました(報道発表資料)。

本プロジェクトでは、コンビニエンスストアやガソリンスタンドをベースに、EVや急速充電器、定置用蓄電池、太陽光発電及びカーシェアリングを連携させた低炭素交通社会システムを実証するための総合的、複合的な取組みと位置づけています。

本プロジェクトは以下3つの柱から構成されており、いずれも国内初となる新規性ある取組みであるとしています。(以下報道発表資料の内容を引用します)

1.車載電池の定置用2次利用モデルの実証
・電池リモート状態監視を含め、車載電池を定置用途に利用するためのシステム開発   
2.再生可能エネルギーの電気自動車並びに店舗への最適有効活用モデルの検証
・ICT技術を活用した効率的蓄電と制御技術により、太陽光によって発電した電力の電気自動車と店舗での有効活用システムの開発   
3.低炭素交通社会実現に向けた新サービスの実証
・コンビニエンスストアをベースとした電気自動車によるカーシェアシステムの導入   ・非接触式ICカードによる急速充電器の課金システムとカーシェアシステムの連動
            

実証実験のイメージは以下のとおりです。 

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(出所 伊藤忠商事 報道発表資料より)

 

その他、EVを含んだ実証実験をご紹介しましょう。


NTTデータの充電インフラサービスの実証事業

NTTデータでは、14の企業・自治体・団体との連携体制を構築し、充電インフラサービスの実証事業を実施することを発表しています(報道発表資料)。東京・神奈川・大阪の23拠点の充電設備および150台の電気自動車を利用し、サービスの検証を2010年1月から2月で実施します。 

実証事業の概要は以下のとおりです。(報道発表資料の一部を引用します)

1.利用者認証機能や企業間精算機能の確認
充電設備に対して、通信モジュールや非接触型ICカードリーダ/ライタを接続し、利用者認証機能や企業間精算機能といったサービスを提供   
2.EV利用者の利用者情報分析
EV利用者にICカードを提供し、共通インフラ化された充電設備であればどこでも充電可能な環境の提供。ICカードによる利用者認証を行うことで、利用者や利用時間、充電量などの情報を取得し、さまざまな利用形態によるサービスの検証
       

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(出所 NTTデータ 報道発表資料より)

 

六ヶ所村でのスマートグリッド実証事業

以前のブログでもご紹介しましたが、青森県六ヶ所村で開発中の「尾駮レイクタウン北」内にて、以下のとおり実証モデルを実施するとのことです。

実証事業の概要は以下のとおりです。

『スマートハウス』実証棟数戸を建設する。

大型蓄電池併設型風力発電所から『スマートハウス』に対するすべての電気に100%CO2 フリー電気の直接供給を行う。

大型蓄電池による電力供給制御システムと電気供給先の需要動向監視(デマンド・モニタリング)による需要制御を行なうことにより電力の需給バランス調整を実施する。

『スマートハウス』実証棟において、最高効率のエネルギー利用住居を構築し、住居内電力の最適化を図る。

プラグインハイブリッド車、電気自動車を配置、また車両用充電設備を設置し、各スマートグリッド/マイクログリッド設備との融通性を検証し、サステイナブル・モビリティの普及課題調査を行う。

実証事業の概略イメージは以下のとおりです。

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(出所:日本風力開発株式会社 2009.10.30 報道発表資料より)

本実証には、日本風力開発グループのほか、トヨタ自動車や日立製作所等も参加予定企業として名前を連ねています。平成22年3月末までにモデル実施の詳細を発表し、4月から7月まで実証モデルの設備を構築し、平成22年8月から実証モデルを実施するとしています。

 

政府のスマートグリッド大規模実証

経済産業省が、スマートグリッドで16億円の予算化を進めていたのですが、事業仕分けで、「予算計上見送り」となってしまい、実施がかなり厳しいところですが、以前のブログでもご紹介しましたが、計画している内容についてご紹介したいと思います。

経済産業省は11月13日(金)、第一回次世代エネルギー・社会システム協議会を開催しました。

本協議会では、低炭素社会づくりの鍵を握る自然エネルギーの大量導入や民生・運輸対策を進めるにあたって、省エネ・CO2削減と成長戦略の両立する方策を「見える化」することが重要であるととしています。また、そのためには、「次世代エネルギー・社会システム実証事業」を立ち上げ、ITを活用した最新の省エネ・新エネ技術を全国2箇所程度に集中投入するということを明らかにしています。

実証事業実施の背景には、          
様々な取り巻く環境の変化があるとし、以下の項目に分けています。

<需要面の変化>   
・スマートハウスで快適と省エネを実現   
・地区内にEVが走行。充電スタンド設置   
・太陽光発電の普及、街灯はLED照明に。

<流通面の変化>   
・日本型スマートグリッドの実証   
・電気自動車の普及   
・充電スタンド・駐車場の整備   
・負荷平準化への貢献をエコポイントに

<供給面の変化>   
・世界最先端の電力系統安定化   
・集中電源と分散電源の両立   
・需要家間のエネルギー融通システム

<その他>   
・APECを通じて世界に発信   
・必要に応じて制度の検証・改正

また、実証事業を実施する5つのねらいとして、

1.新エネ大量導入に伴う系統安定   
-自然エネルギーの大幅拡大を睨んだ強靱な電力インフラを整備   
2.ITの活用による省エネ・負荷平準化   
-ITを活用、快適と省エネを実現する次世代の暮らしのショーケースづくりを   
3.「システム」として売り込む成長戦略   
-システムとしての海外展開も睨んだ成長戦略の策定   
4.標準   
-次世代システムに適した標準を早期に作り、世界をリード   
5.実証から実現に向けたビジネス環境の整備   
-関係省庁(国交省、農水省、文科省等)との連携や自律的ファイナンスの仕組みづくり。関連制度の見直し。

その実証事業イメージが以下のとおりです。

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(出所:第1回次世代エネルギー・社会システム協議会配布資料
    

 

以上のように、スマートグリッドが普及していくためには、EV(電気自動車)が核となり、スマートハウスや各ロケーションの充電スタンドなどと結び、お金(電気マネー)をどのように流通させていくが、大きな流れになるのではないかと考えています。今後、どのような実証結果が出て、そしてどのように事業に展開されていくのか、大変注目されるところです。

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