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企業内動画投稿共有サイトは本当に普及していくのか?

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YouTubeやニコニコ動画等の動画投稿共有サイトは進化をしています。YouTubeはパーソナライズドページを実験的に一部のユーザに提供を始めています。また、ニコニコ動画は一人当たりの総利用時間数を急激に伸ばしてきており、動画コンテンツには魅力が高まってきていると言えます。

 
社内SNSやイントラブログ、そして社内WikiWeb2.0の思想と技術を企業にも活用する、エンタープライズ2.0の動きが昨年から注目されてきています。コンシューマーITのトレンドを読むと、次は動画共有が企業内に活用されるのではないかと、昨年夏ぐらいか少しずつ取り上げられてきていますが、2008年以降に果たして企業に浸透していくのでしょうか?

 
2007
810日、ウェブプロデュースは法人向け動画投稿サービスを開始したと発表しました。サービス開始後1年で200件を目標としていたのですが、半年以上経過した現在どの程度の実績が出てきているのか興味があるところです。ASPサービスで提供していますので、システムの維持等を考えるとある程度の実績はあるのではないかと推測されますがどうでしょうか。

 
一方、2008115日、リミックスポイントは、企業内で映像・音声を含むデジタル・コンテンツの共有サイトを構築するためのパッケージ・ソフトウェア「CorporateCAST®(コーポレートキャスト)」の発売を発表しました。「日経コミュニケーション2008.3.1」の記事「“企業内YouTube”を実現するシステム ~動画の投稿・共有で、社内のコミュニケーションを活性化」によると、CoporateCASTが紹介されており、花キューピットを運営するi879など約50社が試験的に評価版を利用し、導入を検討中ということです。

 
花キューピットの事例では、例えば、バレンタインデーに向けた花束の作り方などの動画を加盟店の間で共有するといった用途に使われているようです。

 
2008
26日、グーグル出身者で創業した米Howcast Mediaが、無料「ハウツー」動画を共有可能な動画サイト、www.howcast.comを新設したと発表しました。「寿司の作り方」や「折り紙の折り方」等が投稿されており、動画で伝えられることの多さに驚かれるケースも多く、期待を寄せる声を多くあがってきているようです(関連記事)。

 
動画共有は言葉では伝えられないノウハウを伝えることができるツールとしては、企業内においても有効ではないかと思われます。社長のメッセージ等のお堅い動画から、社内のコミュニケーション活性化として期待ができるのではないかと考えられます。また、花キューピット等の多店舗で展開している業界等にとっては有効かもしれません。

 
しかしながら、動画を配信には、企業内のネットワークの負荷がかかり、本格的に導入していためには、帯域制御や回線速度の増速など企業内のネットワークの再設計が必要となるでしょう。NGNが本格的に企業にも導入されるときには、動画による負荷の懸念事項が緩和されることも予想されます。

 
以上のように、企業内で動画共有が浸透していくには、動画で伝えやすいノウハウの展開が認知されることが大切であり、さらに動画配信の負荷がかからない企業ネットワークが安価にできることが理想ですが、まだまだ浸透するにはしばらく時間がかかりそうな感じがしています。

 

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