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2008年のIT市場そして2012のIT市場

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2007年もあとわずかとなりました。今年はコンシューマの世界ではセカンドライフそしてニコニコ動画等のWeb2.0の思想と技術が注目を浴びましたが、2008年以降のIT市場はどのようになっていくのでしょうか?

 

2008年に注目したいキーワード

12月4日、ITproは「ITpro読者が注目するIT/ネットワークのキーワードのランキング」の中間発表を行いました。“2007年に注目したキーワード”の総合ランキングは、1位が「内部統制,日本版SOX法(J-SOX)」、2位が「YouTube」、そして3位が「ワンセグ」となっています。そして“2008年に注目したいキーワード”は総合ランキングは同様に「内部統制,日本版SOX法(J-SOX)」、2位は「3.9G4G携帯電話」、そして3位は「IPv6」となっています。キーワードから見ると、2008年はユビキタスな環境でのワークス(ライフ)タイルが注目を浴びていくことでしょう。

 
そしてジャンル別に見ると、“情報システム部門”では「SaaS(昨年はWeb2.0)」、“ソフト開発”では「Ruby(昨年はAjax)」そして“プラットフォーム”では「Windows Server 2008(昨年はWindows Vista)」となっています。2007年のキーワードと比べると来年は、少しビジネス分野における活用シーン検討が進むのではないかと考えられます。

 

2008年国内IT市場10大予測

1214日、IDC Japanは「2008年国内IT市場10大予測」を発表しました。主要10項目をあげてみましょう。

  1. オンデマンド型SaaSの利用がSMBを中心に急拡大する
  2. サーバーを中心に仮想化への取り組みが本格化する
  3. グリーンITへの取り組みが企業のステータスを向上させる
  4. コンプライアンスへの対応がIT投資の伸びを下支えする
  5. データセンターサービスの利用が拡大し、コロケーションからホスティングへ需要がシフトする
  6. シンクライアントの導入が本格化する
  7. SMB市場がIT市場拡大の鍵を握る
  8. 高速無線通信に向けたインフラ用機器と、その端末機器のそれぞれで主導権争いが始まる
  9. 企業VoIP市場の裾野が拡大する
  10. サービスの共同利用化が進み、アウトソーシングが拡大する

取り巻く経済の不透明感から2008年の国内IT市場の年間成長率は2.0%とやや低い数値を出していますが、SaaSの考え方が普及するようになれば、もっとITの全域に市場の伸びが期待できるのではないかと感じています。

 

2012年までの国内IT主要市場の規模とトレンド

そして1217日に野村総合研究所は、「ブロードバンド市場4分野、ハード市場7分野の市場規模予測結果」を発表しました。2012年には、光ファイバー回線が1,995万契約、8,697億円市場になるとし、薄型テレビの台数ベースの世界市場規模は、2012年度には、2007年年度の約2倍の14,900万台に達する見通しです。

 
また、19日に「ネットビジネス市場5分野、携帯電話市場3分野、放送・コンテンツ市場8分野の市場規模予測」を発表しました。ブログやSNSをはじめとしたネットビジネスは順調に推移し、携帯電話向けのソリューションやコンテンツ市場が拡大すると予測しています。さらに地上派デジタル放送は約4,600万世帯に普及し、約25,000億円の市場になると予測しています。

 

2012はエンターテイメント市場で25%に達する?

少し話はそれますが、注目に値するデータなのでご紹介します。携帯会社Nokia17ヶ国のトレンドセンターの調査「MobileCrunch:You Will Control 25% of Entertainment by 2012」によると、2012年までにエンターテイメント市場は25%がCGMを占めると予測しています。ブログやFaceBook等のSNSそしてYouTube等による動画投稿やマッシュアップ等がこれからも進めば、初音ミクの著作権問題でも議論が活発ですが、エンターテイメント業界に大きな影響を与えるとともに、CGMの著作権のあり方が今後大きくクローズアップされてくるでしょう。

 

最後に

2008年の予測と5年後の世界の2012の市場データを少し集めてみました。どのデータを見てもIT市場は今後も伸びることが予想され、特にブログやSNSそしてYouTube等に代表されるWeb2.0的な市場はこれからも急速に拡大すると予測しています。2012年は果たしてどんな世界になっているのか、簡単には予測することはなかなか難しい時代になったのではないかと感じています。

 

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