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あじ豚をつくっているファームを訪れて・・宮崎頑張れ!

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連日、報道されている宮崎県の牛や豚の口蹄疫の問題は、本当に大きな問題になってしまった。ブランディングといった観点からすると、かごしま黒豚に比べこれからであるが、大変な状況の中、微力ながら応援したいといった思いから、あえて宮崎のあじ豚を紹介したい。

昨年末、農林水産祭天皇賞受賞をした宮崎第一ファームを訪ね、山道義孝代表から「あじ豚」が育つまでの過程を詳しく教えていただいた。種付けから始って、エサは動物質のものを一切使わない。育てられる場所や土などもこだわり、成長の時期に応じで与えて手間暇かけて育てられる豚は、まさに作品であると感じた。

そうした過程を経て作られた「あじ豚」を、ぶたシャブで味わってみたが、油身のところは透明のように白く臭いが全くしない。かごしま黒豚は有名だが、宮崎あじ豚の方が私には合う。一緒に同行した友人は、普段、全く肉を食べないが「一口」と言いながら、私と同じくらいの量を食べてしまった。脂身がしつこくないから、どれだけでも食べられる。やはり、愛情込めて作られた食材は素材そのものがいいので、どんな食べ方をしても美味しい。ドイツで修業した息子さんが作るハム、ソーセージ、燻製も、一緒に次々と食べたが、肉をこれだけ続けて食べたのは初めてだった。

さて、日本の畜産は、多くの課題を抱えている。その一つが流通問題である。食品流通では、生産者と小売りの流通業者との利益の配分は、決して生産者にとって満足できるものではない。およそ10ヵ月かけておこなう養豚は、1頭売る度に7000円赤字になる構造になっている。かごしま黒豚ほどではないが、天皇賞受賞豚のあじ豚でさえ、利益はほとんど出ない。理由は、大手小売店間の価格競争のしわ寄せが、生産者にいっているからである。生活者としては、安く買い物ができることはありがたいが、生産者の努力にも限界があるだろう。一般的には、空港の土産売場や百貨店の売価の4割~5割引かれた値段が納入価格である。また、スーパーやディスカウントストアーでは、売価そのものが低いため、生産者が採算が取れる価格で納入するのは難しい。

こうした現状を打破するために、農産物の直売所が増えているが、畜産も直営店や自営のレストランを運営しているところが増えてきた。You Tubeに投稿したものも、実は、宮崎第一ファームの直営レストランであり、こちらは利益が確保できているという。つまり、以上のような状況があるので、直営でない流通経路に必ずしもいいものを作っても乗せても利益が出ないのである。

そのためにも、ブランド化への取り組みは重要だ。ブランド化のメリットは、定価販売(値引きしなくてもいい)ができるので、高い利益を確保できることである。例として、よく挙げられる関アジと八幡浜アジでは、九州大分と四国愛媛の同じ豊後水道のあじであるが、水揚げされたところによって、おおよそ2倍の価格差が出るのは、明らかにブランド化されているかどうかの差である。関あじは、1990年代初めのグルメブームに乗ったこともあるが、佐賀関漁協が、魚を傷めず生きたまま捕獲する一本釣り漁法や、取れた後の取り扱いの仕方、鮮度管理、登録商標化といった取組みを、物語としてわかりやすくアピールしていった努力の賜物である。その結果、関あじは、漁獲量に左右されず高値で取引ができている。

では、かごしま黒豚と宮崎あじ豚を比べるとどうだろう?かごしま黒豚は、鹿児島県黒豚生産者協議会を設置し、生産・流通体制、おいしさの秘密、かごしま黒豚証明書発行、かごしま販売指定店化と、佐賀関漁協と同様に、ブランド化に向けての取り組みを行っている。しかし、宮崎あじ豚は、かごしま黒豚のような取組みやアピールはこれからだ。こうしたブランド化への取り組みの差が、実際に、いい豚を育てるだけでなく価格差に反映されるのである。

是非、地域全体で取り組み、東国原知事といった露出度が高い知事の協力のもと、ブランド化に成功して欲しい。非常事態での対応の良さで、かえって信頼感や好感度が高まるといった例も多い。本当に、愛情をこめて作った豚を処分されるのは心が痛むが、心から頑張って欲しいと思うし、行政の対応にも期待したい。

中食(なかしょく)市場のブランド化戦略―限定品マーケティングのすすめ
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