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中学校IT講座2014版その2(Vine)

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毎年若手社員と「今年の授業はどんなITを使おうか」と議論をして決定をしています。ITはドッグイヤーなので、その方が毎年新鮮な題材で授業を構成できるからです。

5月にTBSで取り上げられたVineを使った昨年の授業があったので、これは外せません。もしかしたらテレビを見てこの講座を応募したかもしれませんし。

今年は4回ある(昨年は3回)のでじっくりソーシャルメディアを深堀したいのですが、実は別なテクノロジーもとりあげることとなり、今回の50分でやりきらないとなりません。

この日はTwitter社から話を聞かれて大手新聞社の記者の方が見学に見えていました。校長先生によると、TBSで放映されてから様々なメディアやテレビ番組から取材の依頼が来たとの事。中学生にソーシャルメディアを教える公立中学校はそうそう珍しいようです。

Vineですが、昨年始める前に少し研究をして生徒にサンプルも見せたのですが、1年経って進化していました。ユーザー数はもちろん増えている(Twitterの報告では4000万ダウンロード)と思いますが、内容がとても充実。

この人は凄い!(https://vine.co/Zach.King)

まずは私が作成している姿をVineに投稿。

生徒達は各チームで10分の議論をして学校に散らばりました。制限時間は20分。アイディアを出しながら撮影。

Urachu201408

さてどんな画像が出来上がったのか?

校長先生(女性です)が写真撮影している姿が映ってしまっているのですが、なんと最後に校長先生が消えて行くのが意図しなかったのだけど面白い。

こちらは「浦中魂」で吹っ飛ぶ姿が。

途中ちょっとだけノイズが入っちゃったけど、このチームはよく考えた。最後まで机に残って議論していたチームなので発想がいいですね。

テーマは「浦中の紹介」だったのですが、たったの20分ではしっかりと議論して撮影するには物足りなかったですね。やんちゃな動画に終始してしまいました。

生徒のほぼ全員が家族のスマホを使っているとのことです。今日の投稿は誰でも見られるので、夕飯の時に生徒達が家族の皆さんとこれを見ながら盛り上がると思います。そんな家族団らんのトピックを提供出来ただけでも良かったと思います。

ここからは少しまじめなお話です。

中学生にTwitterやVineを使って投稿させて良いのか、という議論はあると思います。私も中学校のPTA会長をやっていた経験があり、携帯を持たせるか(ちなみに6年前です)ということを保護者同士で真剣に議論したことがあります。

是非の答えは簡単には出ません。

でも私はこう思います。保護者よりも、先生よりも生徒達のほうがよっぽどITのリテラシーが進んでいます。公立の中学校の先生とはいまだにFAXと電話でしかコミュニケーションが出来ません。

我々IT業界のビジネスではあたりまえになってきたWeb会議を取り入れて分かったのは、考えるよりやってみた方が生徒には良い効果が出ただろう、ということです。議論をしつくして、安全面に最大限配慮して、それで3年かかるというのが今の日本の教育現場ではないでしょうか?

日本が世界に伍して競争力を高めるという議論は首相も中心になされています。しかしどうでしょう。私がアメリカのIT企業にいるからかもしれないけど、日本の大学生のIT力は世界では高い方ではありません。むしろ低いのではないでしょうか。

中学1年生という多感な時期に、生徒達に今世界で何が起こっているのか、ということを肌体験させることは、彼らの将来を考えるうえで絶対にプラスになると信じています。それはもちろんITだけでなく、芸術であっても良いし、ディベートの仕方であっても良いし、むしろデザインという分野では行うべきと感じます。

少し長くなりましがた、「危ない」「怖い」ということが先立ち、なんでもかんでも規制してしまうよりは、いっその事使わせしまって、一緒に考えながら前に進む方が私は良いと思っています。

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