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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

ハリウッドの期待がどんどん膨らむOTT放送のSling TV

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 孫さんとスプリントを争ったデイッシュネットワークのチャーリー・アーゲン会長、今度は上手くやりましたね・・・・

ハリウッドから支持を得て・・・・

Sling TV成功しそうじゃないですか・・・・コードカットを精力的に進めています。

  • LIGHTSQUARED-BANKRUPTCY/

 <出処 WSJ>

スマートテレビの「ロク」使って見てますねえ・・・

<出所 CNET>

 2015年のCES2015で発表され、1月からサービスが開始された衛星テレビのデイッシュネットワークがサービスする、インターネット上でのOTT放送であるSling TVに対するハリウッドの期待が高まっています。基本チャンネル群が月額20ドル、キッズパックやスポーツパックなどが月額5ドルと値段の高い地上波を一切含まないサービスですが、どんどん参加するチャンネル数が増えています。これまでインターネットテレビ、OTT放送に対して冷ややかだったハリウッドが掌を返したようにSling TVに参加し始めています。3月4日には人気番組「ウオーキングデッド」を放映するAMCまでもがSling TVの基本チャンネルに加わりました。同時にIFCやEPIXも加わっています。無論、スポーツのESPNも入っています。

Sling TV

これは大きな変化です。ネットフリックスの次の段階に進みます。

■ CATVの縮小、いよいよCATVを離れるコードカットの時代が来た

米国では地デジ実施後、毎年3-4%程度のテレビ視聴率の低下が見られていました。しかし2014年から2015年にかけてテレビ視聴率の低下は10%を超えています。またこれまではCATV業界だけだった市場(売り上げ)縮小傾向が2014年からは遂に有料テレビ全体に波及し、有料テレビ全体の視聴者数が減り始めています。こうしてコードカットが始まっています。この傾向はミレニアム世代と呼ばれる21世紀になって成人した34歳―20歳の層に顕著です。

■ コードネバー層の台頭

またコードネバー層も台頭しています。特に10代の若者は、もの心ついたころにスマートフォンが登場し、テレビよりもスマートフォンやiPadに親しみを感じている層です。その年齢が一つ上の層も含め、コードネバー層と呼ばれるテレビ(CATVや衛星テレビ、地上波)を見ない層が台頭しています。先ほどのデイッシュネットワークのSling TVを立ち上げたチャーリー・アーゲン会長は、既に一千万人と言われるコードネバー層が毎年大きく増えると予測しています。Sling TVなどはそこを狙っている訳です。

ハリウッドにはこの「コードネバー層」が非常に脅威に映っており、彼らを狙ったOTT放送を一挙に支持するムードが出てきました。この流れをSling TVはうまく捕まえています。

 

■ ネットフリックスの成功

テレビ視聴率の低下、有料テレビ業界の縮小開始、コードネバー層の台頭と共にネットフリックスの成功がCATVからのハリウッドチャンネルの独立とネット移行を促進しています。こうして2014年10月頃から独立の動きが一挙に始まりました。CBSオールアクセス、CBSN、スターツ、ライオンズゲート、ユニビジョン、ショータイム、ESPNのクリケットワールドカップなどがCATV契約の不要な有料OTT放送(インターネット放送)を始めました。(無論、CATVに片足を置いての独立、有料OTT放送の開始ですが)

■ 地上波は2030年頃消えるだろう

ネットフリックスのCEOリード・エースティングスさんは「地上波は2030年頃消えるだろう」と発言して以来、米国では地上波死滅論が盛んです。それに合わせて地上波の余った電波をオークションで買収する側のAT&TやベライゾンワイアレスはLTE放送の準備を開始しています。

わずかな間に変化が激しく起こっています。

★★Sling TV Brings AMC, IFC And EPIX To Its Subscription Service For Cord Cutters

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