オルタナティブ・ブログ > インターネットの第二の波とソーシャルメディアマーケティング >

テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

IoTで更に進化するコマツのドローン利用、ICT建機、アウトソーシング受注、KM学会報告

»

 これがコマツのスマートコンストラクションです。

ほら一番上にドローン(無人ヘリの話があるでしょ?)

最後は鉱山機械など自動運転で・・・アウトソーシングの受注に近いところまで行きます・・・・

流石は世界第2位の建設機械メーカーです。 21世紀にも不動ですね。

[スマートコンストラクションのサービス内容とそれを支える技術]

 成田に帰ったばかりのその足で学会の早朝講演に乗り込んでいただいた黒本常務執行役員

ICT事業本部長 黒本 和憲

ICT事業本部長 黒本和憲さま

 <出所 コマツ>

2015年3月21日の専修大学における日本KM学会の特別講演ではコマツの「コマツ建設・鉱山機械におけるM2M/IoTの取り組み」と題してコマツ取り締まり役、常務執行役員(ICTソリューション本部長)の黒本和憲さまに登壇いただき、スマートコンストラクションをご紹介頂きました。(筆者の発案で登壇をお願いしました)

海外出張から朝成田に帰ったその足で神田の専修大にご足労いただきました。(流石、建機のコマツさんです。勢いが違います)

製造業のサービス化(モノ支配論理からサービス支配論理への移行、ダントツ商品からダントツサービス、ダントツソリューションへと進化しますs)に早くから取り組むグローバル世界の「勝ち組日本企業はかくありなん」と言った凄いプレゼンでした。土曜日の早朝から約70名の方に参加いただきました。2015年から国内でも本格展開するそうです。

コマツ、「スマートコンストラクション」を来月からレンタル形式で開始(動画)

■ 三つのサービス支配論理フェーズ

フェーズ1)ダントツ商品段階(機械製品そのものの性能向上)

機械商品の高付加価値化であり、燃費、排ガス削減、振動騒音対策、作業性、操作性、機能、耐久性など、それにデザインや安全性が含まれます。

ベテラン社員や男性社員ではなく初心者社員、女性でも操作できるレベルをめざします。センサーなどを駆使して対応しています。スマートな現場、労働力不足の解消を目指します。これはモノ支配論理からサービス支配論理への第一歩と言ったところです。

センサーなどによる建機や鉱山機械そのものの付加価値化です。

 フェーズ2)ダントツサービス段階(機械稼働に焦点を当てたサービス開発)

  機械の稼働状況、使われ方の視化、機械を止めないオペレーション支援

  機械運用のライフサイクルコストの削減などです。盗まれても直ぐわかるので最近は盗まれないそうです。

こういう対応はアップルより早いですね。

  機械稼働の可視化(稼働のサーポート)になれば、GPSなどインターネット側の処理が中心になります。サービスの付加価値化(サービス支配論理)の中心ですね。

 フェース3)ダントツソリューション段階(アウトソーシングを含む顧客現場サービスとの融合、パートナーシップ)

 建機や鉱山機械の高度化、知能化、建機情報と現場管理の融合、施工全体のコスト低減

 このレベルになれば自動運転など実質的にコマツが工事のアウトソーシングを受注可能なイメージになります。この段階になれば代理店や顧客とのパートナーシップ(一種の仮想カンパニー化)が非常に重要になります。「コマツでないと困る」と言った段階ですね。

以下幾つか凄いと思った特徴をピックアップします。

■ ドローンによる3D地形図のCAD作成と工事企画

ドローン(無人クアッドコプター)を飛ばして工事の地形図の写真をとり、それをCADにより3Dの地形図を作成し、工事のシミュレーションを行います。これによりかなりの工事量、工事日程が削減できるそうです。

■ コマツ機械稼働管理システム

これは既によく知られていますが、以下の点をGPSやインターネットで解決します。

 車両がどこで稼働しているのか。

 車両がどのくらい稼働しているのか。

 車両がどのように使われているのか。

 どの車両で予防保守が必要か。

 などが可視化され、現場にいかなくても事務所で把握できます。

■ アウトソーシングも視野に入れた自動運転

コマツさん自体はアウトソーシングとは仰いませんでしたが、鉱山機械のダントツサービスの段階になると24時間の自動運転が実施されます。ここまでくればコマツが機械の運用=掘削工事そのものをアウトソーシング受注することが十分可能な段階と考えられます。

実際に参加者からそういった質問がでていました。

■ 家電メーカーの比べて運が良かった

国内家電メーカーが「サービス支配論理」が求められる時代にアップルやサムソンに挑み大赤字を出した点をどう思うかと言う質問にたいしては「コマツは早くから取り組んでおり、また同じ生産財の工場機械の稼働状況と比較すると使われ方が多岐に渡り、自動化システム化による効率追求が遅れている領域の為、可視化により顧客に数字で投資効果を明確に示すことが出来た」「コマツは運が良かった」と言う答えでした。

後で講演されたオムロンさんなどもそうですが、カテゴリー領域を明確にして早くから原則的な「サービス支配論理」を信念を持って地道に追求すれば、日本企業も世界で十分戦えると言った話でした。

しかし21世紀型のメーカーへの転身はコマツの場合徹底しているイメージです。アップルに近い凄みがあります。

■ GEとは協業する

また産業インターネットにおけるGEとの関係に関しては様々な領域で協力関係にあるそうです。「サービス支配論理」の徹底が凄いですね。

学会参加者の満足度は非常に高かったです。コマツの黒本さま、どうもありがとうございました。

★★建設現場ICTソリューション「スマートコンストラクション」を開始

★★合言葉はダントツ!中国市場も深掘りする

コマツ"建機遠隔管理ビジネス"の凄み

★★コマツのグローバル成長戦略 ―事業・商品のダントツ化による成長―

★★ コマツの建設・鉱山機械のICT化と施工の将来

Comment(1)