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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

黒船ネットフリックスこの秋日本進出(正式発表)、米国CATVは視聴率大幅減

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 更新) 正式なプレスリリースが出ました。2015年秋に進出決定、東京オフィス開設、トップは日本語の話せるGregory K. Peters, chief streaming and partnerships officerさんです。

NETFLIX TO LAUNCH IN JAPAN THIS FALL

 ネットフリックスが2015年秋に日本に行くんだって・・・日本の放送業界も大変ねぇ・・・

CNBCナウでつぶやいちゃおっと^^

CNBC放送の美人レポーター、ジャーナリスト・・・Julia Boorstinさん

BREAKING: Netflix to enter the Japan market in the fall, sources familiar tell CNBC's . •

Julia Boorstin

<出所:エンガジェット>

 おーい、日経もその情報ちゃっちしてるよぉ と日経新聞さん・・・

米国の映画とドラマをOTT配信(インターネット配信)するネットフリックスが日本に2015年秋には上陸する報道が二件なされています。一件は米国内情報に基づくCNBC放送関係者のツイッターとエンガジェットの記事、もう一件は日経新聞の国内情報です。どうやら秋の対日進出を目指して動いているのは確実なようです。

  • 2年以内に世界200か国に進出を宣言

ネットフリックスは201410月―12月四半期決算で「現在、北米、南米、欧州での約50か国の展開を2年以内に全世界200か国に拡大する」と述べています。また201410月に「2015年はアジア圏に出る。例えば日本だ」と述べ、11月には豪州、ニュージーランドに進出を発表しました。従って日本上陸が何時になるのかという点が、放送業界関係者の大きな関心になっていました。(筆者自身も前年、本件で業界向けセミナーの講師に呼ばれています)

  • 米国では地上波、CATVからインターネットへの移行が加速

    ネットフリックス先進国の米国では、2014年から15年にかけて目に見える影響が出始めています。

20151月―3月のニールセン調査を基に米国野村証券のアナリスト Anthony DiClemente さんのレポートでは、CATVの視聴率が対前年同期比で12.7%も落ちています。2014年の第一四半期は北米の猛吹雪でプライムタイムの視聴率が上がった反動とも考えられますが、DiClemente さんは、明らかにネットフリックス、Hulu、アマゾンプライムビデオなどが大きなインパクトを持ち始めたと述べています。また2015年のテレビ広告売り上げは当然、減少予測が出ています。

また米国ではデイッシュネットワークが始めた月額19.9ドル、12チャネル、地上波チャンネルなしのインターネット独自放送サービス、SlingTVが大注目です。無論、ソニーのプレイステーションビュー(ネット放送、ソニーがなんとクラウド録画)も注目ですが。CATV業界で最も稼いでいるハリウッドのディズニーは、昨年秋「インターネット独自サービスには出ない」と言っていましたが、今年にはいってSlingTVとのコラボに前向きに転じています。また傘下のスポーツチャンネルESPN2月のクリケット・ワールドカップ全49試合をインターネットで放送すると発表しています。(212日から、視聴料100ドル)既に2014年、CBS放送はラジコ版の有料放送をインターネットで開始しており、ABC放送はCATV契約者を対象に同様のインターネット放送を開始し、2015NBC放送も続きます。CATVからもHBO GOなどがCATVから独立したインターネット放送を、2015年春を目標に開始します。

またFCC(米国連邦通信委員会)はネット中立化論争の決着に絡めて電話会社や放送業界と同じ規制をインターネットにも適応する動きを発表しており、「番組提供義務」も同様にインタネットに拡大する動きです。(これで衛星、CATVとインターネット放送は同じ土俵で取り扱われます)

これらの動きは明らかにネットフリックスの影響です。(ネットフリックスは毎日平均90分視聴、有料テレビ業界約1億契約、ネットフリックス約4千万弱契約)

  • NHKのラジコ化=サイマル放送、秋にネットフリックスの黒船

さて地デジにより家電崩壊の憂き目にあった国内家電業界は、ここにきてソニー以外は各社海外でのテレビの販売、生産を縮小、実質撤退、ブランド供与などテレビから引く姿勢を示しています。一方一見地デジを無事に乗り切った国内放送各社もIoT時代、本格的なスマートテレビ時代に相応しい「サービス支配論理」=インターネットの地上波と同等以上のレベルのサービス(サイマル放送=ラジコ、クラウド録画など)が求められようとしています。春NHKのラジコ、秋のネットフリックス進出と言う黒船の影響が一体、どの程度かなど放送業界は「久しぶりの黒船騒ぎ」に沸いています。

地上波のインターネット移行などは広告売り上げ、CATVなど有料テレビ業界すべてに大きく影響します。さてどうなるでしょうか。

★★Netflix's next expansion could reach Japan

★★米動画配信ネットフリックス 今秋、日本上陸

★★Cable TV viewing declined by more than 12 percent in January

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