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NASA民間委託後初の大事故、オービタルサイエンス社、アンタレスロケット爆発

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 おおおおお 久しぶりにニュースになったロケットの爆発事故です・・・

死傷者は無し・・・・CNNも日本のNHKもトップニュースです・・・

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 <出所: ビジネスインサイダー>

 衛星に次ぎ既にロケットサービスや有人宇宙船開発も民間商業資本が主体になっています。以下の写真はイーロン・マスクさんのスペースX社 しかしまだロケットの打ち上げは国が主体・・・・国は仕様を示し、民間開発のロケットや宇宙船を調達する段階です・・・(これが現在)

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<出所:ギガオム >

 しかししかし・・民間商業利用もどんどん進みます・・・2014年末を目標に有人宇宙旅行サービス開始に挑むバージンギャラクテイック社とスケール・コンポジット社(宇宙は民間主体で開発します・・・)

光る海、光る大空、光る大地・・行こう無限の地平線・・・

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  <出所: バージンギャラクテイック>

 時は2014年10月28日、処は米国バージニア州のNASA打ち上げ基地、民間委託後初の宇宙航空大事故が起こりました。オービタルサイエンス社(上場企業)の無人アンタレスロケットが発射6秒後に爆発したのです。その結果、宇宙船のシグナス共々吹き飛びました。発射台は損傷したようですが、幸いにも特に死傷者はありませんでした。国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶミッションの失敗です。

 

注)爆発したロケットの名前はアンタレス、失われた無人宇宙飛行船はシグナスです。ややこしいですね・・・^^

 

 

■  原因は未だ不明、ソ連製エンジンなのかも・・・

事故原因は不明ですが、旧ソ連時代からのロケットエンジン(ウクライナ製)が疑われています。このエンジンは今年5月の実験中にも爆発事故をおこしました。流石にオービタルサイエンス社は「米国製エンジンに置き換える」と声明を出しています。

 

■  学生の実験器具以外影響なし

爆発事故により、積み荷であった実験器具(重量1602ポンド)宇宙服(重量273ポンド)や食料(重量1363ポンド)などが失われました。また日本の航空宇宙局からの委託品(重量66ンド)も消滅です。補給品の不足が懸念されます。しかし翌日にはソユーズから補給品が届いており、12月にスペースXドラゴン・ロケットの打ち上げも予定されている為、特に支障はないようです。

 

影響を受けるのは学生が開発した実験器具だそうです。これには千葉工大の流星観測カメラ「メテオ」も含まれます。

 

また損失は2億ドルですが、オービタルサイエンス社には保険金が5千万ドルはいります。

 

■  スペースシャトル引退後進む民間委託

 2011年のスペースシャトル引退後、米国航空宇宙局NASAはロケット飛行の民間委託を進めています。(NASAは仕様を示し、それに見合った民間入札業者のロケット飛行を採用します。この点、空軍の戦闘機などの発注と同じです)その結果、無人の貨物はオービタルサイエンス社(2013年契約受注)と有名なイーロン・マスク氏のスペースXが受注(2012年契約受注)しました。但し現在、有人飛行はロシアに委託しています。(今後有人ロケット飛行も2017年頃からボーイングとスペースXに委託します)

 

■  衛星は既に民間商業利用の時代、ロケットも宇宙飛行も民営化へ

宇宙の民間商用利用はまず衛星ビジネスから始まりました。1957年のソビエトが打ち上げた世界初のスプートニックなど初期の時代は、国家による実験、続いて軍事衛星が中心でした。しかし現在、既に衛星ビジネスは通信や放送、気象観測など民間ビジネスが主体となっています。衛星は民間の商品、一方それを打ち上げるロケットや宇宙船開発は国や公益機関が主体となるねじれ構造です。この時代が長く続きました。

 

その次の波がロケットサービスや有人飛行の民営化です。これは2004年にAnsari X Prizeをスぺースコンポジット社が獲得した瞬間始まりました。Xプライズは、民間篤志家により民間の宇宙技術開発を促進する目的で作られました。(有人による成層圏飛行を2週間以内に2度成功させることが条件です)その結果、ロケットと有人宇宙船開発は「ライト兄弟の初飛行前後の様相」を呈することになり、多様なロケットの提案=一種のカンブリア爆発が起きました。(Xプライズのような遊び心が如何に大切か判ります)

 

スペースシャトルの引退がその波を加速しました。そして現在、ロケットや衛星ビジネスにはボーイング、ロッキードマーチンの他、スペースX、オービタルサイエンス、アマゾンのベゾス氏の私的企業ブルーオリジン、バージンと組んだスケール・コンポジットなどのICT系企業やスタートアップ企業が多数参加しています。しかしこれらはまだ、国の戦闘機調達に民間企業が応募するのと全く同じ形です。打ち上げの主体は国ですから。

更に時代は進みます・・・。

バージン航空の創業者チャールズ・ブランソン氏は宇宙旅行の為のバージンギャラクテイック社を立ち上げ、スケールコンポジットと組んで2014年のクリスマスを目標に「有人宇宙旅行のサービスを開始する」と宣言しています。ロケットや宇宙船の調達を国の関係機関が行い、打ち上げサービスは国が行う時代から、いよいよ打ち上げ自体を民間企業が主催し、実施する時代が始まろうとしています。

 

■  スペースXのイーロンマスク氏のツイッターに共感

スペースXの創業者、イーロンマスク氏のツイッターに共感が集まっています。ライバルの「失敗は残念だが、早く宇宙ビジネスに帰ってきて欲しい」と言った思いやりがある内容だからです。やはりビジネスは「先義後利」でしょうか・・・

★★Here's What Was In The 5,000 Pounds Of Cargo Destroyed In Tuesday's Rocket Explosion

 

★★ 千葉工大カメラ搭載 米ロケット爆発 宇宙への夢 一瞬で消え

 

★★Space will go fully commercial with 2015 launch from Bigelow, SpaceX

 

★★Boeing and SpaceX win bids to ferry astronauts to space station

 

★★ SpaceX, Boeing will carry astronauts to orbit for NASA

 

★★ Amazon's Jeff Bezos loses

 

 ★★ジェフ・ベゾス氏の私設宇宙企業ブルー・オリジン社 米主力ロケット向け次世代エンジンを開発へ

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