スターバックスが日本法人を100%子会社化へ、ティハウスTeavana開始・・

» 2014/09/25

　ティハウスTeavana・・・　おおおおこんなお店を展開するんですね・・・・

　　＜出所：　ビジネスウイーク＞

　スタバに買収された頃の様子・・・・

<出所：WiKi＞

　スターバックスの革新性・・・・2009年の大統領就任式は　スタバでパブリックビューイング・・・パソコン持ってきてＣＮＮとＦＢのネット中継をみる若者も大勢・・・・

　＜出所：ハフィントンポスト＞

　IOT時代を先取りし、米国で店内WiFi無料サービスの提供などネットサービス型飲食店を先頭にたって推し進めたスターバックスです。年末までに日本法人を100%子会社化すると発表しました。新たにティハウスTeavana開始すると見られています。現在、スターバックスは39.5%を出資しています。提携先のサザビーリーグから株式売却の打診があったのがきっかけだそうです。日本法人のジャスダック上場は廃止になります。

■ ティーハウスTeavanaの拡大は消費者狙いか？

2012年に買収したモール出店のティーハウスTeavanaの拡大を2013年10月のニューヨークのアッパーイーストサイド店から開始しています。（人気ドラマ、ゴシップガールのロケーションです）消費者狙いのモール出店の為、コーヒーのスターバックスとは競合しないと考えられています。

日本法人でも100%子会社化後には、ティーハウスTeavanaの展開を開始すると見られています。ビジネス客狙いのスターバックス、コーヒーハウス店とモールに出店する消費者狙いのティーハウスTeavanaでは性格が違います。従がって競合しないと言う事なのでしょう。

■ スターバックスによるコーヒーハウスの再発明

　ビジネスウイーク誌が述べているようにスターバックの特長は、家庭と職場に続く「第三の場所」としてコーヒーハウスを再発明した点です。そしてその圧巻はコーヒーハウスが最も世の中に影響を与えた17世紀の古典的なロンドンのコーヒーハウスを参考にした展開をした点でしょう。これがハワード・シュルツ創業者の最大の功績です。

16世紀の清教徒革命から名誉革命にかけての一連の市民革命は、市民社会の諸制度や組織、紳士的なマナーなどを制度や習慣として確立する「プロセスイノベーション」を成し遂げました。その多くがロンドンのコーヒーショップにおける議論の中から発明されたと言うのは有名な話です。台頭する近代市民層を顧客として取り込んだ訳ですね。そして彼らの議論が市民社会の具体的あり方を生み出しました。

損害保険のロイズ、様々な商品取引所の制度、新聞ガーデイアンなどのマスメディア、郵便制度、作家、トレーディングハウスの事務所、書店や貸会議室、図書館などの多くの制度がコーヒーショップの中から生まれました。新聞はコーヒーショップで読み始められ、後に家庭に普及しました。その百年後に有名な「プロダクトイノベーション」に繋がるワットの蒸気機関の発明やハーグリブスの自動織機が登場します。これが第一次産業革命です。

スターバックスは無料のWiFiネットワークの導入を先駆け、2009年の黒人オバマ大統領の就任式に当たっては、MSNBCと組んで店の大画面でライブ中継しました。同時に若者はＣＮＮ放送とフェイスブックが中継したインターネットライブをスターバックスのWiFiネットワーク上で視聴しました。（当時のスマート機器はラップトップパソコンでした）そして当時まだ物珍しかったウオールストリートジャーナル紙などの有料有力新聞の電子版を若者に店内無料開放しました。これはIOT時代のネットサービス型飲食業を先取りしたやり方でした。台頭するネット繋がり型生活者、ネット繋がりで成長するフリーランスやクリエイティブクラスのビジネスマンなどに支持されました。

米国のフリーランス社会の形成はスターバックスが支えたとフリーランス社会の到来を描いたダニエル・ピンクも絶賛しています。スターバックスは雇われない生き方をするフリーランスの人々が打ち合わせをしたり仕事をする雰囲気を提供しました。米国のオープンイノベーション＝集合知を支えるフリーランス社会の台頭と共に繁栄しています。またフリーランス層、組織で働く人々を含むクリエーティブクラスの台頭もスターバックスが支えました。

この動きは第三次産業革命へと進むネットが支える新たな市民社会（アナログ社会）を先取りしていました。

■ 紅茶の再発明への期待

スターバックスが紅茶＝ティハウスTeavanaでどんな展開をするのかまだはっきりしていません。恐らく新たな消費のライフスタイルを提案するのでしょう。しかしIOT時代の飲食店の再発明と言う視点からはハワード・シュルツさんにかける期待は大きいものがあります。早く日本に来ないか楽しみです。