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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命と擬人化インターフェース、ニューヨークタイムスのLeap Motionアプリが告げる「さらばパソコン・キーボード、マウス、タッチ、ブラウザー」の時代と更なる電子新聞戦争の激化

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<序文>

 パソコンをジェスチャーで操作する付加装置Leap Motionが米国ベストバイ(2013728日から)などで販売されます。様々なアプリをLeap Motion Store からパソコンに落とせば、Leap Motionと連動して指でのジェスチャー操作(モーションセンシング)が出来ます。ゲームなどには最適なアプリですが、このほど有名ブランドとして初めてニューヨークタイムス紙がトップニュースと広告を表示する電子新聞、無料版のアプリを開発したと発表しました。ニューヨークタイムス紙がマイクロソフトのキネクト版を出したと言う話は聞かないので、Leap Motionの方を高く評価したようです。尚、開発はNewYorkTimes IdeaLabです。

 

グーグルの買収後初のモトローラ・ブランドのスマートフォンであるMotoXもタッチよりグーグルナウによる音声操作に特徴がありますが、いよいよスマート革命もパソコンを巻き込み、本格的な擬人化インターフェースの時代が到来するようです。そうなればキーボード、マウス、ブラウザーなどは時代の遺物と化しかねません。

 

アップルがキネクトの開発企業であるイスラエルのプライムセンスと買収交渉をしていると報道される時代、新たなモノのインターネット革命の時代が始まろうとしています。

 

3DTVの実証実験は、BBC、デイレクTV、ESPNなどの撤退で一旦終焉しましたが、ジェスチャー操作(モーションセンシング)は定着しそうですね。

 

Leap Motion紹介動画その1 (Leap Motionのデモ動画)


 

Leap Motion紹介動画その2

 

Leap Motion Store 

 

NewYorkTimes IdeaLab

 

★★New York Times app adopts Leap Motion gesture control  

(上記にニューヨークタイムスのデモ動画あり)

 

★★ New York Times to release gesture-controlled Leap Motion news app 

 

★★The New York Times Launches News App for Leap MotionTM Press Release

 

 

 

★★LEAP彗星のごとく登場した次世代インターフェース

 

  ニューヨークタイムス紙の記事を読む操作

 

<出所:CNET、ニューヨークタイムスビデオ>

 手前の箱がLeap Motion

 <出所:アスキー>

<成功すれば有料サービスにも拡大へ>

 これまでゲームに最適と思われていたLeap Motionですが、ニューヨークタイムス紙は、試みが成功すれば有料版にも適応すると言っており、そうなれば動画のネットフリックスなど他のメディアにも一挙に普及するかもしれません。

ウオールストリート紙や英国の経済誌FTなども新聞電子版戦争で直ぐに採用するでしょう。日本でも早晩、朝日や日経の電子版をLeap Motionにより指操作で読む時代が来るのでしょうか?

 

Leap Motionの動きはパソコン、タブレットなどスマート機器全般に広がるかもしれません。

 

<パソコン側に処理負荷を持たせる方式>

 マイクロソフトのキネクトが150ドルと比較的値段が高いのに比べ、Leap Motion79.99ドルと安値です。考え方としてはアプリの処理や複雑な信号処理は完全にパソコン側に持たせてLeap Motionはジェスチャー操作の認識に徹底的に特化している点が特徴だと考えられます。ボイスコマンド処理など音声処理用のマイクも無いし、だからハードの値段が安いと言う話です。(キネクトはXboxやパソコンの負荷を減らす為、キネクト側で信号処理の一部を実行)

 

<マウスやキーボード、ブラウザーが不要になる?>

 音声処理やジェスチャー処理、顔認識などの擬人化インターフェースの時代には、機器が人の友達として立ち現れます。(昔、筆者もIBMのオフィスコンピューターを大型汎用機のハネウエル機に苦労して接続した事がありましたが、その時IBMS32はハネウエル機を仮想IBM360として認識していました。技術的に説明するとこうなります)

 

擬人化インターフェースの時代はナチュラルコンピューティングの時代とか「ソーシャルロボットの時代(人が機器を人として認識する時代)」と呼ばれていますが、いよいよ機器が「現代のピノキオ」に変身する時代がまた一歩深まりました。

 

そうなればマウスやキーボード、ブラウザー、タッチすら時代遅れです。

 

<操作性はハンマーからハープへ>

 MITの社会心理学者シャリー・タークルはプログラミングが「ハンマーを振り下ろす時代はいずれ終焉し、芸術的なハープを奏でるような時代がやってくる」と予言しました。

 

ニューヨークタイムス紙のアプリを見ているとユーザーの操作性が「ハンマーを振り下ろす時代が終わり、ハープを奏でる時代にはいった」と感じられます。

 



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