海外で注目されているブロックチェーン企業の創設者と独占インタビュー

#1 ワリマイ(Walimai):ブロックチェーンでニセモノ商品から消費者を守る

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中国では数年前に偽物の粉ミルクを飲んだ赤ちゃんが数十人死亡するという悲惨な事件があった。赤ちゃんを持つ母親にとっては、海をまたいだ国での出来事だとしてもゾッとする話だろう。

7_偽造商品の問題.JPG

日本ではあまり気にならないが、実は偽造は大きな問題で、ニセモノを特定する技術は今でも存在する。だが、コストが非常に高いため、ダイヤモンドなど高単価商品だけに使われているのが実態。

そういった中、中国で蔓延する様々な偽物商品から消費者の体を守るために、ワリマイ(Walimai)という企業は、RFIDチップとブロックチェーンを組み合わせた仕組みを開発した。

RFIDとブロックチェーンを活用した高セキュリティで安価な仕組み

ポイントは、偽造者が絶対に崩せないセキュリティと、日用品などの低単価商品でも活用できる低コストの仕組み。数年前に設立されたワリマイは、既にサービスを提供しており、現在、赤ちゃん向けの商品を中心に、日用品・化粧品・医薬品などでの偽造問題を解決しようしている。

なお、商品のデータ管理に使われているRFIDチップは、非常に小さくて安く製造できる上に、流通拠点でわざわざ一つひとつスキャンしなくても、端末をかざすだけでまとめて読み書きできるのがメリット。したがって、どの工場から出荷され、どの倉庫に置かれていたのかなど、手間をかけずに管理ができる。

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物流情報が一度ブロックチェーンに記録されると、後からその記録を書き換えることはできないため、商品の流通経路に関するねつ造は不可能だ。したがって、消費者はワリマイのスマートフォン・アプリで商品をスキャンすることによって、それが正規の工場から出荷されたホンモノ商品なのかをすぐに確認できる。

ワリマイのコインは消費者向けのロイヤルティポイント

なお、ここで重要なのが、ワリマイの仮想通貨であるワビ(WaBi)の活用方法。実はニセモノ商品対策としてRFIDとブロックチェーンを活用する企業は他にもある。だが、それらはすべてB2Bのスキームであり、企業のサプライマネジメントにおけるブロックチェーン利用料として使われるのだ。それに対してワビはTポイントや楽天ポイントに似ており、消費者が商品を買う際に使える。つまり予算でいうとシステムではなくマーケティングになるのだ。

実は商品がホンモノかを確認するために参照されるのは、一つひとつの商品パッケージに貼られているRFIDチップ特有のIDだけでなく、消費者がそのチップをスキャンする度にブロックチェーン上に記録されていくスキャン履歴、この二つの組み合わせ。

つまりRFIDチップだけをコピーして偽物商品を店頭に並べても、消費者のスキャン履歴も一致していないといけないため、どれだけ巧妙にチップを偽造できても、ブロックチェーン上に記録されているスキャン履歴のおかげで偽物はすぐに特定できる。

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なお、そのためにも消費者がRFIDチップをスキャンし続けることが重要であり、そのインセンティブとなるのがワビ(WaBi)コインだ。ワビは消費者が商品をスキャンする度にもらえるコインで、ディスカウントにつながるロイヤルティポイント。現在アリペイなどと連携しているため、幅広い商品の購入に使える。

したがって、消費者からしたら、商品が本物かどうかを確認できるうえに、次の買い物時に使えるポイントがもらえるので、積極的に参加する仕組みになっている。

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既に中国の一部の流通では、ワリマイの「安全ラベル」は使われており、某大手ECサイトでは、通常商品よりも20%高い価格で販売しても、消費者はラベル付きの商品を選んだという実証実験結果もある。

次回からワリマイ社の創設者二人とのインタビューを数回にわけて連載していく。

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