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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

日本中を飛び回る有名エバンジェリストがエンバカデロオフィスに! その2

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前半では、自社製品のよさを理解してもらうための努力についてお話しいただきました。製品を理解していただくために、ソフトウェア製品では欠かすことのできないデモ。しかも、開発ツールの場合、その場で開発してみせるということが要求されます。

デモに潜む魔物

藤井「エンバカデロ製品もモバイル開発に対応するようになって、スマートフォンやタブレットを使ったデモを行うようになってきました。これには、エンジニアも結構苦労していましたが、最近かなりノウハウがたまってきたように思います。」

西脇さん「モバイル系はたくさんのデバイスが必要ですからね。狭い演台にたくさんのガジェットが並ぶような状態になります。PCに転送して画面を表示したりとテクニックを使いますよね。」

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藤井「そうなんですよ。そういったテクニックは決して軽視できず、重要なノウハウだったりするものです。ただ、やはりデモには失敗がつきものですよね。」

西脇さん「プレゼンテーションでは、何が起こるか分からないので、常にリスク分散をしておくべきなのですが、『デモには魔物が潜んでいる』なんて言い方もしますね。」

藤井「エンバカデロのユーザーの皆さんは『デモの神様』と呼んでます。」

西脇さん「自分は、デモをするとき、プレゼン用のマシンとは絶対に分けるようにしています。どちらかが使えなくてもどちらかでリカバーできるからです。そして、もうひとつ重要なのは、デモで失敗したとき、『それもデモ』だということです。例えば、コンパイルエラーが出たとしても、そこから簡単にエラー箇所を修正して見せれば、簡単に問題を解決できるというデモになって説得力も増します。」

藤井「なるほど。それは大事ですね。」

西脇さん「一番やっちゃいけないのは、ショートカットでできあいのコードがパラパラって入って、ほらできました、というデモ。それならビデオで十分ですよ。」

モバイル開発は変わる

藤井「最近、企業でモバイル向け開発の需要が増してきていますが、従来の開発がなくなったわけではなく、相変わらずエンジニアは忙しくしています。そこで、モバイル向けのセミナーも夜に開催して、仕事の後に参加できるようにしています。」

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西脇さん「モバイルアプリの開発はまだ発展途上で、エンジニアが勉強しなければならないことが多いですね。例えば、Windowsアプリケーションの場合だったら、画面設計にしてもロジックにしても、だいたいどうすればいいか決まっています。Webもだいたい決まっています。でも、スマートフォンを見ると、iPhoneのUIのデザインも変わったりと、まだ標準化されていないところが多いと思います。」

藤井「これまではどちらかというと規模が小さく、短期利用のアプリも多かったと思います。

西脇さん「そうですね。これから、短期利用でないアプリにする必要が出てきて、工数もお金もかかるようになって、大変になってきています。ここで果たすツールの役割は大きいと思います。」

藤井「Delphiのようなツールが重要になりますね。」

西脇さん「ビジュアル開発ツールの登場によってひとつの大きな逆転があったと思います。昔はコードを全部書いていたのに、ビジュアル開発では、UIはビジュアルに設計して、コードは一部に埋めるだけでよくなりました。つまり、言語をあまり知らなくても、書けるわけです。もはや言語の違いなんて関係ないですよ。」

藤井「既存のアプリケーションコードを使いたいという要求はあるでしょうが、コンポーネントに対する操作であれば、DelphiがEdit1.Textなのに対してC++がEdit1->Textみたいに、ほとんど違いはありませんね。」

西脇さん「ただ、どんな言語でもいいからプログラミングしてください、と言われたら、自分の場合はC++なんですよ(笑)」

藤井「そうなんですか。自分もです。というかCですけど。ここだけの話、Delphiのファイル入出力はなじみが薄くて。fopen() にホッとしてしまう世代です。」

西脇さん「それ分かります(笑)。」

藤井「でもそんなDelphiやC++の開発者の皆さんが、今モバイルで『開発が楽しい』とおっしゃっているんですよ。モバイルデバイスには、制約がいろいろある。その中でプログラミングすることがエンジニア的にとても楽しいのですね。」

西脇さん「それに、手の中のスマートフォンでアプリが動くという感動もありますね。」

藤井「そうですね。」

西脇さんに大変共感するのは、自分が経験したことを伝えようとする努力を語っている点です。言葉のテクニックではなく、まず自分が経験して、「よい」と感じることから始める。そこには、エンジニアとしてスタートした彼の真摯な姿が見えるのです。

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最後は受付で記念撮影。西脇さんは、キャリーバッグを転がして、そのまま出張に出かけられました。がんばってください!

全編はこちらにも掲載致しました。

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