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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

第26回 デベロッパーキャンプでマルチデバイス開発が熱かった

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先月開催したデベロッパーキャンプのビデオが続々とアップされはじめたので、ここら辺でビデオとからめて開催レポートを書いておくことにする。

第26回 エンバカデロ・デベロッパーキャンプは、9月13日東京ビッグサイトで開催した開発者のための技術イベント。今回は、ちょうど前日に発表となったAndroidのネイティブ開発に対応したDelphiRAD Studio)の新バージョンが目玉だったが、春に開催した25回のときとは違い、新製品情報だけでなく、実際に開発に取り組んでいる人の声や、実践的な内容を盛り込むことができた。

最近の傾向として午前中にテクニカルな内容を持ってきて、午後にキーノート的な概要を置くことが多い。このほうが、例えば外国人スピーカーがいる場合など、通訳費を午後だけに集約できるなどコストメリットもあるが、午後のいちばんいい時間に、より多くの人を対象とした内容を当てるのは理にかなっている。

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ただ、午前のトップバッター高橋君によると、まだキーノートで発表していない内容を、先取りして技術詳細を語ることになるので、ちょっとやりにくい、と。「まあ、気にしないでやってくれ」とアドバイスしているが。

さて、今回発表したDelphi XE5(RAD Studio XE5)は、Windows、Mac、iOSに加えてAndroid向けのネイティブアプリを開発できる。従来のWindows開発者が、これまでのノウハウを活かしてモバイル開発に参入できるのはもちろんだが、iOSとAndroidのそれぞれのネイティブアプリを開発するために、別々の言語、別々のツール、別々のコードで開発していた苦労が、一気に解消される。

それを可能にしているのが、こちらのFireMonkey(FM)フレームワーク。

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CPU/GPUネイティブで実装されているが、各デバイスごとの固有のコードを内包している。アプリケーション開発者にとっては、同じインターフェイスだが、実際に実行されるコードは、デバイスによって違うわけだ。

コンポーネントレイヤーがあると、できることに制限ができてしまうのではないかという懸念があるかもしれない。しかし、Windows向け開発ツールの時代から、コンポーネントによる効率化だけでなく、Windows APIもバシバシ呼べていたDelphi。同じように、iOSやAndroidのAPIもコールできる。

こちらはそれを実演するデモ。Android PhoneからiPhoneへ、コードを記述してSMSを飛ばしている。

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詳細はこちらのビデオをどうぞ。

こちらのキーノートの後半は、アプリソムリエの石井寛子さんが加わり、ちょっとショーっぽい展開に。日頃難しいコードを解説している高橋君も、プログラマでない人にDelphiのよさを説明するよい機会となった。

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このかけ合いについてもビデオが公開されている。

このあと、ワークショップでiOSアプリ開発にチャレンジするチームと分かれ、メインの会場では、事例セッションを行った。日立メディカルコンピュータ 高柳様、アフテック 谷口様、ウェブテクノロジ 橋本様にご登壇いただいた。

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実感するのは、マルチデバイス開発が実際にあちこちで始まっていること。そして具体的な成果を上げていることだ。古いシステムと共存しながら、新しいマルチデバイスへの道を切り開いているというのも心強い。

こちらのセッションもビデオ公開されているので、ぜひご覧いただきたい。

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