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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

エンジニアを幸せにできる受託開発の新しいカタチ - その2

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昨日に続き、ソニックガーデンの倉貫さんのお話。エンバカデロのツール(C++Builder)が縁でソフトウェア開発の世界に入ったという倉貫さんが、従来型のビジネスモデルでは、エンジニアを幸せにできないと始めた新しい取り組みについて。その後編です。

記事全文は、エンバカデロのブログにも掲載しました。

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ドミノ倒しの先にあるもの

倉貫さんが導き出した答えは、「納品のない受託開発」です。月額固定費で、お客様の顧問としてエンジニアが働く、いわば「バーチャルCTO」のようなカタチだそうです。多くの会社では、専任が必要となるほどシステムがいっぱいあるわけではないけれど、やはり業務が分からないとよりよいソフトウェア開発もできない。そこで、弁護士のように、ひとりが複数のクライアントを持って、月々の費用の中で、できることをやるのだそうです。

このモデルは、エンジニアのモチベーションアップにも直結しているとのこと。

ルーキーは1社しか担当できないけれど、エースともなれば、3社、4社を担当できる。生産性を上げれば、それだけ会社の利益も増え、自身の稼ぎも増えるので、モチベーションもあがる。もっとパフォーマンスを上げよういう方向に向かっていくそうです。

このモデルは、実際のお客さんの需要とも完全にマッチしており、うまく機能しているようです。エンジニアがスキルアップして、いいツールを使ってどんどん効率化すれば、それがそのまま利益になるのです。

Sonicgarden03

― 「ツールを使って効率化する」という当たり前のことを当たり前に受け入れられない風土が、エンジニアを幸せにできないビジネスモデルの中にあったのですね。

優秀なエンジニアを見つけるには時間が必要

しかし、ソフトウェア開発で大事なのは、やはり「人」。優秀な人を入れなければ、顧問として請負うことができず、お客様を待たせてしまう。そこが次の課題。それでもあせらず、採用には半年という時間をかけているそうです。「ずっと続く会社に入るのに、1、2回の面接ではリスクがありすぎる。結婚といっしょで、半年ぐらい付き合わないと。」

優秀なエンジニアだからこそ成り立つサービスだからこそ、これだけの時間が必要なのでしょう。

ソニックガーデンでは、Rubyを中核の技術として採用し開発を行っています。そんな中でも、モバイルデバイスのサポートは重要な課題とのこと。そこで現在、iOSのネイティブ開発をサポートしたDelphiを評価いただいています。

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