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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

いつでも大事にしたい実装力

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やれ失言だ、リーダーシップがない、危機管理能力がどうした、とか、どうも停滞を感じずにはいられません。最終的に、現場ががんばってしまうのが日本なのかもしれませんが、組織としてもそれは健全ではないと思います。

ソフトウェア開発に限ってみると、現場の発想力をものごとを推進する力に結びつけるには、現場を理解し、同時にビジネス的なプライオリティや要求をしっかり把握し、しかるべき方向を決められることが大事です。エンジニアの興味ばかりにフォーカスし、本来やるべきことから離れてしまってはおかしなことになってしまいます。

ただ、この「現場を理解し」というところも大変重要で、技術的な依存関係や影響範囲を理解しないで、ビジネス的なプライオリティだけで仕切っていくと、予想外の追加作業などが発生してしまうことがあります。本来これらの追加工数も織り込んで、最善策を検討するべきなのですが、ソフトウェアの場合、どうも中身をブラックボックス化してしまう傾向があるようです。

つまり、「現場を理解し」というのは、単にプログラマの気持ちが分かるよ、ということではなく、実装技術に関する知識、見識があり、全体の方向性を決めていくときに、それらの問題についても考慮する能力がある、ということです。

どうも一時代前のように、プログラミングに対する興味はエンジニアの中でもずば抜けて高いわけではないようですが、ソフトウェアにかかわっていくのであれば、プログラムのひとつやふたつ、作った経験なきゃいけないと思います。

プログラムをどのような手順でつくり、どのように動くのかを理解することも重要ですが、同時に、「何かをつくる」という行為をしたときの、「アイデアをカタチにする」思考経路を経験することも大事です。これを経験しておくと、ソフトウェア開発が、単なる実装作業ではないこと、極めて創造的な仕事であると分かるはずです。

ソフトウェアに限らず、多くの産業では、実際にモノを作り出す現場があります。その現場を経験して初めて、それらを推進していく力が生まれるじゃないかと考えています。

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ちょっとオマケの宣伝:
この実装力に関して、ベタな「プログラミングコンテスト」というかたちで皆さんを応援してみたいな、ということで、翔泳社さん主催のイベントを後援することになりました(自分司会?)。他社情報でごめんなさい。

以前、BorConなどでプログラミングコンテストをやっていましたが、完璧なプログラムを作るというより、豊かな発想力で、あっ!と言わせたり、笑わせたりする面白いプログラムがよいのではないかと思います。また、このコンテストでは、自分のプログラムを紹介するプレゼンの時間も用意されています。プログラマーにとってもプレゼン力は大事なので、ここは重要だと思います。

詳細はこちら:
http://enterprisezine.jp/visio/2011/contest

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