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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

オーケストラのオフシーズンが終わりに近づき、初見大会の日が迫ってくると、「楽譜は準備できたか」とか、「オススメのCDはどれだ」なんて会話が頻繁に交わされるようになるものだ。自分の所属するオーケストラは、あんまりよそでやらないような曲目もよく取り上げるので、実際、一度も聴いたことない曲をやるなんてこともよくある。

初見大会前に、あわててCDを探すってことは、選曲のときにちゃんと聴いてなかったってわけで、なんとも受身な態度なのだが、オーケストラ人とは、そもそも肝心なときまでは受身な人種なので、致し方ない。まあ、これから数ヶ月かけて仕上げていくのだから、大目にに見ようというものだ。

では、こんな受身なオーケストラ人が、能動的に初見大会に臨もうというとき、どのように接するのか?

CDを聴く
確かにそれが手っ取り早い。しかし、本当に受身な超オーケストラ人の場合、自分ではCDを買わない。他のメンバーから借りたり、団員仲間と飲みに行ったついでに聴かせてもらったりするのだ。半年近く、没頭する曲だぞ。せこくないか?自分でCDを購入する奇特な人でも、私財を投げ打って入手した珠玉の名盤に固執してはいけない。CDを聴くのは、手っ取り早くどんな曲かを知るにはよいのだが、その演奏のニュアンスに引っ張られすぎるのもよくない。演奏は演奏、楽譜は楽譜である。初見大会を終えたら、CDのことは忘れよう。

パート譜「命」
次に、いきなりパート譜と向き合うこと。まあ、これは主旋律パートでもない限り、精神的に持続しない。知らない曲の伴奏パートだけを弾いて、全体を理解できる天才はこの世にいない。あまり他人に興味のない孤高のオーケストラ人で、先に手が動いちゃうような人(変な意味ではなく)は、さらっと弾いて自分のなすべきことを理解できるかもしれない。でも、ほんとにそのニュアンスでいいの?という疑問は残る。

ミニチュアスコア
そこで、スコアだ。通常購入するのは、ミニチュアスコアというA5版ぐらいのサイズのオーケストラ譜。昔は国産といえば、著作権切れの古い作品ばかりだったが、最近は、海外の出版社と提携して、国産なのか輸入なのか一瞬分からないような表紙の近現代ものが安く手に入るようになっている。でも、めったにやらない曲だと、輸入版しかなくて結構高かったりする。スコアがあると、全体を鳥瞰して自分の役割を理解できる。単に自分の「出」を理解するための影譜(休みのあとにどこで弾き始めるか分かるように、他のパートの音符が小さく記載されているもの)と捉えると、高い出費だが、そうではない。たとえ、そう思っても、半年に一度の出費なんだから、記念品だと思って購入することにしよう。

スコアは、CDを聴きながら眺めてもいいが、そのあとゆっくりスコアだけ見て反芻する。これが重要。自分なりのニュアンスがつかめたら、指揮者に能動的に向き合う準備ができたということだ。

初見レベルではないが、スコアを使ってもうひとつ理解しておくべきことがある。音楽は音がすべてを表すといっても、楽譜はその造形をビジュアルに表現する。スコアを念入りに観察することで、ちょっとしたフレーズの重みを気づかされることがある。裏方でかすんでる場合じゃないぜ、なんてことが、こうした観察からも見えてくる。

このような理解は、演奏会のパンフに記載された曲目解説から得られることが多い。演奏会当日、ステリハ(ステージリハーサル、やけっぱちでやるリハではない)を終えて、「さて、プログラムでも読むか」なんてゆっくり眺めていたのでは、実際手遅れなのだ。

hifujii

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藤井 等

藤井 等

エンバカデロ・テクノロジーズ勤務。
ボーランドの開発ツール事業分離発表を受け、数年ぶりにマーケティングに復帰し、2009年からは日本法人代表へ。
仕事に関連したソフトウェア開発やマーケティング、ビジネスに関する話題、週末には音楽の話題を。

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