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ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。

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先週、携帯大手三社の決算発表が出揃いましたので、そちらの解説を行います。

■増収増益で勢いが止まらないソフトバンク。各社のトレンドは変わらず
三社の決算書から抜粋した、上期のP/Lを下図に示します。(単位は百万円)
Pl

Q3は三社から期待のAndroid端末が登場することで各社のトレンドに変化が起きるかもと注目を集めていましたが、Q2に引き続いて、各社のトレンドに変化はありませんでした。NTTドコモが減収増益、KDDIが減収減益、ソフトバンクが増収増益という結果になっています。好調な決算を反映し、ソフトバンクは連結営業利益の予想を従来予想5,000億円から6,000億円にする上方修正を発表しています。

各社ともに収益の牽引役はスマートフォンであり、減少傾向にある音声ARPUをスマートフォン需要で補うという傾向に違いはありません。

決算の注目ポイントは前回も記載しましたが、営業利益では既にソフトバンクはKDDIを抜いているという点です。4月~12月までの加入者増加数でも、一位がソフトバンクで252万人、二位NTTドコモ113万人、三位KDDI66万人となっておりソフトバンクはNTTドコモの二倍、KDDIの四倍という圧倒的な加入者獲得に成功しています。この勢いを反映して、市場の注目は累計加入者数でソフトバンクがいつ二位に浮上するのかに焦点が集まりだしています。

急速にスマートフォンに舵を切り出したKDDIがどこまで巻き返せるかが今後のポイントになるでしょう。

■ARPUの比較
ARPUについても各社共に音声は減少傾向、データARPUが上昇傾向というトレンドに変化はありません。またソフトバンクのみデータARPUがARPUの過半数を越えているというのもQ2同様です。

Arpu

■注目のスマートフォン販売台数
NTTドコモが126万台に到達し、今期の販売目標は130万台でしたが、今期中にあと100万台上乗せし、250万台販売を目標にすると発表しています。来年度には600万台を目指すということなので、スマートフォンに対する大きな期待を感じさせます。

KDDIは期中に期待のIS03を発売し、素晴らしい順調な滑り出しを記録したと発表しています。現時点の累計販売台数は50万台で、今年度中に100万台の大台に乗せると発表しています。

ソフトバンクは具体的な数値は公表しておりませんが、新規加入者数252万人のうちのかなりの数がiPhone/iPadが占めているのでは無いかと推測されます。

■ARPU向上に寄与するスマートフォン
各社がスマートフォン販売に注力するのは、勿論市場の追い風に乗りたいという点もありますが、データARPU向上に貢献するという側面もあるからです。

トラフィックから見たスマートフォンの特徴は大量のパケットが発生することです。あまり利用していないつもりでも、バックグラウンドで自動的に同期やバージョンアップが行われるため、自分は利用していないつもりでも、通信が行われていることがあります。
このため、W定額等を申し込んでいても、上限値まで使い切ってしまう人が多いと言われています。

NTTドコモ パケ・ホーダイ・フラット(3月15日から開始) 5,460円/月
KDDI ISフラット 5,460円/月
ソフトバンク パケットし放題S 5,985円/月
        ※712,5万パケットまで3,985円/月のパケットし放題 maxも有り

現状各社がスマートフォン向けパケット定額サービスの価格競争に入ろうとしていますが、各社共に上述した統合ARPUを上回る価格設定になっていることがわかります。
スマートフォンを契約して貰う事で、減収傾向にある音声ARPU分を吸収することが出来るため、各社はARPU上昇という側面でもスマートフォン販売に力を入れていることがおわかり頂けると思います。

■設備投資
今回の決算で、筆者が注目したのは設備投資です。こちらは、今回の決算発表で公開されたQ3の移動通信事業における設備投資額の比較になります。今まで最も設備投資額の少なかったソフトバンクがKDDIを抜き二位になりました。

NTTドコモ 1,263億円
KDDI 812億
ソフトバンク 1,163億円

これらは、iPhone/iPadによるトラフィック上昇による設備投資が原因ということであり、品質改善に取り組んでいる模様。それでもまだなお回線品質に関する不満の声は多く、今後も加入者増が続くようであれば更なる設備投資が必要となるのでは無いかと予想されます。

ただ、iPhone/iPadによるトラフィック増は以前からも相当あったわけで、今の時期に設備投資が上昇した背景には、将来的なSIMロック解除や、他社がiPhoneを取り扱う可能性を鑑み、回線品質はキャリア選択要素になり得るとの判断から、顧客離れを防ぐために先手を打っているのではないかとも筆者は推測しています。

また、今期からスマートフォンに注力しだした他二社についても、ソフトバンクの後を追うようにスマートフォントラフィック対応のための設備投資が来期以降上乗せされるのでは無いかと予想します。

■スマートフォンの調達/開発コストが今後の経営を左右する
各社共に主力事業としてスマートフォンに注力していく傾向は鮮明になっています。現在、ソフトバンクはiPhone、NTTドコモ、KDDIはAndroidに主軸を置いています。

販売数も大きく、ソフトバンクが手を入れる必要の無いiPhoneに対して、使い易いスマートフォンを作るためにはある程度手をいれざるを得ないAndroid。更にAndroidは、度重なるバージョンアップの度に追随するコストも発生します。

スマートフォンのトラフィックに対する設備投資に加えて、開発/販売後にもコスト負担がかかるAndroid。

ソフトバンクはiPhone、他二社がAndroidという構造でいくなら、ソフトバンクが利益を出し易い戦況になっていくのでは無いかと筆者は予想します。

■今後はWindows Phoneにも要注目
2011年2月11日 ノキアはスマートフォンのOSとして縮小傾向にある自社製OSでは無く、マイクロソフト製「Windows Phone」を選択すると発表しました。

日本国内ではまだまだAndroidが話題ですが、全世界携帯電話販売台数シェアNo.1のノキアがWindows Phoneを選択した事は、国内携帯キャリアの今後のスマートフォン展開にも影響を与えるのでは無いかと予想します。

こちらにも書きましたが、今後はWindows Phoneもスマートフォン戦争に参加し、以下の層に向けてマートケットが三分割されていくのでは無いかと予想します。

AndroidはITリテラシーの高い層、男性向け。
iPhoneは、女性、一般層向け。
Windows Phoneはビジネス用途向け

スマートフォンが新規加入者獲得に大きく貢献する時代、携帯事業者にとっては、Android一本で勝負を掛けるのでは無く、適材適所を考えた、スマートフォン展開戦略が重要になってくるといっても過言では無いでしょう。

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■著書及び自己紹介
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大元 隆志

大元 隆志

情報通信政策/動向を調査、分析し顧客と共に新たな価値を創造するevangelist
資格:PMP,SMC
著書:IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入

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