ICT業界動向やICT関連政策を基に「未来はこんな感じ?」を自分なりの目線で「主張(Assioma)」します。

ソーシャルメディアを活用したパーソナルブランディング - Section1 Change

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Social
本講演の内容を大幅に補強した「ソーシャルメディア実践の書」 ーfacebook・Twitterによるパーソナルブランディングー


2010年7月2日に実施した「ソーシャルメディアを活用したパーソナルブランディング」。今回は「Section 1 Chane」について講演内容を記載致します。

当日の資料については、こちらをご参照下さい。

また、8月11日19:30~20:30開催の勉強会では孫泰蔵様のご好意により「ソーシャルメディアの未来」というテーマでご講演頂きます。参加費は無料であり、泰蔵さんとしても、若い世代の方々と色々と意見を交換する楽しい講演にしたいとの事ですので、皆様の参加をお待ちしております。正式な参加申し込みについては、後日当ブログにて受付を開始致します。

前回参加者の声については、こちらをご参照下さい。

■Section1.Change
 今、インターネットでは大きな変化が起きています。
 
 インターネットでユーザをホームページに呼び寄せるために最も有力なもの、それは「検索エンジンである」というのが、インターネットが登場して以来、変わることのない定説として考えられてきました。

 そのため、如何に検索エンジンの検索結果で上位に表示されるか?という事を考える事がサイト運営者にとって非常に重要な業務でした。この検索結果を上位に表示させるためのサイト作りを行う事を「SEO(Search Engine Optimization)」言います。
 
 ウェブサイトの黎明期、「如何にユーザに見てもらうか」という視点で作られてきた、ウェブサイトは、いつしか「如何にSEOで上位に表示されるように作成するか」を重視するようになっていきました。
 
 どんなに、見栄えの良い、素晴らしいUIを持ったウェブサイトを作っても、ユーザが来てくれないのなら意味が無い。
 だから、検索エンジン様のためのサイト作りをするのが良し、ユーザ視点はその次で良い。

 しかし、今、この定説を覆す傾向が明らかになりました。


■SEOによる集客効果を上回ったソーシャルメディア
 2010年3月。インターネットの歴史に残るであろう、一つの事件が起きました。
 検索エンジンの中でトップシェアを誇るGoogle以上のトラフィック流入力を誇るサイトが現れたのです。

 それは、全世界で5億人のユーザ数を誇る世界最大のSNS「Facebook」です。
 調査会社Hitwiseの報告によると、2010年3月第2週の米国のWebトラフィックに占めるGoogleのシェアは7.03%、Facebookは7.07%。Googleのシェアはほぼ横ばいで推移していますが、Facebookは右肩上がりに急速にシェアを伸ばしている事がグラフから見てとれます。Facebookの過去1週間のトラフィックは前年同期と比べると185%増であり、同じ期間のGoogleのトラフィックの伸び率は9%増でした。

Facebook
出典:Hitwise


■「SEOからソーシャルメディア」がもたらす本質的変化
 では、トラフィック流入力がSEOから、ソーシャルメディアに変化するとしたら、一体何が変わるのでしょうか?

 それは、「コスト」です。

 SEO対策と呼ばれる手法は、大変お金が必要だと言われています。検索エンジンのアルゴリズムが変化すれば、それに伴って新たなSEO対策を行う必要がありますし、他社も同様にSEO対策を行えば、それを上回るSEO対策を実施しなければなりません。そのため、一度実施して終わりという物では無く、対策を継続して実施する事が求められます。

 企業によっては、SEO対策に専門の人員を用意しているケースもありますが、外部に委託するとなると、月間維持費で安いもので月額5万円から高い物では、300万円を超えるケースもあり、非常にお金がかかるという事がおわかり頂けるのではないかと思います。

 対して、ソーシャルメディアによるトラフィック流入を考えた場合のコストはどうなるでしょうか?
 ソーシャルメディアによるトラフィックの流入の源泉、それが「口込み」だとしたならば、そのコストは「限りなく低い」と言えるでしょう。

 まとめると、下記のように考える事が可能です。
  - SEO対策による集客 = 高価
  - ソーシャルメディアによる集客 = 安価

 しかし、本当に大切な事は「コスト」ではありません。単純にコストが安くなるという安易な理由でソーシャルメディアを活用しようとしたとしても、簡単には成功しないでしょう。口コミを産むために大切な事、そう、お金では無く「人の心に訴えかける」という事を考えていなければ、ソーシャルメディアの時代で成功する事は難しいでしょう。

 お金を掛けて、SEO対策を行い、ユーザ視点が薄れつつあった現在のウェブサイト作りから、如何にユーザ視点で「口コミ」をしたくなるウェブサイト作りを行うかが重要になるという事です。これはウェブサイトに限らず、コンテンツ等の制作でも同じ事です。

 お金では無く、ユーザを大切にする「ハート」が「口コミを産み出す」という事を理解する事が重要だという事ですね。

 Love


■AIDMAの法則と、AISAS
消費者が「この商品を購入する」と決定するまでに、どのような心理的変化が発生し、商品発見から商品購入へ向うのかを表現した心理的プロセスモデルに「AIDMAの法則」と呼ばれる物があります。

 これは消費者の消費行動プロセスは

 Attention(注意)
 Interest(関心)
 Desire(欲求)
 Memory(記憶)
 Action(行動)

 の五段階に変化する、という各動作のアルファベットの頭文字を取ったもので、アメリカのローランド・ホールが提唱した「消費行動」の仮説です。

 これが、検索エンジンが支配するインターネットのオンラインショッピングについては、AISASに変わると株式会社電通が提唱しました。
Aisas

 検索エンジンが主流のインターネット上でのショッピングでは、人々が何らかの理由によって、ある特定のジャンルや商品に興味を持ったとすると、「Search」して、購買するという物です。そして、購買した後で商品に対するレビューやブログを書いたりする事で、その商品の情報を他社と「Share」します。

 このAISASの消費行動プロセスがSEO対策全盛の時代においては重要だと考えられてきました。

■ソーシャルメディア時代、AISASからVISASへ
 しかし、「口コミ」が大きな力を持つ、ソーシャルメディアでは、AISASでは無く、VISASになると私は考えます。

Visas

 認知は他者からの「Viral(口コミ)」によって訪れます。そして、口コミをしてきた人物に「Influence(影響)」され、「Sympathy(共感)」すれば、「Action(購買)」に繋がる。そしてその結果を「Share(共有)」する。

 何かを欲しいと感じるのは「Search」では無く、自分の信頼する、又は仲の良い友達からの「Viral(口コミ)」が重要になる。

 ICTの進化は「SEO」という「超ハイテク」から、「口コミ」という「超ローテク」に力を与える事になったという、なんとも奇妙な結果をもたらす事になりました。

■AISASとVISASの本質的な違い
AISASとVISASによる、消費行動プロセスの違いを理解する事は大切です。しかし、決定的に違う点が一つあります。

AISASは自分が欲しいと思っていたのみを求める「自己認識による行動」であり、VISASは「口込みによる他者による喚起」がきっかけとなっているため、「それが自分に必要だ」と気付いていなかった物に気づかせてくれる「潜在ニーズの発掘」が可能であるという点です。
Vsvisas

本講座の趣旨とは若干それますが、このAISASとVISASの本質的違いは理解しておいて、損は無いでしょう。

■口コミの力が変える、パーソナルブランディング
私のこのブログは1月28日に初めての投稿を行ってから、2010年7月17日現在で、75本のエントリーが存在します。
Google Analyticsによる開設当時からのアクセス統計では、約29万PVとなっており、一エントリー辺りの平均PVは3866。一般的な個人ブログのアクセス数は平均して約10~100PV前後と言われていますから、お陰さまで一般的な個人ブログのPV数を大きく上回る結果となっています。

では、このブログへユーザの皆様を導いてくれている物は何なのでしょうか。下図に当ブログの開設当時からの参照元トップ5のグラフを示します。

Access

1位は断トツでYahooのDailinewsであり、次にTwitter、ハテナブックマークと続き、Googleの検索による流入は僅か7%に過ぎません。当ブログはまだ出来て間もないため、googleのページランクも低く、コンテンツの数も少ない。このような状況下で、検索エンジンからの流入はは「期待薄」と言わざるを得ません。

もし、検索エンジンしか無かった時代であれば、ITmedia オルタナティブブログのTOP30にランクインする事は無かったでしょう。

この結果の意味する物、それは普通の一般人でも大金を投じてSEO対策や、マス広告を利用しなくても、数万人に自分の存在を知って貰う事が容易になったという事です。

大企業が大金を投じてSEO対策でPVを稼いでいた時代には、企業サイトと比較して個人サイトはアクセス数で上回る事は難しかった事でしょう。しかし、 ソーシャルメディアによるトラフィック流入が大切になってきた現在。その源泉である口コミの一つ一つの力は小さくても、「共感」の力で、何倍にも増幅していく。

個人サイト、ブログ、Facebook、Twitter、Youtube様々な情報発信が可能な現在。
ソーシャルメディアの台頭により「口コミ」の力によって、普通の一般人が数万人に自分の存在を知って貰う事が可能になった現在。
自分を社会に知って貰うためのパーソナルブランディングは、今後、より重要になって行くと考える事が出来るでしょう。

Section2 ソーシャルメディアとは?に続く

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