オルタナティブ・ブログ > マリコ駆ける! >

翻訳・WEB・キャリアを極める?楽しく正しく新しい会社経営&オリンピックへの道?

目の前の誘惑に負けずに長期の目標を達成するコツ

»

定量的に数値で示されるともっともらしく聞こえるが、注意が必要だと思う。数値のまやかし、バイアスがかかっていないかは慎重に判断すべきだ。

また経営学や行動経済学や心理学は、数学のように一つの絶対解があるのではなく、より高い確率でそうなる、ということに過ぎない。

にしても、やはり、実験の結果はなかなか興味深い。

***********全体会議の話から*********************

最近はやりの脳科学や行動経済学の本を数冊読んだので、興味深いところをシェアします。
共通して書かれていることは、人類は種を存続させるために、様々な進化を遂げてきたのですが、21世紀に生きる私たちにとってもはや必要のない進化も残っており、そのことを分かったうえでどう対処するか大事だということです。

わかりやすい例をあげましょう。ダイエットです。

アークコミュニケーションズに勤める社員はもはや飢え死にを心配をする状況にありません。しかし、人類は長い間、飢餓の危機に瀕しており、目の前に炭水化物など栄養価の高いものがあれば、好んで食べるように設計されています。

例えば、「あのドレスを着るために甘いお菓子を食べない」と頭で決めても、本能は、目の前にある炭水化物を食べよと指令をだし、甘いお菓子を食べないという意思を妨害するようにできているのです。本能に打ち勝つことは大変です。

それでは、どうやって、目の前の誘惑に負けずに長期の目標を達成できるのでしょうか?科学者たちは「意志の力」以外の方法も示唆します。
ヒントを3つほどご紹介しましょう。

一つ目:誘惑を目の前に置かない。

オフィスの机の上の少し手を伸ばせば届くところにキャンデーの瓶を置いた人と、引き出しの中に瓶を置いた人の、どちらがキャンデーを食べるのか実験しました。

結果は、手を伸ばす手間はほとんど同じにもかかわらず、机の上に置いた人は引き出しの人より3倍食べたそうです

さもありなんですね。

禁煙しているのに、喫煙者たちが煙草を吸っている中で雑談したり、禁酒しているのに、わざわざ飲み屋に行くなということです。人間は視覚による誘惑に弱いそうです。

二つ目 例外を作らない

人間は一度失敗するともっとダメになりたくなる傾向があります。
例えば、ケーキを食べないというダイエットをずっと続けていたのに、うっかり1回食べてしまうと・・・罪悪感の反動で、次の日も次の日もケーキを食べてしまう傾向があります。

客観的に考えれば、たまたまその日食べてしまっても、明日からまた食べなければ、ダイエット効果が続くのは明快です。しかし、なかなかそうはなりません。

二日酔いになった人のほうが、次の日もお酒を飲む確率が高いという実験結果もあります。

守れないような高いハードルを設定するような人が陥りやすい罠だそうです。
ですから、達成可能な現実的な目標設定をすることと、罪悪感の反動がないように例外を作らないことが大事です。


三つめ つまづいたときに自分をなぐさめる

例外を作らないと言うことは、一度でも例外を作ったら、それで終わりってこと?
そんなことはありません。

一度失敗しても、そこでつまづかず、次の日から継続できるコツがあります。

それは、自分自身を慰め、励ますことです。

「人間だもの、失敗するわ。でも、3週間もケーキを我慢できたのだもの、また明日からケーキを3週間我慢できるさ」という具合に。

意外なことですが、自分に厳しく接した人のほうがうまくいかない実験結果が残っています。
自己批判がモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招いているからと推測されています。
それに対し、自分を励まし、自分に優しすることは、やる気の向上や自制心の強化につながっていると思われています。

これは自分自身だけではなく、他人にそうされても同じ効果があるそうです。
こういう実験結果があります。
ドーナッツを食べさせた後に、「あまり自分に厳しくしないように、誰だって時には自分を甘やかすことがあるってことを、忘れないでくださいね」と声をかけたグループとそうでないグループは、その後、同じようにお菓子を薦めても、声をかけられたグループは、かけられないグループに比べて、お菓子を半分以下しか食べなかったそうです。

と、ダイエットの話ばかりしましたが、私は皆さんにダイエットをしてほしいからこの話をしたのではありません(笑)
仕事で、是非この実験結果を生かしてほしいからと思って言ったのです。

仕事場において、「よかれ」と思って作った約束事はいっぱいあります。
しかしながら、目の前の何かを優先して、将来の利益を犠牲にすることがあります。

そういう時は、是非この話を思い出してください。
① 視覚に訴える仕組み作りを行い、誘惑を目の前に置かないようにする。
② 達成可能な現実的なルールを設定をし、例外を作らないようにする。
③ 失敗しても、明日からまた続けようと、仲間が励ます(自分も励ます)

ということで、私も久しぶりに階段を使って、オフィスにあがることにします。

**************************************

私にしては続いていたエレベーターを使わず階段を使う習慣も、いつの間にかなくなってしまった。これが、罪悪感の反動というものか。ということで、また今日からスタート。

Comment(0)