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コミュニケーションの文化差(ハイコンテクスト文化、ローコンテクスト文化)

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近江商人の「三方よし」はとても素晴らしい理念だと思う。しっくりくる私はハイコンテクスト文化の人間。一方、アークコミュニケーションズとして同じようなメッセージを出しなさい、となったとたん「arc会社の売上10%増で、顧客の売上と日本のGDP10%増に貢献する!」的な表現にしたくなってしまう私は、ローコンテクスト文化で仕事をしてきたのだなぁ、とつくづく思う(笑)

********全体会議での話*************

「知識」は相手の理解を深めることに役立ちます。そして、自分がどう立ち回ると上手くいくのかという対策に繋がります。

今日は、文化によって異なるコミュニケーションに関する知見を1つご紹介しましょう。

文化のハイコンテクスト、ローコンテクストです。

エドワード・ホールという文化人類学者が1976年に唱えた説ですが、未だに根強い人気があります。


コミュニケーションにおけるコンテクストの依存の程度により、国を分類したのです。

「コンテクスト」とは「生活習慣や文化的背景、経験」と考えるとよいでしょう。

ハイコンテクスト文化とはコンテクストを容易に共有できる文化のことで、言葉そのものよりも、コンテクストから多くの情報を得て意思疎通を図ります。
日本や韓国やアラブ諸国や南ヨーロッパがそうです。
ハイコンテクスト文化では、明確な表現や主張を避け、状況から事態を察知することを好みます。

対して、ローコンテクスト文化は、共有するコンテクストが少ないので、言葉による伝達を好みます。ドイツやアメリカや北欧がそうで、論理的な飛躍を嫌い、直接的な表現を好みます。数字も多用します。

wikipediaにのっていた例をあげましょう。
電話をかける時、日本語で
「Aさんいらっしゃいますか?」
と尋ねます。

そこで、文字通り意味をとって、
「はい、います」と応えて終わる人は誰もいません。
Aさんに替わりますよね。言葉には出していませんが、「Aさんがいらっしゃるのなら電話で話したいので替わってください」と言いたいことを説明されなくてもわかるからです。

英語圏でも同じように意味は通じると思いますが、言い方はもっとダイレクトです。
「May I speak to Mr. A?」

エドワード・ホールは国の文化に対して言及していますが、私たちは文化をもっと広義にとらえ、組織の文化、個人の文化へも解釈を応用しましょう。
コンテクストを、「背景、状況、事情、立場」のようなものまで含めて考えてみます。

日本人の中で比較すれば当然、ローコンテキクトな人からハイコンテクストの人がいます。

企業の組織で言えば、
管理系 ローコンテクスト
営業  ハイコンテクスト
となります。

ローコンテクスト文化の管理系は、ロジカルにものごとくみ取らない営業がおバカに見えやすく、ハイコンテクストの営業からは、ローコンテクストの管理の人は薄っぺらく見えたりしがちです。

コミュニケーション齟齬は相手の文化を知らないことでも起こります。

ロー、ハイ、と言いますが、これは良し悪しを言っているのではありません。
違いを言っているだけで、どちらにも良さがあります。
ハイコンテクスト文化ならではの生産性の高さ、表現の豊さは素晴らしいものです。

しかしながら、アークコミュニケーションズはグローバルなコミュニケーションを司る会社で、メンバーも多様ですので、ローコンテクストを前提に進めてほしいと思います。

そして、ハイコンテクスト文化の良いところを取り入れながら、社内ともお客様ともそしてお客様のお客様に対しても良好なるコミュニケーションをとっていきましょう。

繰り返しますが、「知識」は相手の理解を深めることに役立ちます。その知識を利用して、上手に対策を練ってください。

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社員にエドワード・ホールを知っているか聞いたら、ほとんど知らなかった。。。

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