「自分だけの武器」を持たねば、フリーランスとしては生きていけない。「オリジナルの戦略」を描けなければ、コンサルタントは務まらない。私がこれまで蓄積してきた武器や戦略、ビジネスに対する考え方などを、少しずつお話ししていきます。 ・・・などとマジメなことを言いながら、フザけたこともけっこう書きます。

【マーケ上手な企業になる その1】 たった2つのルールで企業は生まれ変わる

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マーケティングのコンサルタントとして働いているうちに、あっという間に20年近くが過ぎた。直接コンサルに携わった企業はもちろん、「ちょっとウチの会社の話を聞いてもらえませんか......」といった相談もたくさんあり、これまで100社ほどのマーケティング事例を見てきた。

集客が伸びない。売り場に個性がない。販促企画が刺さらない。PRしても知名度が上がらない――。企業の悩みは様々だが、話を聞いてみると「じつは原因は一緒」というケースが少なくない。マーケティングに悩んでいる企業に共通する特徴はズバリ2つある。

1つは「むやみに手法ばかりを追う」ことだ。MAが流行っていると聞けばさっそく導入し、エシカル消費がキーワードだと知ればすぐさま販促に取り入れようとする。結果として、手法に関心を奪われるあまりマーケティングがあちこちに向いてしまう。

もう1つは「マーケティング担当者がコロコロ変わる」ことだ。広告にしても販促にしても、マーケティングはその人のクセが反映しやすいという特徴がある。このため人事異動や転職などで担当者が変わるたびに、マーケティングの方向性もガラリと変わってしまうケースがけっこうある。

手法ばかりを追い、担当者がコロコロ変わる――。

要は、マーケティングそのものが時代や流行に左右されやすく、そもそもうまく機能しない体質になっている。反対にいえば、この2点を改善することでマーケティングのブレは収まり、様々な施策もムダなくまわりはじめる。ということで、マーケ上手な企業になるための最初のポイントは以下の2つだ。

秘訣1 マーケティングの軸を固めよう

軸とは「ここだけは絶対に動かさない」という決意である。例えば商品ならアピールポイントであり、「どういう風に消費者に売っていこうか」という姿勢だ。軸さえ固めれば、マーケティングの流行が変わろうと時代が変わろうと、安易に流されることはなくなる。

今、マツダの自動車が猛烈に売れている。「マツダデザイン」という言葉が生まれたように高いデザイン性が注目されているが、じつはブームの根源はマーケティングの軸を固めたことにある。

マツダ車が売れない時代、マーケティングで何をしたかといえば「ズンズンズン」という印象的なCMを繰り返し流したことだ。見ているだけでも鮮烈、聞いているだけでも楽しく、そんな躍動したイメージは「マツダ=走る喜び」を表現したものだ。以降、マツダは商品開発においても消費者への訴求にしても、ひたすら「走る喜び」を追求し続けた。

高いデザイン性はあくまで「走る喜び」から生まれた〝成果物〟であり、それがブランドを育て、消費者を惹きつけ、急速に売れ始めた。マーケティングの軸。これを発見するだけでマーケティングはグッと引き締まるだけでなく、できることの幅が広がる。

秘訣2 マーケティング担当者を動かさない

「マーケティングは専門職」とはっきり認識すべきである。薬の開発には専門の研究者があたり、法律のことはすべて弁護士が担うように、マーケティングも専門の担当者を置いたなら滅多なことでは動かさないことだ。

マーケティングが巧みな企業はもれなくマーケティング担当者を動かさない。特に外資系や有名企業で顕著だが、それは単に「マーケティングが安定する」という理由からだけではない。

優秀なマーケティング担当者ともなれば、「売り方の司令塔」としてときに経営者の意見より尊重される。また社外的にみても「あの会社のマーケティングは〇〇さんがいる限り安心だし、我々も気を抜けない」と、取引先や関係者からのプレゼンスも高まる。「マーケティングは人なり」という特性がむしろ好影響を与えるのだ。

マーケティングの軸を固める。
マーケティング担当者を動かさない。

マーケティング成功への近道はじつにシンプル、そして簡単なことだ。この2つをアドバイスするだけで、「あれ? うちの会社ってこんなにマーケティングが回ったっけ?」と目を丸くする企業が多い。

ボクが直接コンサルできる企業は限られている。でも、ちょっとしたヒントにより「マーケティングって面白いなぁ」と思う企業が少しでも増えればいいなと思う。事実、マーケティングは面白い。

次回の「マーケ上手な企業になる その2」は、日本企業にふさわしいマーケティングの進め方の予定。

(荒木NEWS CONSULTING 荒木亨二)

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