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自分で何でも作ろうとするApple ~それは、可能かも知れない

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先日、Appleが自社開発のARMベースのプロセッサをMacに採用するかもしれない、という記事を書きましたが、

MacがARMを採用する理由

4月末のTechCrunchにこんな記事が出ておりました。

Appleが8+8=16Kの超精細VRヘッドセットを開発中か

まあ、今時VRヘッドセットなんて、どこでも作れますし作っています。Appleが作っていることに何の不思議もありません。

head_mount_display.png

現時点では実現不可能だが。。

しかし、記事を読んでいるうちに、いろいろと引っかかりを感じました。それは、このヘッドセットのリリースが2020年の予定で、まだ2年も先ということに起因します。現時点で8K+8Kのヘッドセットを作ろうとしても、技術的にもコスト的にも無理ということです。しかし、Appleは今や、主要なコンポーネントを自社で開発できる能力・資金・設備を持っています。2年あれば、かなりのことができるでしょう。

8K+8Kを処理できるGPUを備えたARMベースのSOC?

ひとつには、A11 BionicやMac用ARMプロセッサの延長線上にある自社開発のチップです。

今の8Kのディスプレイを二台並べてテストすることを想像すると、複数のハイエンドのGPUをつないで動かすことになる。記事によれば、これはワイヤレスで、Appleが設計したチップが動く外部システムに接続する。

A11 Bionicには、Apple製のGPUが入っています。これから2年かければ、8Kを処理できるGPUを作ることは可能でしょう。

8K+8Kのデータをワイヤレスで飛ばすのはなかなか大変そうですが、Appleはかつて「FireWire」というシリアル伝送技術を開発した実績があります。FireWireはその後IEEE1394になり、現在のThunderboltの元になっています。いろいろと技術は持っているのですよね。

MicroLEDディスプレイ

もうひとつは、記事中でも触れられていますが、ヘッドセットで使われるであろう「MicroLED」ディスプレイについてです。3月にこんな報道が出ています。

アップル、初めて自社設計・製造のディスプレー開発に着手

もう、やる気満々ですね。もちろんiPhoneがターゲットでしょうが、Apple Watchやヘッドセットなど、使える分野は多そうです。MicroLEDは有機ELの次の技術ということで、Samsungなどの業績への影響も取り沙汰されています。

Samsung、LGピンチ?Appleがmicro LEDを独自開発、来年に量産か

ハードウェアメーカーの本領発揮!?

この辺を見てくると、やはりAppleというのはハードウェアメーカーなんだなあ、と思います。AppleからApple IIへ、そしてMac、iPhoneへと、Appleは常にハードウェアを生み出し、質感やデザインへのこだわりを見せてきました。ソフトウェアやサービスへの拘りも、「モノ作り」に根ざしていると思います。

資金的にも人材的にも潤沢となった今、すべてのコンポーネントを含めて自社で完結させようという考えなのかも知れません。ベースバンドのような、差別化しにくいものについては外部調達を続けるのでは無いかと思いますが、他社に先駆けて最先端の製品を出していこうとするなら、主要部品は自社開発して、しかも他社には出さない、というのが一番良いというわけでしょう。

こうした垂直統合モデルはいまどき流行らない、というのが経営学の基本になっていますが、Appleのこの取り組みは、成功するのでしょうか?

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