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IoTは感覚器、クラウドは頭脳、ロボットは手足

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今日はITソリューション塾の16期の最終回で、これからのIT業界のトレンドについて少しお話ししました。そこで使ったのがこのスライドです。

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塾ではクラウドやビッグデータ、BIの話をしてきましたが、今後それが人工知能やロボットと組み合わされて、ひとつの生命体のような機能を揃えた存在になるのではないか、というのが図の趣旨なんですが、時間が無かったのとまだまだ勉強不足なので、絵がいまひとつです。。お許し下さい。

今ですら手に負えなくなりつつあるデータの爆発的な増加に、今後IoTが進むと、さらに拍車がかかります。もはや人間の手で処理したり判断したりすることは不可能です。そこで、集まった大量のデータを自動的に処理してくれる人工知能が重要になるだろう、ということですね。実際、最近は以下の様な記事があちこちに出ています。

グーグルなどが買収合戦 米ITが人工知能に夢中な理由 

日本も人工知能研究ではそれなりの実績があるようですが、米大手の資金力とスピードについていけるのか、非常に心配です。

で、感覚器からの大量のデータを集めて処理した後はどうなるのか?これまでのようにスマホの画面に結果を表示するのも良いのですが、Googleなどはもっと先を見ているように思います。それが、ロボットです。2013年にGoogleは8社ものロボット企業を買収しました。その中には日本のスタートアップも含まれています。(当初日本で出資を募ったのですが集まらず、Googleの出資を受けたと言うことです。残念な話です。)

ITではここ20年でいろいろな技術が飛躍的な進歩を遂げましたが、コンピュータと人間とのインターフェースは意外に変わっていません。入力はキーボードとマウス、表示はCRT、今は液晶画面です。タッチパネルも別に新しい物では無く、結構昔から存在します。これは何故かというと、人間が変われないからでは無いでしょうか。物理的な存在である人間は、いきなり脳にチップを埋め込んだりするわけには(いまのところ)行かないのです。クラウドは、人間の一歩手前(スマホ)までしか到達できていません。(これをラスト1フィートと言う人もいます)

そのギャップを埋め、クラウドから実世界への働きかけを担う可能性があるのが、ロボットなのでは無いでしょうか。

クラウドとリアルを結びつける最後のピース。(ミッシングリンクと言う言葉を思いつきだしました。今度どこかで使おう。)人間とのインタラクションの部分は、これまで手つかずだっただけに、大きく変わる可能性があるとも言えます。

インターネットで物を買っても、最後にはそれを運んできて貰わなければなりません。天気予報や外気温のモニタリングではなく、実際にエアコンを自動調節して、快適な温度にしてほしいし、どこかへ出掛けていって綺麗な風景を見たり、良い空気を吸いたいのです。Googleがロボット企業だけで無く、家庭用サーモスタットの企業を買収したり、自動運転カーを開発しているのは、決して偶然ではないと思えます。

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