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【1963個】 ドラえもんは、ITは、世の中に夢を与えているのだろうか?

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 今、無性に旅行に出かけたい気分満々なんです。というか、私の場合、ほとんどいつでも旅行したい衝動にかられているのですが。できれば海外。できればきれいな海のあるところ。できれば日本人が少ないところ。まぁ、希望を挙げ出せばキリがありませんが。どこに行こうか、どうやって行こうか、いつだったら行けるか、行けたらコレがしたいアレがしたい…。欲望はとどまるところを知りません。でも、旅行って行くまでの準備期間が楽しいんですよね。いろいろ調べたり、空想を膨らませたり。もちろん、旅行に行っている間も楽しいことは間違いありませんが。それに、旅行もたまにしか行けないから楽しいんですよね。簡単に行けないから価値があるっていうか。これって行けない者のひがみでしょうか。

 ところで。ご存じドラえもんが次々に繰り出す、魔法の道具。いったいいくつくらいあるか、ご存じでしょうか? 富山大学教授で「ドラえもん」学の提唱者である横山泰行先生によると、【1963個】だそうです。横山教授の分析では、大半の道具が1回しか登場しておらず、現在修理中のものも結構多いらしいです。それはともかくとして、その中で、もしひとつだけもらえるとしたら、みなさんは何が欲しいですか? @niftyが運営するアバウトミーAboutme.jpでは、“欲しいドラえもんのひみつ道具”アンケートが設置され、今でも集計が続いています。誰でも参加できるオープン形式のWebアンケートですが、今日時点での第一位は、きっとみなさんもよくご存じの『どこでもドア』。何と2/3近い得票で、ダントツの1位を独走中です。なるほど。

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 ドラえもんの魔法の道具には、確かに「こんなのがあったら」をカタチにしたものが次々に登場します。だから見ていて飽きないし、ワクワクもします。『どこでもドア』の登場頻度は結構高く、とにかく便利だし、人気道具No.1に輝いているのもすごくよく理解できます。でも、私はあまり欲しいとは思わないんです。いや、欲しいんだけど、欲しくないっていうか。ひねくれ者~!どっちや~!って言われそうですね。私は、夢があるのと、便利なのとは、ちょっと違う気がしています。行きたい時に、行きたいところへ行けたら、どんなに便利だろうか。疲れている時なら、仕事が終わったら『どこでもドア』ですぐ帰宅。週末になったら、『どこでもドア』で1泊2日のハワイ旅行。便利なのは間違いありません。でもコレだと、旅の準備や空想の楽しみがなくなってしまう。私は、便利なことは受け入れたいけど、ついでに夢がなくなってしまうなら、楽しさが消えてしまうなら、それはどうかなぁと思うわけです。

 ITはいろんなことを便利にしてくれます。今までできなかったたくさんのことが、ITを使えばできるようになっています。それこそ、旅行の準備や手配も、ITを活用することで本当に便利になっています。でも、便利なのと、楽しい、夢があるというのは、違う部分があるんじゃないでしょうか。苦労してでも、いや、苦労するから楽しい、夢がある、ということも、実はたくさんあるんじゃないかなぁ。もし、ドラえもんの【1963個】の道具が現実にあったら、ものすごく便利だろうけど、同時にものすごく夢のない、味気ない世の中なのかもしれないなぁ、なんて気もするわけです。ひねくれ者ですかね、やっぱり。あらためてもう1度、みなさんに伺ってみましょう…ドラえもんの道具、あなたなら何が欲しいですか。。。

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