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改めて思う、翻訳で問われるのは英語力より日本語力

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以前からお知らせはしていたのですが、このたび"Twitter Power: How to Dominate Your Market One Tweet at a Time"という本を翻訳させていただきました。発売日等、詳しい情報が決定しましたので、この場を借りてちょっと告知させていただきます。

  • 邦題: 『「ツイッター」でビジネスが変わる!』
  • ジョエル・コム著 / 小林啓倫訳
  • 価格: 1,700円(税別)
  • 発売日: 11月5日(木)

アマゾンでの予約は、発売日の約2週間前から可能になるとのこと。お手にとっていただければ幸いです。ちなみに原書の書評はこちら:

【書評】"Twitter Power"

ということで、今回「翻訳」という作業に携わる機会を与えていただいたわけですが、想像以上に難しいものでした。英語の意味が理解できても、そのまま訳すと日本語としておかしくなってしまったり。微妙なニュアンスを表す言葉が英語にはあるのに、日本語で見つけることができなかったり。逆に微妙なニュアンスを含む日本語を使って良いものかどうか悩んだり……改めて、翻訳で重要になるのは英語力より日本語力だと思い知らされた次第です。

格好つけた表現を許していただければ、翻訳とは著者と訳者、そして読者で形作られる三角形をどうバランスさせるか、という作業だと思います。もちろん原書を書いた著者の意図が最大限尊重されなければならないのですが、他の言語に翻訳する場合は、その言語を母語とする読者にも配慮しなければなりません。その上で、翻訳者の「こういう表現にした方が良い」という思いをどこまで反映させるか。それがスムーズに行えるかどうかは、翻訳する言語にどこまで精通しているのかがカギを握るでしょう。

今回、その作業にどこまで成功できたかどうかは本書をお読みいただくとして。ここでは全ての翻訳者の方々に、感謝の言葉を述べておきたいと思います。自ら翻訳に携わることで、皆さんの存在の重要性を、身にしみて感じることができました。もう「あの本まだ出ないの?」や「これって日本語変なんじゃない?」などというセリフは、決して言いません(笑)

【○年前の今日の記事】

正常の定義 (2008年10月6日)
おばあちゃんソーシング (2007年10月6日)
ロングテールを探せ (2006年10月6日)

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