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ブログの人気も Amazon が左右する時代に?

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Amazon が開始した"Kindle Publishing for Blogs Beta"プログラムによって、誰もが Amazon (+Kindle)を通じてブログを売ることが可能になりました。ここまでは前回書いたことですが、実際に登録・販売されるブログの数が増加しており、それに伴って面白いことが起きつつあります。

Kindleでブログを販売できるプログラム、Amazonがβ公開 (ITmedia News)

以下のスクリーンショットは、Amazon の Kindle ブログコーナービジネス・投資カテゴリー)のスクリーンショット。"Kindle Publishing for Blogs"プログラム以前から販売されていたブログも含まれていますが、ご覧のように、現在登録されている636のブログをリスト形式で確認することができます:

kindle_blogs_1

で、注目なのはこのページが通常の Amazon ストアと一緒であること。当然といえば当然なのですが、カテゴリーの詳細化、星の数での絞り込み、ソート順の変更(売れている順、評価が高い順等)などの機能が設けられています。

kindle_blogs_2

そしてこちらがブログの個別ページ(ちなみに Seth's Blog を例に取っています)。こちらにもお馴染み「この商品を見た人は、こちらの商品も」欄や、タグなどの機能がありますね。

これだけ通常のストアと一緒であれば、現在の Amazon が書籍のカタログ的機能を果たしているのと同様に、ブログについてもポータルサイト的な存在になっていくのではないでしょうか。例えば「会社で環境問題について調査することになったので、環境分野で有名なブログをチェックしておきたい」としましょう。「環境分野のブログ Best 10」のような記事がどこかに出ている可能性も高いですが、Kindle に登録するブログが増えれば増えるほど(そして利用者やレビューを書く人が増えれば増えるほど)、Amazon で人気/売れている/評価の高いブログを探せば良いということになります。また「このブログを見ている人は、こんなブログも」機能から、環境を中心テーマにしていなくても、隣接分野で重要なテーマを扱っているブログが見つかる可能性もあるでしょう。

「ブログを見つけるために Amazon を見る」という人が増えれば、今度は「ブログを売り込むためには Amazon に登録しなければ」と考えるブロガーが増え、Kindle ブログコーナーはますます盛り上がっていくはずです。また利用者の間に「あえてお金を払って読む人がいる=それだけ内容が充実している」という認識が生まれ、(お金を手にすることが目的ではなくても)Kindle でブログを売ろうとするブロガーが増えるかもしれません。そうなれば、文字通り Amazon がブログの人気をも左右する時代が来るのではないでしょうか。

そうなると、SEOならぬAKO(Amazon Kindle Optimization)や、Amazon でのランキングを上げるために「Kindle で購読してね!」キャンペーンを行うブログが出てくる……なんてことは想像したくないですが、ブロガーとしても Amazon は無視できない存在になっていくのではないかと思います。

【○年前の今日の記事】

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