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「初音ミク」に続くか?ローゼンメイデン「Alice Project」

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なんだかここしばらく、オルタナティブ・ブログでは「初音ミク」「鏡音リン」ネタが盛り上がっていましたが、こちらも注目を集めるかもしれません:

「ローゼン」真紅が思い通りにしゃべります NECの音声合成実験サイト (ITmedia News)

ローゼンメイデン アリスプロジェクト

昨日NECがオープンした、とあるサイト。どんな内容なのか、それはこのサイト自身に語ってもらいましょう(左の画像をクリックしてみて下さい)。

……ITmedia の記事の冒頭を、アニメ「ローゼンメイデン」のヒロイン・真紅に読み上げてもらいました(僕はこのアニメを見たことないのですが、ご存じの方はどこまで「似てる!」と感じられたでしょうか)。実はこのデータ、単にテキストをコピペして登録しただけのもの(ハイフンだけは外してあります)。微調整を一切行っていないのですが、かなり自然に聞こえますよね。

alice_4

もちろん微調整は可能で、上のスクリーンショットがその画面(※残念ながら現在はアクセスが集中していて、調整した結果を視聴・保存しようとするとエラーになってしまいます)。テンポやピッチ、「無音化」などのパラメータが用意されていますが、なんだか操作が難しそうですね……しかし「初音ミク」を活用した素晴らしい作品が次々生まれているように、こうしたサービスを縦横無尽に使いこなす人々も増えていくのでしょう。

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実は最近、『フィロソフィア・ロボティカ』という本を読みました。この本はロボットをテーマにしているのですが、副題に「人間に近づくロボットに近づく人間」とあるように、ロボットを通じて人間を考えるというのが本当の趣旨。ロボットを人間に近づけようとすればするほど、人間とは何か?が問われてくるということが、様々な事例を通じて明らかにされています。

初音ミクや「Alice Project」も、その本来の目的のために活用される一方で、「人間とは何か」を考える場となるかもしれませんね。例えば Alice Project の場合、機械が出してきた最初の結果を「変だな」と感じたら、「どうして変なのだろう?」を考えなければなりません。それはピッチのズレかもしれないし、テンポのズレかもしれない――つまり自分が無意識のうちに行っている行動を、デジタルな機械に教えられる形に顕在化する必要があります。それを通じて、「そうか、僕の中の『萌え』という感情はピッチが○○な時に生まれるものなのだな」などという発見が生まれていくのかなぁ、と思います。

もちろんそんなことを気にせずに、単純に遊ぶだけの場合も多いと思いますが。しかし初音ミクが大ヒットとなったように、Alice Project 的なものも多くの注目を集め、それによって何らかの刺激を受ける人々が出てくるのではないでしょうか。大げさに言えば、Alice Project は「完璧な音声合成エンジン」をつくるために協力を仰ぐ代わりに、参加者には「自分自身の理解」へのヒントをくれるのかな、などと感じた次第です。

最後にオマケ。こちらも画像をクリックしてみて下さい:

ローゼンメイデン アリスプロジェクト

これは意外と「ツン」ではない雰囲気にまとめられたかな。

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