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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

自分が知らないものは批判しない。

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よく知りもしないのに批判する。まったく理性的な行為ではありませんが、得てして「よく知らない『から』批判してしまう」のかもしれません:

SNSの問題を語る前に、まず自分で参加を (TechTarget ジャパン)

自分が知らないものは批判できないという前提に立ち、CIOやIT管理者にはSNSに挑戦し、Facebookに参加することをお勧めする。

ということで、企業トップに SNS への参加を呼びかける(SNS をよく理解するため)記事なのですが、冒頭の一文に深く頷いてしまいました。自分が知らないものは批判できないはず。だからアレコレ言う前に、まずは挑戦してみよう――まさしく仰る通りです。

そしてこの記事で紹介されている、米 FedEx の執行副社長兼 CIO、ロブ・カーター氏(※訂正:この事例はカーター氏のものではなく、記者の Kate Evans-Correia さんの体験談でした。僕の単純な勘違いですので、お詫びして訂正いたします)の例がなかなか素晴らしいです。以下、蛇足気味にまとめてみると、

  • 高校生の娘が Facebook を使っているの目にして興味を持ち、自分でもアカウント登録する。   
  • 娘に基本的な操作を教えてもらい、友達登録(!)してもらう。
  • ほかの友だち(実際の友人)にも友だち登録を依頼して、小さなグループを作り、定期的に仮想ソーシャライズするようになる。
  • 3ヶ月使い、納得感を得る。

という具合に Facebook にチャレンジされたとのこと。訳の分からないものに3ヶ月間取り組んだというのもすごいのですが、文中で紹介されている Kate さんの言葉、   

娘やその友達がどうしてわざわざこの媒体で交流するのかわたしは理解できなかった。理解できないのが嫌になり、どんなものか自分で見てみたいと思った。

という態度にはなかなかなれませんよね。前述したように、普通は「こんなもの全く理解できない。だから否定してしまおう」となってしまうことが多いのではないかと思います。

昨日も書きましたが、父はもう定年退職したのにPCにチャレンジしています。Word や Excel の本も買ってきて勉強していて、ネットにも接続したいとのこと。また母は最近ケータイを使い始めて、スパムメールが届いたといって喜んで(!)いました。二人のそういった態度には頭が下がる思いで、逆に自分がいま70近い年齢だったらどうしていただろうか――ネットやケータイには触ろうともせず、「犯罪の温床に違いない」と決め付けていたのではないかと感じています。「自分が知らないものは批判しない、批判するなら本腰で取り組んでみてから」という言葉を、肝に銘じておきたいと思います。

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