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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

画期的な新製品ができたとしましょう。今度の製品は「本当に」丈夫で、しかも「本当に」高性能な自信作です。ところが、これまで散々「丈夫」「高性能」と言い続けていたために、いくらアピールしても消費者に信じてもらえません。そう、言うなれば「オオカミ少年」になってしまっていたのです……。

さすがにウソを言い続ける会社は少ないと思いますが(残念ながら最近はそうとも言い切れませんね)、消費者の関心を引くためにちょっと大げさなことを言ってしまうことはあるでしょう。また自社ではしていなくても、同じカテゴリーの製品/サービスを提供している他社が大げさな宣伝をしていれば、消費者からは「どの会社も一緒だろ」と見られてしまう危険性があります。先日、『クチコミのチカラ―ビジネスに生かすクチコミ・マーケティング』という本をいただいたのですが、その中でこうした「オオカミ少年現象」を回避するアイデアとして、化粧品業界で異例の大ヒットを続けている「デジャヴュ ファイバーウィッグ」というマスカラの事例が紹介されていました:

マスカラのパッケージには、どの商品にも「まつげが長く伸びる」「ダマにならない」といった言葉が躍っている。しかし、実際はユーザーが満足する機能を持っていないことが多かった。つまり、ファイバーウィッグに本当に高い機能があっても、通常の伝え方ではうそだと思われてしまう可能性があったのだ。またファイバーウィッグにはさまざまな機能があり、訴求点を絞りきれないという悩みもあった。

そこで考えたのは、カテゴリーの変更だ。「マスカラ」ではなく、「液状のつけまつげ」という新しいカテゴリーを創造することを思いついたのだ。価格も1500円とし、当時マスカラの一般的な値段だった1200円より300円高くした。

そして「マスカラじゃない、これは塗るつけまつげ」というストレートなコピーを使い、「従来とは異なる」という点を消費者に印象付けることに成功したのだそうです(この後どのように消費者のクチコミが広がっていったのかは、同書で詳しく解説されています)。

「オオカミ少年」の話に例えるなら、変装や裏声を使って別人を装いながら「オオカミが来た!」と叫ぶようなものでしょうか。目新しいカテゴリを打ち出せば、消費者は先入観なしでメッセージを見てくれるだけでなく、「マスカラだったらこのブランドを使っているから」といった無条件のシャットアウトもなくなるでしょう。ただしこれで防げるのは消費者の思い込みだけで、発したメッセージに見合う価値を提供できなければ、当然「期待はずれ」と判断されてしまいますが。

特にこれから「クチコミ・マーケティング」の活用が求められる時代には、消費者が持つ「企業が言うことはどうせウソでしょ」という先入観をいかに回避するか、という点が重要になるのでしょう。「ファイバーウィッグ」の取った手法は他の業界にとっても参考になるかもしれません。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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