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リフォーム・サービス

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突然ですが、もし次のような場面に遭遇したらどう感じるでしょうか?

  • 長年住んだ自宅。子供が一人暮らしを始めたので、子供部屋を書斎に変えようと思います。自宅を建てた建築会社に相談に行ったところ、こう言われました:「ああ、それじゃリフォームの会社を紹介しますので、そちらでお願いして下さい。」
  • ジーンズを購入しました。ところが長さが合わなかったため、裾上げをしてもらおうとお店に品物を持ち込みます。ところが店員はこう言いました:「ああ、それじゃ仕立て屋を紹介しますので、そちらでお願いして下さい。」
  • レストランで食事をしました。食べきれない料理があったので、持ち帰りにしてもらおうと思います。「これ、テイクアウトにして下さい」とお願いしたところ、こう言われました:「ああ、それじゃビニール袋を持ってきますから、勝手に詰めて持って帰って下さい。」

当然、何か変だと感じますよね。確かにお店/会社側の役割(あるモノを売る)は終わっていますが、そのモノに関係した先のサービスは無くてよいのでしょうか。お客様の満足度と、新しい収益源の可能性(「食べ残しを¥100で持ち帰りに適した形に再調理してくれるサービス」なんて考えられるかも)を考えれば、売った後への配慮は欠かせないでしょう。

そこで本題。今日、読売新聞のサイトでこんな記事を見つけました:

記事画像化して保存:電脳明晰 (YOMIURI ONLINE)

新聞をスキャナで読み込み、OCRでテキスト化すれば保存+再利用が便利になりますよ・・・というHowTo記事。親切丁寧で、この記事自体は非常に有益だと思います。しかし読売新聞の記者は、「これならスクラップがはかどりそうだ」と喜んでいるばかりでいいのでしょうか?「記事の電子化はご自分でどうぞ」と言う新聞社は、「リフォームはお好きにどうぞ」と言う建築会社と一緒ではないでしょうか。

いくらスキャナとOCRソフトが高度化・低価格化したとはいえ、誰でも手に入れて使えるというレベルではありません。もし新聞社の側で記事をあらかじめ画像化・テキスト化し、それを配信するサービスを始めれば、読者の手間はぐっと省けるでしょう。記事1つあたりいくらという件数課金ではなく、1ヶ月いくらという購読型の料金体系を導入できるかもしれません。配信という形が難しければ、販売店にスキャナとOCRソフトを置き、電子化したい記事を持ち込んでもらうというスタンドアロン型(?)も考えられると思います。

多くの場合、モノは売られたら終わりではありません。消費者にとっては、モノを手にしたところからがスタートです。提供したモノで長く満足してもらうために、提供者は売った後であっても積極的に再加工を試みる・・・ちょうど住宅のように、「リフォーム」をサービスとして確立させる必要があるのではないでしょうか。

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