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あれこれ考えるよりも作ってしまった方が早いんじゃね?と思う、ギークなサラリーマンのアジャイルな日々。

選挙(政治)とネット

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本日(11/16)とうとう衆議院が解散され、1カ月後の12/16に都知事選と合わせて衆議院選挙が行われる見込みになりました。

今回の衆議院選挙に元同僚が出ることになったので色々と自分の強いネットを活用したPR面での応援をしているのですが、調べてみると選挙活動へのネット利用はまだまだグレーのところがあるようです。

ネット時代というのも違和感を感じるくらい、ネットが当たり前になった今、法律の方が現状にあっていないケースが増えています。選挙(公職選挙法)以外にもストーカー規制法や、著作権法、ネットを利用した犯罪に関する法律など枚挙に遑がないくらいたくさんあります。

そんなグレーな状況に対して、174回通常国会に議員立法で出された、公職選挙法の改正案が以下のものです。

国会議案 公職選挙法の一部を改正する法律案 - Yahoo!みんなの政治
http://seiji.yahoo.co.jp/gian/0181017401018/

近時におけるインターネット等の普及にかんがみ、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治への参加の促進等を図るため、インターネット等を利用する方法による選挙運動を解禁する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

とあるように、公職選挙法で規制されるネットを利用した選挙活動において、しっかりとルールを決めて、それに則って、きちんと活用していこうという趣旨です。

選挙運動で認められているPRツール(媒体)としては、新聞・テレビ等の選挙公報・政見放送、ポスター、ビラ、マニュフェスト冊子、ハガキ、電話等がありますが、ネットに関しての規定は今までありませんでした。

■ウィキペディアより引用
引用元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%81%B7%E9%81%B8%E6%8C%99%E6%B3%95
現在の公職選挙法では公示日から選挙日が終了するまでの間、候補者の名前の入った選挙運動(投票依頼)目的の文書図画については、選挙管理委員会が発行するシール又はハンコのついた一定枚数の文書図画しか発行できない。総務省はWEBページ、ブログ、電子メールも「文書図画にあたる」と解釈し、なおかつWEBの更新については新しい部分だけでなく過去のものも一体のものとして頒布・掲示したことにあたると解しているため、同省は「候補者は選挙期間中WEBサイトを更新できない」という立場をとっている。電子メールについては、内部の事務連絡に使用するのは問題ないが、不特定または多数に投票依頼を行うことは文書図画の頒布にあたると解している(政治家がメルマガを発行し続けることについての見解は不明)。このため、現在は総務省の見解を尊重すると、選挙期間中インターネットを利用した選挙活動(ネット選挙)を行うことができず、ブログの更新や、Twitterのつぶやき[1]、さらにはmixiの足あと[2]まで公職選挙法に抵触されるとしている。ただし、この解釈は一度も司法の判断を受けていないため、社会的に定着しきっているとは言えず、総務省・選管とインターネットを使用して選挙運動を行いたい候補者・市民との間で「両すくみ」のような状態になっている。この状態を解消するため、インターネットを利用した選挙運動を明文で認める、公職選挙法の改正案を提出しようという動きがある。
▲引用終わり

というわけで、議員立法によって提出された法案ですが、174回通常国会に提出され、今回の国会(181回)においても、未だ衆議院で審議中の段階です。

第181回国会(臨時会) 議案情報 - 公職選挙法の一部を改正する法律案
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/181/meisai/m18105174018.htm

法律案は以下
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17401018.htm

要項は以下
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g17401018.htm

要項を少し見てみると、

 

公職選挙法の一部を改正する法律案要綱

 

一 インターネット等を利用する方法による文書図画の頒布の解禁
1 選挙運動のために使用する文書図画は、インターネット等を利用する方法(電気通信の送信(公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信 を除く。)により文書図画を受信者が使用する通信端末機器の映像面に表示させる方法をいう。以下同じ。)により頒布することができるものとすること。
2 選挙運動のために使用する文書図画であってウェブサイト等を利用する方法(インターネット等を利用する方法のうち電子メールを利用する方法を除いたも のをいう。以下同じ。)により選挙の期日の前日までに頒布されたものは、第129条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、受信者が使用する通信端末 機器の映像面に表示させることができる状態に置いたままにすることができるものとすること。
(新第142条の3関係)

二 ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用文書図画を頒布する者の表示義務
 ウェブサイト等を利用する方法によりその者の行う選挙運動のために使用する文書図画を頒布する者は、その者の電子メールアドレスが、受信者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならないものとすること。
(新第142条の4関係)

三 選挙運動用電子メールの送信の制限等
1 電子メールを利用する方法によりその者の行う選挙運動のために使用する文書図画を頒布する者(以下「選挙運動用電子メール送信者」という。)は、次の イからハまでに掲げる者以外の者に対し、選挙運動のために使用する文書図画を頒布するために用いられる電子メール(以下「選挙運動用電子メール」とい う。)の送信をしてはならないものとすること。
イ あらかじめ、選挙運動用電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を選挙運動用電子メール送信者に対し通知した者
ロ 政治活動用電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を選挙運動用電子メール送信者に対し通知した者(その通知をした後、政治活動用電子メールの送信をしないように求める旨を選挙運動用電子メール送信者に対し通知した者を除く。)
ハ 書面による方法により自己の電子メールアドレスを選挙運動用電子メール送信者に対し通知した者
2 選挙運動用電子メール送信者は、次のイからハに掲げる区分に応じ、それぞれイからハに定める事実を証する記録を保存しなければならないものとすること。
イ 1のイによる通知を受けた場合 選挙運動用電子メールの送信をするように求めがあったこと又は送信をすることに同意があったこと。
ロ 1のロによる通知を受けた場合 政治活動用電子メールの送信をするように求めがあったこと又は送信をすることに同意があったこと。
ハ 1のハによる通知を受けた場合 書面による方法により電子メールアドレスの通知があったこと。
3 選挙運動用電子メール送信者は、1のイからハまでに掲げる者から、選挙運動用電子メールの送信をしないように求める電子メールアドレスを明らかにし て、電子メールの送信その他の方法により選挙運動用電子メールの送信をしないように求める旨の通知を受けたときは、当該選挙運動用電子メールの送信をして はならないものとすること。
4 選挙運動用電子メール送信者は、選挙運動用電子メールの送信に当たっては、当該選挙運動用電子メールにより頒布される文書図画に次のイからニに掲げる事項を正しく表示しなければならないものとすること。
イ 選挙運動用電子メールである旨
ロ 当該選挙運動用電子メール送信者の氏名又は名称
ハ 3の通知を行うことができる旨
ニ 3の通知を行う際に必要となる電子メールアドレスその他の通知先
(新第142条の5及び新142条の6関係)


四 インターネット等を利用する方法により当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者の表示義務

1 選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に、ウェブサイト等を利用する方法によりその者の行う当選を得させないための活動に使用する 文書図画を頒布する者は、その者の電子メールアドレスが、受信者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならないものとするこ と。
2 選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に、電子メールを利用する方法によりその者の行う当選を得させないための活動に使用する文書 図画を頒布する者は、当該文書図画にその者の電子メールアドレス及び氏名又は名称を正しく表示しなければならないものとすること。
(新第142条の7関係)

五 選挙運動のための有料インターネット広告の禁止等
1 選挙運動のための有料インターネット広告の禁止
(1) 何人も、その者の行う選挙運動のための公職の候補者の氏名若しくは政党等の名称又はこれらのものが類推されるような事項を表示した広告を、有料で、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載させることができないものとすること。
(2) 選挙運動の期間中の(1)の禁止を免れる行為についても、(1)と同様とすること。
2 選挙運動用ウェブサイトにリンクした有料インターネット広告の禁止
  何人も、選挙運動の期間中は、公職の候補者の氏名若しくは政党等の名称又はこれらのものが類推されるような事項が表示されていない広告であって、選挙 運動のために使用するウェブサイトにリンクしたもの(バナー広告等)を、有料で、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載させるこ とができないものとすること。
(新第142条の8関係)

六 選挙に関するインターネット等の適正な利用
  選挙に関しインターネット等を利用する者は、公職の候補者に対して悪質な誹謗中傷をする等表現の自由を濫用して選挙の公正を害することがないよう、インターネット等の適正な利用に努めなければならないものとすること。
(新第142条の9関係)

七 屋内の演説会場内における映写の解禁等
 1 屋内の演説会場内において映写等の類を掲示することができるものとすること。
 2 屋内の演説会場内におけるポスター、立札及び看板の類についての規格制限(273cm×73cm)を撤廃するものとすること。
(第143条関係)

八 インターネット等を利用する方法によるあいさつ目的の有料広告の禁止
  現行法のあいさつを目的とする有料広告の禁止の対象に、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載されるものを加えること。
(第152条関係)

九 インターネット等を利用した選挙期日後のあいさつ行為の解禁
インターネット等を利用した選挙期日後のあいさつ行為については、第178条(選挙期日後のあいさつ行為の制限)の規定を適用しないものとすること。
(第178条第2号関係)

十 インターネット等による選挙運動に要する支出
  インターネット等を利用する方法による選挙運動に要する支出については、第三者は、出納責任者の承諾なくこれを行うことができるものとすること。       (第187条第1項関係)

十一 罰則関係
1 選挙運動用電子メールの送信制限違反及び選挙運動用電子メール送信者の表示義務違反
イ 三の1に違反して、選挙運動用電子メールを送信した選挙運動用電子メール送信者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。
(第243条第1項第3号の2関係)
ロ 三の3に違反して、選挙運動用電子メールの送信をしないように求める旨の通知をした者に対し、当該選挙運動用電子メールを送信した選挙運動用電子メール送信者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。
(第243条第1項第3号の2関係)
ハ 三の4に違反して、選挙運動用電子メールにその電子メールアドレス等を表示しなかった選挙運動用電子メール送信者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処するものとすること。     (第244条第1項第2号の2関係)
2 電子メールを利用する方法により当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者の表示義務違反
  四の2に違反して、選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に、電子メールを利用する方法によりその者の行う当選を得させないための 活動に使用する文書図画にその者の電子メールアドレス等を表示しなかった者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処するものとすること。
(第244条第1項第2号の3関係)
3 インターネット等を利用する方法による氏名等の虚偽表示罪
  当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって真実に反する氏名、名称又は身分の表示をしてインターネット等を利用する方法による通信をした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処するものとすること。(第235条の5関係)
4 選挙運動のための有料インターネット広告の禁止違反等
 イ 五の1の(1)に違反して、その者の行う選挙運動のための公職の候補者の氏名若しくは政党等の名称又はこれらのものが類推されるような事項を表示し た広告を、有料で、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載させた者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとする こと。
 ロ 五の1の(2)に違反して、選挙運動の期間中の五の1の(1)の禁止を免れる行為をした者についても、イと同様とするものとすること。
 ハ 五の2に違反して、公職の候補者の氏名若しくは政党等の名称又はこれらのものが類推されるような事項が表示されていない広告であって、選挙運動のた めに利用するウェブサイトにリンクしたもの(バナー広告等)を、有料で、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載させた者は、2年 以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するものとすること。   (第243条第1項第3号の3関係)

十二 適用関係
1 文書図画に記載され、又は表示されているバーコードの類に記録されている内容であって、読取装置を用いて読み取ることにより映像面に表示されるものは、当該文書図画に記載され、又は表示されているものとみなすものとすること。
2 1にかかわらず、バーコードの類により記載され、又は表示されている法定記載事項については、記載され、又は表示されていないものとみなすものとすること。
3 文書図画を記録した電磁的記録媒体を頒布することは、文書図画の頒布とみなすものとすること。
(第271条の6関係)

十三 施行期日等
1 施行期日
 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行するものとすること。        (附則第1条関係)
2 適用区分
 この法律による改正後の公職選挙法の規定は、この法律の施行の日以後初めて行われる国政選挙(衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙をいう。)の公示の日以後にその期日を公示され又は告示される選挙について適用するものとすること。
(附則第2条関係)
3 プロバイダ責任制限法の一部改正
(1) 発信者に対する同意照会の期限の特例
  選挙運動期間中に頒布された選挙運動用又は当選を得させないための活動に使用する文書図画について、当該文書図画に係る情報の流通によって自己の名誉 を侵害されたとする公職の候補者等から当該情報を削除するよう申出があった場合に、プロバイダ等が発信者に対し削除に同意するかどうかを照会し、2日(現 行7日)以内に発信者から同意しない旨の回答がなかった場合において、プロバイダ等が当該情報を削除したときは、プロバイダ等は、発信者に生じた損害につ いては、賠償の責めに任じないものとすること。
(2) 電子メールアドレスが表示されていない情報を削除した場合に係る特例
  選挙運動期間中に頒布された選挙運動用又は当選を得させないための活動に使用する文書図画であって発信者の電子メールアドレスが公職選挙法の規定に違 反して表示されていないものについて、当該文書図画に係る情報の流通によって自己の名誉を侵害されたとする公職の候補者等から当該情報を削除するよう申出 があった場合において、プロバイダ等が当該情報を削除したときは、プロバイダ等は、発信者に生じた損害については、賠償の責めに任じないものとすること。
(附則第5条関係)

要は認められたツール(文書・図画)に、ネット媒体を加えるということが趣旨ですが、それに加えて、選挙運動(活動)とは定義されていなく規制外だった「落選運動・ネガティブキャンペーン」に対して、発信者のメールアドレスの表示義務が求められているということと、選挙期間中の有料広告が全面禁止になったということ、あいさつを目的とした有料広告の禁止と、選挙が終わった後のあいさつにネットが使えるようになったということくらいでしょうか。

ルールが無いよりもあった方が良いのですが、ネットが得意な議員と、ネットが不得意な議員であまりに差が出ても困りますし、あまり抽象的なルールを作られて、個人情報保護法のように皆が委縮して石橋を叩くようなネット選挙になっても困ります。

なので、審議は専門家の意見なども踏まえてしっかりやってもらいたいのですが、それを踏まえても審議が遅い!遅すぎる!

今までネット業界で、ドッグイヤー、マウスイヤーのスピード感で動いてきた自分としては、国会での意思決定や改革が本当に遅く感じます。当然、影響度、重要度のレイヤーが違うのはわかりますが、既得権益者との調整や、党利党略での政治的取引、自らの保身、などのために遅れているのであれば、それは国民を馬鹿にしたことではないでしょうか。

ネットを通じた、国民ひとりひとりの発信ができるようになった今、ネットを活用した選挙運動は非常に重要です。今回の衆議院選挙には間に合いませんでしたが(※)、きちんとした審議と先送りしない決議・公布を望みます。

※本法律案は公布後1月で施行、施行後の国政選挙で適用されます。

十三 施行期日等
1 施行期日
 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行するものとすること。        (附則第1条関係)
2 適用区分
 この法律による改正後の公職選挙法の規定は、この法律の施行の日以後初めて行われる国政選挙(衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙をいう。)の公示の日以後にその期日を公示され又は告示される選挙について適用するものとすること。

ベネッセで12年間、たまひよなどを通じて子どもと子育てを支援してきた
みやせ英治(宮瀬英治) さんが、埼玉県3区(草加市・越谷市)から、
衆議院選挙に出馬されます。ママやパパが安心して子どもを産み、
子育てが出来る国にするために国政に挑戦する彼を応援しています!

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