組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

生産性の向上と育成体系構築

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2018年6月29日に可決された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の施行が4月に迫っており、働き方改革関連法への世間の関心がより高くなってきています。
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そもそも働き方改革の目指すものとして以下が挙げられます。
 
・働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにすること
・日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、 「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するために、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ること
・働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること
 
その中で「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」に関しては日本の長年の課題であり、多くの企業が経営課題として以下の2点に直面します。
 
1. 労働力の確保
2. 生産性の向上
 
しかし1.に関して、新たな労働力を確保するために今までの主要な労働力(男性、フルタイム等)以外の、労働市場にあまり出て来ていなかった多様な人材(女性、シニア、パートタイム等)を呼び込むことが必要になるが、日本の生産年齢人口が減少していることを考えると大幅な労働力の確保は困難であると考えます。
こういった状況下で企業が提供する付加価値を増加させるためには、「限られた労働力で付加価値を生むように生産性を高め業務を推進する」②がより求められると考えます。
しかし現状では多くの企業が体系的な教育や育成投資を行えていません。
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弊社クライアントの担当者様からも、「研修等の人材育成施策を単発的に受講するだけで終了してしまい、『どの様な要件を持つ人材が高い労働生産性を上げることが出来るのか』が把握出来なかった」という声が聞かれます。
このような点を回避するためには、「社員1人ひとりの人材要件の把握に繋がり、高い労働生産性を実現するための体系立てた育成体系」を構築する必要があります。
育成体系とは、「どの階層(レベル)の人材」に「どのようなスキルや能力開発を行うか」を整理(設定)したものを言い、主な効果は以下の二点となります。
 
1. いつ、どのような研修を実施するのか明確にすることによって、研修の実施に対する育成ロス(時間や投資)を低減することができる
2. 会社が求めるスキルやレベルを明示することで社員を動機付けることが出来る
 
また、その他に育成体系を構築することの副次的なメリットとして採用ツールや昇格基準としても活用が可能な点が挙げられ、会社の求めるスキルを明確化することにより以下のような効果があります。
 
・採用基準としての活用
1. 候補者のスキルが自社の求めるスキルを満たしているのか採用の判断基準に使用する事ができる
2. 自社内で不足しているスキルを持っている候補者をピンポイントで採用することができる
・会社が求めるスキルやレベルを明示することで社員を動機付けることが出来る
1. 昇格審査に研修の受講や求めるスキルの修得を条件にすることで会社として求めている人材像を社員にメッセージとして伝えることができる
2. 昇格基準も明確になるために評価制度に対する不満の減少にも繋げることができる
 
育成体系の構築は以上のように良い点をもたらすと考えられます。
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しかし、育成体系を構築するにあたり会社として注意しなければならないこともあります。
それは「今の会社の現状を把握し、明確なあるべき姿を描くこと」です。やみくもに育成体系を構築してもうまくはいきません。
「会社としてどういう人材を求め、どういう人材に育ってほしいのか」といったあるべき姿を明確にすることで体系立てた人材教育を行うことが可能となります。また人材教育スケジュールや人材教育方法(内部で人材教育を行うのかあるいは外部に委託するのか、外部であればどこの企業にどういう方法で依頼するのか等)も明確にすることでより効果のある人材教育が可能になると考えられます。
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弊社では人事制度構築のみではなく人事制度に紐づいた育成体系構築も行っております。2019年4月の働き方改革関連法施行に合わせて人事制度や育成体系の見直しも検討してみてはいかかでしょうか。
※参照:厚生労働省
 
 
組織開発コンサルティング事業部
竹川 修平

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