組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

新規学卒就職者の離職状況

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【32.2%】

突然ですが、この数字が何かご存じでしょうか。
この数字は平成29年時点の「新規学卒者の3年以内の離職率」です。
新卒入社社員の3人に1人は、3年以内に退職をしているとはよく言われますが、それはこの数字が示すとおりです。

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新規学卒就職者の離職率
中学卒:67.7%(1年目:45.4%、2年目:14.4%、3年目:7.9%)
高校卒:40.8%(1年目:19.5%、2年目:12.0%、3年目:9.3%)
短大卒:41.3%(1年目:18.3%、2年目:12.0%、3年目:11.0%)
大学卒:32.2%(1年目:12.3%、2年目:10.6%、3年目:9.4%)

改めて冒頭の【32.2%】をみると、この数字は大学卒の離職率になります。
中学卒、高校卒、短大卒は大学卒より高い離職率であり、高校卒は10人に6~7人は離職している数字になります。
また、細かく数字を見ていくと、大学卒の三年以内の離職率は32.2%ですが、そのうち1年以内に退職者は、12.2%で約4割を占める数字となっています。

人材獲得競争が激化している状況や、就業人口の減少を鑑みるとせっかく採用した人材が流出していくことは企業にとって痛手です。
経営者や管理職は離職率を減少させるために、1年以内に離職させない施策を打つことが今まで以上に重要になってきます。

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以下の内容は、企業において施策を講じているのか、否かを考える上で興味深い傾向を示しています。

新規大学卒就職者の事業所規模別就職3年後の離職率
従業員数:離職率
5人未満:59.1%
5~29人:50.2%
30~99人:38.8%
100~499人:31.9%
500~999人:29.8%
1000人以上:24.3%
参考資料:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況

上記の数字を見ると、事業所規模が大きくなると離職率が下がっています。
推測ですが、離職率が下がっている理由として、従業員数が多い企業は周囲の先輩社員等に仕事の悩みを相談できる人が増え、離職するかどうか悩む人についてフォローが行き届いているのではないかと考えられます。
人数規模の小さい会社は、適切なタイミングで適切にフォローすることが不十分となり、退職を押しとどめることが出来ていないということが伺えます。

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さて、ここまでは新規学卒就職者の離職状況の現状について書いてきましたが、どのように問題を解決すればよいのか離職防止・抑制策について示します。

離職防止・抑制の施策の主なものとして、以下のようなものがあります。
・待遇や労働環境の改善
・ワークスタイルの改善
・風通しのよい職場づくり
・モチベーションマネジメント
・ストレスマネジメント
・自己実現の支援
・採用のミスマッチの回避
・メンター制度の導入      など

上記のように様々な解決策がありますが、全てを実施したから離職率が下がるわけではありません。また、現状を明確に把握したうえで、会社のあるべき姿を明確に描かなければ、本質的な問題・課題の解決になりません。
その為に、経営者や管理職が最も注力すべき点が3点あります。

1点目:社内のコミュニケーションを円滑にすること。
2点目:上記にあるような施策を単に導入するだけでは効果が薄く、自社の離職理由に合った問題に対する解決策を見つけること。
3点目:仕組みを動かす運用者(特に現場のマネジメント)への働きかけをすること。

上記の3点を踏まえ制度の導入検討を行う必要があります。

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新卒採用のピークを迎える季節です。新たなスタートを切る為には、新入社員の人材レベル向上が会社全体の底上げになります。社外に大きな一歩に踏み出す前に、社内の環境に目を配り、組織の活性化へと結びつけて下さい。



組織開発コンサルティング事業部 田中 海斗

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