組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

「働き方改革」で変わる中小企業の人事部門の在り方

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2016年の「第一回働き方改革実現会議」を皮切りに、日本の長時間労働や固定化された働き方の見直しに関心が高まっています。

今年の7月に当社はある人事関連イベントに出展しました。会場に訪れる人事担当者との会話から、人事部門においては、以下のような事柄に、最近は特に関心が高いと感じました。

 ・長時間労働を抑制し、かつ年次有給休暇を取得しても成果をあげる「生産性向上」について

 ・労働人口の減少を見据えた優秀な人材確保と人材流出防止策について

 ・社員情報の一元管理と人材の活かし方(「タレントマネジメント」)について

以上の観点から、人事部門においてもグループウェアや勤怠・給与・人事管理などのシステムの導入、既に導入されているシステムの見直しを始めた企業が多かったように思い返します。

人事部門の「働き方改革」の視点でいえば、大企業を中心に、非生産的な定型業務は最小限に、企業価値を高める人事戦略の策定など付加価値業務を拡大する働き方へと変えていく動きが見られます。

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従業員数100~500名規模の中小企業における人事部門を例に考えてみます。

中小企業では、人事業務のみを行う独立した人事部門があるよりも、総務・経理・法務業務など、人事以外の業務を兼任しているケースが多くあります。そして、人事部門への人材配置は、身上情報や給与情報、評価情報などセンシティブな情報に触れることから、従業員数100名に対して約1~2名と組織全体からみるとごく僅かであるのが現状です。

そんな人事部門が感じている課題といえば、「日々の実務に追われ、中長期的な課題や施策の検討ができていない」が72.4%と最多の回答でした。(人事専門誌/労政時報 第3729号「人事部門の課題と今後に関するアンケート結果」2008年(平成20年) 7月11日発行)

ここ数年でも、マイナンバー、ストレスチェック、採用活動の短期化など、緊急かつ重要度の高い業務が発生しており、「日々の実務に追われ、中長期的な課題や施策の検討ができていない」状況に変化がない可能性は高いです。

将来を見据え、中長期的な課題や施策の検討をしていくためには、人事部門の日々の実務を軽減することが必要不可欠です。

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以上のことから、

今後の中小企業における人事部門の在り方として、定型業務を削減し、「人事戦略の策定・実行」業務へと働き方をパラダイムシフトする必要があると考えられます。

日々の定型業務を軽減する解決策は、人員を増やす、そもそもの業務を無くす、外注する、時間短縮の為のスキルアップやシステム導入など様々です。「人事戦略の策定・実行」業務が加わると新たに情報収集・整理・分析業務も発生しますが、業務量を最小限に抑えられる方法も合わせて考えていく必要があるでしょう。

このような手間に煩わしさを感じ、考える時間を確保せず、やり方を変えられないケースも多々あるようです。

しかしながら、この「働き方改革」は、業務の見直しや業務目的の再確認、業務の優先順位付けをするきっかけにも出来ます。人事部門が考え方や行動を変化させ、率先して働き方を変える取り組みをすることが、全社に対して、考え方や行動を変化させる促しになり、生産性向上に繋がっていくものと考えられます。

人材開発コンサルティング事業部
進士 綾乃

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